あー・・これ感覚的には「知ってた」
でもちゃんと研究結果をして突きつけられると、グッとくるね。
ということで酒と本と映画が好きな暇人独女みつまるです。
今日もビシバシ「自分の感情と理想を抜きに現実をみる」作業を進めていきます。
この世界の現実をちゃんと確認しとないとゲームクリアできないもんね。
だいぶ「日本は平和」「日本は先進国(精神的にも)」「勧善懲悪が世界のルール」
という思い込みで40年生きてきてしまったので
「理想の社会」フィルターはずして改めて見る世界は「リアリティ・バイツ」です。
ウィノナ・ライダー元気かなぁ・・・。
表に出てこないだけ、
報道されていなかっただけで
酷いことしている人も酷い目にあっている人もたくさんいるよね。
この「しらべぇ」の親からの虐待の記事を読むと
後半に親から虐待を受けた経験のある人の調査結果があるのですが
私が思うよりもずっと多かったです。
20代から60代の男女1,328名の回答結果では
30代男性と40代女性は約20%が親からの虐待経験者だし、
各年代でも60代女性の7.5%以外みんな10%超えています。
このアンケート結果で言えば
世の中の8人に1人が親から虐待されたことがあることになるそうです。
親の愛だって温かい愛溢れる家庭だって
全然「当たり前」じゃないのです。
そういった愛溢れる家庭の家族でいられることは
ものすごーく奇跡的な幸福なのです。
と、今回もまた本題前に長く語ってしまいましたが
ここから本題にサクッと入ります。
人がどんなに知識や情報を手にしようが
研究が進んで技術がものすごい速度で発展しようが
世の中がそう幸福に満たされた状態にならない原因の1つはこれです。
さらにいえば人が人生で苦悩や後悔する原因もここにあります。
今日の現実認識はこちらです!
『人間は合理的な判断ができない』
研究データにより解明されたこの結論はショックですが
心当たりあるんじゃないでしょうか?
ただ、これを知っておけば判断や決断する時に活かせるはず。
では、解説と共にどう活かしていくか?
人生攻略法に取り入れていくために見ていきましょう。
カーネマンの『プロスペクト理論』
「人間は合理的な判断ができない」と
実験で実証し結論づけたのが
この行動経済学の理論です。
どんな実験だったか?
簡単にイメージしやすいように説明すると
◆実験①「得る」実験
- Aのボタンを押すと80%の確率で40万円もらえる
- Bのボタンを押すと100%の確率で30万円もらえる
Q:あなたはどちらのボタンを押しますか?
◆実験②「失う」実験
- Cのボタンを押すと80%の確率で40万円損をする
- Dのボタンを押すと100%の確率で30万円損をする
Q:あなたはどちらのボタンを押しますか?
◆実験の結果
- 実験①ではBのボタンを選ぶ人が多かった
- 実験②ではCのボタンを選ぶ人が多かった
この結果をどう思いますか?
私もたぶん実際に目の前にボタンがあったら
実験①ではBのボタンを迷わず推し確実に30万円ゲットするでしょう。
ただ実験②は相当悩みます・・・はっきりいって「押したくない」。
◆数学・統計でみていく確率から導き出される期待値は
実験①の場合:どれだけ得か?
- Aは80%×40万円=32万円得をする
- Bは100%×30万円=30万円得をする
実験②の場合:どれだけ損か?
- Cの場合は80%×40万円=32万円損をする
- Dの場合は100%×30万円=30万円損をする
数学的・統計的に考えれば
AとDを選ぶ方が得が多く、損は少ないので合理的です。
でも実験結果から見ると
人間の判断は真逆の選択をしています。
この結果からカーネマンは人の意志決定・判断についてこう言っています。
「人間は利益については
より確実な選択肢を選ぶ傾向があり、
損益についてはリスクをとって
ギャンブル的な選択肢を選ぶ傾向がある」
人間は「損失の苦しみ」をより気にしてしまう。
更に実証実験により得たデータにより導き出された驚きの数字!
『利益と損失が同額であった場合、同じ額の利益を得るよろこびよりも
損失は2.25倍苦しみを強く感じる』
「失う悲しみ」や損失の方が重要で重いのです。
でも考えてみれば確かに。
自分の過去の経験なんかを当てはめてみてもその通りなのです。
つまり人間は悲しみや損失の決断に対しては
回避の可能性が少しでもあるなら
ギャンブル的な決断をしてしまうのさ。
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選択肢が多いほど人は苦しみ後悔する
そもそも人間は決断するのが苦手なのです。
カーネマンの実験により
「人は損をしたくない」気持ちが強く
「損をしたくないため非合理な選択をしてしまう」とわかりました。
コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の実験によると
「人は選択肢が多くなるほど、実は選択できなくなり
選ぶこと自体を放棄してしまう傾向にある」
ということが分かったのです。
それはなぜでしょうか?
選択するということは
1つを選ぶということですよね。
- AかBのどちらかを選ぶ
- A、B、C、Dからどれか1つを選ぶ
- あなたは自由でどんな決断をしてもOKです
この場合隠されている部分に我々は敏感に反応しているのです。
①AかBのどちらかを選ぶ
⇒Aを選んだ場合はBを選んだ時に得る可能性を捨てることになる、
どちらを選んでも一方の可能性を捨てることになるのです。
②A,B,C,Dからどれか1つを選ぶ
⇒選ばなかった3つの可能性を捨てることになる
③無限の可能性の中から自由に好きな1つを選べる
⇒選んだ1つ以外の他の可能性すべてを捨てることになる
選択すること自体が既に損失の可能性を秘めているわけです。
しかも選択肢が多いほど損失も多くなり
「もしもあの時」の後悔が増えていくのです(;;)
そして自分で下した決断にその後の人生が囚われてしまう傾向にあるそうです。
「もしもあの時」という思いを抱え続けたり
「この選択は正しかった」と無理に思い込むようになったり
今より良い選択をすることよりも過去の自分の決断に引っ張られてしまうんだって。
人生ゲーム攻略法:納得できていない時の直感による決断は避ける
世の中は数学と科学です。
基本的に運も偶然も奇跡もありません。
だから特に「重要な決断」については
直感だよりのギャンブルにしてはダメです。
直感の声=本能的な判断
なので
「損失を怖れる非合理な判断を下す声」になります。
しかも気をつけねばならないのは
悪魔の手下と化した欲深い人というのは
あなたに「今決めないと損しちゃいますよ」といような
得をちらつかせ、まだ頭で整理できないうちに決断を迫ってきます。
こういった人はほぼ詐欺師なのでお気を付け下さい。
「急いで決めないと損しちゃう」話なんて
そもそも決めても損するのです。
どんなことも
原因と結果、科学と数学があるだけです。
だから「なんだかわからないけど」は知識不足なので
判断すべきではありません。
私が先の実験で自分が決断するなら・・というところで
正直「どっちも選びたくない」と答えました。
ならば選択しなければいいのです。
あの選択は特に「どっちを選んでも損する」わけですからね。
そんな選択はそもそもしなけりゃいいのです。
「そんな選択しない」という選択肢もお忘れなく。
直感は正しい
チャンスの神様は前髪しかない
っていう人もいますが
それはそのことに関する知識が自分の中に備わってる場合です。
それでも最低でも一晩くらいはじっくり考える必要あると思いますけどね。
注意を怠らないというのも
これからの世界を生き残るために必要な姿勢ですね。
では、長くなってしまったのでこの辺で(^^)
また次回お会いしましょう~☆
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