プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【映画】パーフェクト・ワールド~感想:過去と未来「2人の少年の青い鳥」物語

パーフェクト・ワールド(字幕版)

過去と未来、2人の少年が「パーフェクトワールド」を目指して逃亡の旅へ

 

 

 

 

ケヴィンコスナーが最高だぜ~

少年のキャスパーコスも最高だぜ~

切なくて乱暴だけど美しい物語(;;)

 

 

映画パーフェクト・ワールド~あらすじ

1963年アメリテキサス州

刑務所から脱獄したテリーとブッチ

逃走中に民家に押し入り

その家の8才の少年フィリップを人質に連れだし逃亡する。

 

乱暴者のテリーは少年に危害を加えようとしたため

ブッチは彼を射殺してしまう。

ブッチは少年を車にのせ逃避行を続ける。

 

母子家庭で敬謙エホバ信徒の母のもとで

ハロウィンも誕生日のお祝いも禁じられてきた少年フィリップは

母が教えてくれなかったいろいろなことをブッチから教えてもらい

交流を重ねるうちにブッチに父の影を重ねていく。

 

ブッチも交流していく中でフィリップを身近に感じ

自分の過去や、今も大事にしている父からの絵葉書を見せ

「父がいるアラスカに向かう」と話して聞かせる。

 

逃亡中のブッチを追うガーネット署長は

州知事の命令で派遣された犯罪心理学者のサリーと共に捜査を進める。

 

ブッチの逃亡はニュースとなり

だんだんと追い詰められていき

親切に泊めてくれた農夫の家で思わぬ事態を引き起こしてしまう。

 

ブッチと少年フィリップの近づいていく心の距離

そんな2人に迫ってくるガーネットの追跡

 

ブッチとガーネット署長にもまた不思議な縁があったのだった。

 

アラスカ(パーフェクトワールド)を目指す旅の終わりに何があるのか?!

 

※以下、ネタバレ有の感想・考察いきます

 

過去と未来~父親を求める2人の少年

逃亡犯ブッチは少年フィリップに過去の自分の姿を重ね

フィリップはブッチに父親の姿を重ねていく。

 

2人は共に母子家庭で育ち、

「父親を求める少年」という共通点があった。

 

ブッチの母は娼婦で、彼は娼婦宿&酒場育ちだ。

子どもの頃から、娼婦として働く母と客を見てきた。

実の父からかつて一度だけ届いたアラスカからの絵葉書を今も大事に持っている。

ガーネットが少年ブッチを父親からの酷い暴力から救うために

わざと少年院送りにしたと語ったことから、

たぶん「父=母の男」に酷い目にあってきたのだろう…

本当の父親への想いが強まるブッチ

 

少年フィリップの母は息子を愛し大事に育てているが

自らの信仰を息子にも強要し

息子はひたすら楽しみを我慢している(;;)

フィリップは厳しい母の教えと真逆なブッチの教えに

父親の姿を重ねみる気持ちもわかる。

 

2人とも親の事情を理解し、母親を愛しているから

いろいろと子供なりに状況を受け入れ我慢してきたのだ。

そんな中で「父親を思う」ことは救いだったのかもしれない。

 

この逃亡旅は過去と未来の2人の少年が

「父親を求める旅」でそれは「青い鳥」の物語に似ている。

 

ブッチとフィリップの「青い鳥」探しの旅

少年フィリップは途中逃げられるチャンスがあったが

自らの意思でブッチと共に行くことを選択している。

 

ブッチがアラスカに「パーフェクワールド」を期待したように

フィリップもまたこの旅の先に期待する「変化・未来」があったのかも。

 

そして旅を通して

過去と未来2人の少年が求めていた「青い鳥」は

実はすぐ隣に今在ったことを知るのだ。

 

ブッチが求めていた自分を心から「愛してくれる」存在、

フィリップが求めていた我慢している「自分を救ってくれる」存在、

2人はこの旅で求めていた存在に出会う。

 

ラストとはじめの映像の考察

ラストシーンに対する私の考察です。

ブッチはわざとFBIに自分を撃たせたんだと思います。

それはなぜか?

ブッチはその前にフィリップに腹を撃たれており

かなり重症でした。

この自分がまま死んでしまうと

フィリップに一生心の傷と人を殺したという罪の意識を与えてしまうと考え

FBIのスナイパーに自分を撃たせ静かに息を引き取ったんだと思います(;;)

 

結果として

ブッチはフィリップを守ったのです。

自分が過去に母親を守るために2度、人を撃った経験があったから。

罪の意識がその後、人生にどんな影を落とすのかよく知っていたのです。

 

ラストから繋がる「はじめ」のシーンのブッチの表情を見ると

ブッチは「パーフェクトワールド」に行けたし

自分の最後に満足していたように思えます。

 

自分が死ぬ瞬間に、天使のように無垢な少年が寄り添ってくれていて

涙を流して「自分の死」を悲しんでくれていたのですから。

純粋な愛情に包まれて最期を遂げた人生です。

 

それにブッチは少年を救ってもいる。

母親に約束させたのですから、今までフィリップが我慢してきた

ハロウィンも誕生日もこれからは祝えるし参加できるように。

 

誰かに愛され、誰かのために役立てた、誰かを救えたってことが

人生の満足度に繋がることなんでしょうね。

 

凶暴で切ないけど美しい映画です。

 

 

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