狼信仰ってあのがあったのか?!
と驚いてみたのですが日本もあらゆる自然を信仰しているので「同じか」と納得。
それよりも「赤ずきんちゃん」の話めちゃ怖いじゃないの。
どうも~童話って実は怖い実話からできているのかもと思う
酒と本と考えることが好きな暇人プロ独女みつまるです。
日本の昔話にも通じるものがあるよね。
ロアで描かれた狼男については私が日本の鬼や妖怪話に抱いている
「こういうことだったんだろうな・・」ってところと同じ部分もあったよ。
18世紀、19世紀は今からすれば「なぜこんなことが?!」という怪奇な
人の暴走する思い込みによる奇行が起こす事件多いです。
当時の科学で解明できない謎やそれによって湧いてくる不安や恐怖への対処法が
神や悪魔によるものとして強引な解決に向かっちゃう姿にハラハラします。
でも良く考えたら、今現在も同じくらいこの世界はどこか狂っているんでしょうね。
だって人間自体は18世紀19世紀からそれほど進化していませんから。
では狼男と赤ずきんのお話がつながる
昔ドイツの村であった事件を見ていきましょう。
ロアは実際に起きた事件や記録に残っている事件を元にした
再現ドラマの番組です。
狼信仰と人狼伝説
5世紀のアイルランドのオーサリーという土地の住民は
狼を信仰していて、布教活動で訪れた聖パトリックの目の前で
人が狼のような獣に変化して人を襲ったそうです。
なぜか、狼信仰者でない聖パトリックはたすかり
犠牲になった人は狼の信者という描かれ方でした。
信仰することで獣になり人ではなくなるって恐怖からか
キリスト教の布教に繋がったようです。
ロアでは当時「多毛症」の人への恐怖心と「狼信仰」が
両方恐怖の対象として繋がり
「人狼」という存在が人々に広まったのではないか?と言ってました。
人狼と鬼と妖怪とエレファントマン
人狼の話に当時の「多毛症」の人への恐怖が出てきました。
私が日本の昔話に感じていたことと共通しています。
「泣いた赤鬼」って話知ってますか?
私は小さい頃この話を知ってから
「鬼」のイメージが変わったんですよ。
それまでは人間を襲う魔物ってイメージだった。
でも人と仲良く交流し、優しい心もってる鬼の姿や
仲間を想い悲しむ姿に
「あれ?外見が違うだけで人間と変わらなくない?」
って思ったんです。
正確に言うと「外見が異形なだけ」って思っていました。
そしてある映画に出会います。
エレファントマンでは
生まれつき奇形で醜悪な外見により
見世物にされる青年が描かれています。
怪物として扱われているのです。
人づてに噂話のように聞いた話ですが
日本ではかつて奇形児が生まれると
母親に見せる前にコロし死産にしていた・・と。
こうしていろいろなことが私の脳内で合わさり
1つの仮説を持つようになりました。
「異形の外見の人間が鬼や妖怪と認識された」
現実にあった話が語り継がれる中で
物語になったんだろうと思っています。
小さい頃は「人の物語をゼロからつくる創造力すごいなぁ」って
思っていたんですが今はその裏に「実話」が隠されていると思うようになりました。
「赤ずきんちゃん」に出てくる狼の正体
赤ずきんちゃんでは
おばあちゃんが先に狼に食べられていますよね。
おばあちゃんになりすました狼が赤ずきんちゃんも丸のみします。
そしてハンターが狼のお腹から赤ずきんを救出してくれる・・。
ロアではこの物語の元になったであろう
昔昔のドイツの村で起きた人狼事件を再現で見せてくれました。
村では夜になると人が狼に襲われる事件が起きていました。
赤ずきんの父親は腕のいい猟師で夜の村警備に協力していました。
実は10年前に赤ずきんは山道で一度襲われていたのです。
村の司祭様が村警備で父親不在となり夜ひとりぼっちになる
赤ずきんを預かってくれることになりました。
この司祭が人狼であり
人々を襲っては食っていた犯人だったのです。
悪魔信仰に近い男で変身はしないけど自分は狼と契約したといってた。
赤ずきんのことも10年前からずっと再び自分のものにするチャンスを
狙っていたんだって。
歪んだ愛情がいきつく先が
その人を傷付け恐怖を与え喰うことにつながるという恐ろしさ。
歪んだ愛情も肥大していくと相手に恐怖を与えることにつながるのはなぜ??
おばあさんではなく
赤ずきんの前に何人もの犠牲者がいて食われていましたが
赤ずきんは間一髪のタイミングで助けにきた父に助けられました。
赤ずきんには狼信仰、人狼、カニバリズムの要素が入っているようです。
まったくのゼロから人の想像力によって生まれた話ではなく
現実にあったことを繋いでアレンジしているらしい。
物語のつくり方・・なるほど。