太陽編も「その四」でラストです~
アニメ版では21世紀部分をバッサリカットし、
7世紀の「壬申の乱」を基に”政治と宗教”が描かれております~
手塚先生が漫画で描いた「太陽編」は7世紀と21世紀の双方で起きている
「宗教と人、宗教戦争」の様子が交互に交差しながら描かれております。
◆アニメ版「火の鳥」太陽編その四
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【ざっくり、あらすじ】
土地神信仰に対して寛容な姿勢を見せた「大海人皇子」側について
闘うことに決めた犬上(ハリマ)&犬神マリモ
犬上とマリモのもとに
日本各地の産土神たちが援軍としてやってくる。
仏教vs土地神信仰(八百万の神々)
こうして大きな犠牲を払い
時代が動こうとしていた。
見どころ①火の鳥のポリシー(?)
火の鳥はその時代、その時、その場で重要な人物の前に姿を現し、語りかけます。
今回の戦でも「犬上とマリモ」の前に現れ、語りかけます。
犬上たちが、火の鳥に「どうしたら勝てますか?」と助けを求めるも
火の鳥は「観察者」として徹底した態度で臨む。
↓
”火の鳥は人の争いに干渉しない、ただ見てるだけ”
人類の運命を決めるのは「人類」の決断と行動だと。
火の鳥は善悪をジャッジする神(裁定者)ではなく、観察者のようです。
見どころ②神々争いの根源にあるモノ
「太陽編」では珍しく火の鳥がよくしゃべるのです~
でも、その言葉はとても「重い」。
↓
”神々の争いは人間が起こしたもの、人間の欲望が起こしたもの”
”神と宗教は人の欲望と結びついた時、酷く残酷なモノとなってしまう”
神々ではなく「人間が争っているだけだ」と核心つきまくりっす(;;)
しかも、それは「人間の欲望の争いだ」と(グサッ)
信仰ではなく、欲望(支配欲)の争いなのか…色々納得できることもある。
見どころ③戦の勝敗とその後の政治
恐ろしいことに犬上とマリモたちは戦に勝ったのに
戦後に国・社会はどうなったかというと
結局は最初に敷かれた変革の芽が
大きな流れとなり人々を巻き込み
「変化」の方向へ押し流して行ってしまうのです。
「これまでを守ろう」とした犬上とマリモですが
人々は変化を選んでいたわけですな…
しかも、大海人皇子も王座についてみると
「仏教による国の統一」の必要性を感じるようになっていて…
この世界、人々の関わりで動く社会ってのは
「変化の方向へ進む」力がとても強いってことですよね。
これは、心に刻んでおかねばφ(..)メモメモ
見どころ④村を去るクゾク犬神たち
犬神一族・クゾクが人間化した姿の時
その装束は「アイヌ民族」を思わせるデザイン(模様)なのです。
そして戦の後に産土神への信仰がすたれてしまった為
「北に向かいます」と土地を去るクゾクたち…
アイヌ民族と土地神の結びつきが強いという示しでしょうか。
先住民というのは「神聖な民族」なのかもしれません。
「未来編」へ続く