主人公が意外と…嫌な奴だったなぁ。
2台の激走シーンは見方によっては…「カーズ」の名コンビにも見えてくる。
午後ローでやってたよ~
【映画】激突~あらすじ
作品の印象的にこちらのDVD版のジャケットの方がイメージにぴったり!
ハイウェイを快調に走行中の営業マン(主人公)デイビットは
前を走るちょっと年季の入った大型トレーラーの吐く煙と低速運転にイラッとし
アクセルを踏み速度を上げ追い越すことに。
追い越し笑顔がこぼれ、気分爽快なデイビットだったが、
ここから執拗に この時追い越したトレーラーから追われることとなる。
あまりのしつこさと、危険な煽り運転っぷりに
段々デイビットは恐怖を感じはじめる。
「このままでは、あいつに殺される」
デイビットが焦るほどに、相手の殺意も増してくる展開になり…
※以下、ネタバレ有の感想・考察となります
◆層違いに見えて、似た者同士のぶつかり合い
デイビットの態度から
奥さんや老人、肉体労働者等への「上から目線」っぷりを
ヒシヒシと感じてしまいます。
上から目線ってか、自分以外を見下している感じがあふれ出ている。。
デイビットの車と年季の入った錆びはげトレーラーの対比も
どこかホワイトカラーvsブルーカラーの対立を思わせます。
対立つーか、お互いに「相手に違いを感じ」ており相容れない感とでもいうんですかね。まーざっくりいうと嫌悪感っす。
そんな「層違い」の激突話かと思いきや
私の印象では トレーラーの運転手とデイビットの性格・人格は
根本的に相当近いんじゃないか、と。
彼らの視点は常に「自分と自分以外」にあり
更に気持ちいいくらい価値観が「俺様>>俺以外」なのです。
だから デイビットとトレーラー運転手はぶつかり合ってしまうのでしょう(^^;
※原作では、トレーラー運転手ケラーはもっと闇深い人物像みたいで
ちょうどいい「〇してもいいカモが現れた」ってほくそ笑んでいたのかも…
◆厳ついメーターvsマックイーンの追いかけっこ
私が「カーズ」の名コンビ好きだからかもしれませんが
途中から引きの激走シーンでは
パワーアップした厳ついマッチョなメーターと
普通車バージョンのマックイーンが
本気の追いかけっこを楽しんでいる様にも見えてきました。
そう思うと、なんかマックイーンと互角つーか
むしろ煽ってる(優勢な)メーターに胸が熱くなったりしちゃって(;;)
※映画カーズでは、メーターとマックイーンは無二の親友です
◆独善的に生きると敵ばかりが増える
主人公デイビッドを生き様を最後までみていて
何となく感じたのは「独善的に生きるリスク」です。
デイビットは心根はそこまで極悪人ってわけじゃなく
何だかんだで妻や子供も大事に思っているようですが
「独善的に生きてる人」っぽい。
何か自分にトラブルがあると「あいつのせいだ」「こいつのせいだ」と
とにかく原因は「他者にある」と考える人のようで
自分の非については全く考えないため トラブルが絶えないし
周囲からの助けも得られない、そんな生き方をしているように見えた。
彼自身はそのことにまったく気付いていないから、
余計に周囲を疑うし、そうすると周囲はどんどん敵だらけになっていく。
そんな「独善的に生きる」ことの恐ろしいリスクが描かれていました。
時々は立ち止まって、今の状況を作ったのは「私に原因があるのか?」と
内省する習慣を身につけたいとマジで思った。
時々じゃなく常にの方がいいのかしら?
ただ、さすがスピルバーグ!とも思わされた見ごたえある映画でした。
(おわり)