これはデンマークで地雷撤去作業を強いられたドイツ少年兵たちの実話を
元に描かれた作品ですが、「国政や大人たちの犠牲になる子供達」という点では
今の日本もまさにこの少年達のような状況にいるのでは?
デンマークが舞台の作品で
淡々と進んでいきます。
派手な演出は無いのですが
その分「地雷が爆発するとどうなるか?」
ものすごくリアルに描かれているように感じてしまいました。
クリスマスシーズンに勧める映画ではないかもしれませんが
「見ておくべき映画」としておすすめします。
地雷や地雷撤去作業について
ほとんど「具体的」なことは何も知らなかったので
驚く点が多かったです。
- 1945年ドイツによる占領から解放されたデンマーク
- ドイツが海岸に埋めた地雷撤去をする捕虜少年兵たち
- 地雷撤去作業の過酷さ
- ラスムンス軍曹の下で地雷撤去に励む少年兵たち
- 過酷な状況の作業で命を落としていく少年達
- 地雷の犠牲になる少年を見て軍曹の気持ちに変化が・・
- 国政や大人たちの犠牲になる手足をもがれ苦痛を強いられる子供達
1945年ドイツによる占領から解放されたデンマーク
映画の舞台は1945年ドイツの5年間にわたる占領から
開放されたデンマークです。
デンマーク軍の軍人たちと
捕虜のドイツ少年兵たちしか
ほとんど出てきません。
デンマーク国内は「ドイツ、ドイツ兵、ドイツ人」への
憎悪に満ちていました。
主人公のデンマークのラスムンス軍曹も
ドイツを憎み、ドイツ兵捕虜たちに激しい暴行を加えていた人物。
ドイツが海岸に埋めた地雷撤去をする捕虜少年兵たち
デンマークには
ドイツ軍が海岸に埋めた地雷が220万個残されていた。
この地雷撤去に駆り出されたのが2000名を超えるドイツ軍捕虜なのです。
その多くは少年兵だった。
この映画ではラスムンク軍曹の元に送られた
14名のドイツ少年兵たちの姿が描かれています。
※映画「ヒトラーの忘れもの」より
この少年たちに命じられた任務
⇓
ラスムンス軍曹が任された海岸にある4万5千個の地雷撤去
「1時間に6個、爆死しなければ3か月後には国に帰れる」
と言われ少年兵たちは
ドイツに帰ることだけを励みに地雷撤去作業を続けた。
地雷撤去作業の過酷さ
1945年当時の地雷撤去作業が描かれていますが
とてもアナログで地道な作業です。
「地雷」素人の少年兵たちが
簡単な講義と実習指導の後
担当海岸に送られ、ぶっつけ本番で撤去作業に挑む。
まず、私の想像以上に地雷がでかい。
⇓
※「ヒトラーの忘れもの」より
直径30㎝~45㎝はあるのではなかろうか。
地表から15~20㎝に埋められている地雷を探し
信管を抜くのである。
使うの道具は砂を挿す棒と自分の手だけ。
※「ヒトラーの忘れもの」より
こうして砂を棒で刺して「コツ」と当たった感触があったら
手で素直掘り地雷から信管を抜いて回収する。
この作業を永遠に繰り返し
3か月で4万5千個の回収をしなければならない。
ラスムンス軍曹の下で地雷撤去に励む少年兵たち
ラスムンス軍曹は地雷・地雷撤去の知識ある人物で
自分がまかされた地区の地雷撤去地図を持っており
少年たちはその地図をもとに地雷撤去を進めていく。
(※ドイツ軍からえた情報だと思うけど)
どの範囲に何個埋められているかが地図に書かれているので
必ずその日に回収した地雷の種類と数を間違わずに記録するよう
きつく指示されたいた。
(↑ココ重要)
ドイツ軍を憎む軍曹は少年兵たちに
容赦ない暴力と罵声を浴びせ恐怖で従わせていた。
少年達には2週間も3週間も食糧が与えられないことも・・
過酷な状況の作業で命を落としていく少年達
食糧も与えられず
たまらず家畜のえさを盗んで食べては食中毒になり
過酷で不衛生な状況のなか体調不良者も続出・・
こんな中で集中力のいる地雷撤去作業をしなくてはならない・・
地雷撤去作業中の爆死で
ひとり、またひとりと少なくなっていく少年兵たち。
- 訓練中の実践で爆死した少年
- 海岸の作業で被爆し両腕が吹っ飛ばされた少年
- 二重の仕掛けに気が付かず爆死した少年
- 絶望し自ら地雷の埋まる海岸を歩き吹き飛ばされた少年
- 撤去した地雷を回収トラックの荷台に積んでいる時に・・・
少年達以外にも地雷の犠牲者が・・・
地雷の犠牲になる少年を見て軍曹の気持ちに変化が・・
少年たちは素直だった。
そしてドイツに帰ることを夢見て
帰ってからの展望を抱き
黙々と4万5千個の地雷撤去作業完了を目指した。
軍曹は自分の部隊での
1人目の地雷の犠牲者少年が
両腕を吹き飛ばされ、
祖国の母への助けを求め泣き叫ぶ姿を見て
彼らもまたこの戦争の犠牲者なのだと思うように・・。
その少年兵なのですが
たぶん私が最近観た映画「ハイジ」の
ペータ役の子だと思います。
その子が地雷爆破後の姿が・・・生々しく壮絶です。
二重の仕掛けの地雷で爆死した少年は
爆破により体が粉々に吹き飛ばされ
もはや個体としては存在しておらず
その遺体は回収されることはありませんでした。
国政や大人たちの犠牲になる手足をもがれ苦痛を強いられる子供達
これは1945年のデンマークであった実話がベースの映画。
「2000名を超えるドイツ軍捕虜たちが除去した地雷は150万個を超える、
半数近くが死亡または重傷を負い、彼らの多くは少年兵だった」
と映画の最後に文字が映し出されます。
でも、国(国政)と大人達の犠牲になる子供達
という意味では今の日本の子供達も
この少年兵たちと同じような状況にいるのかもしれません。
我利我利亡者たちが
⇓
国の衰退するのをわかっていながら
自分の利益を優先させ
資本主義と民主主義を崩壊させるような事してるわけですしね。
彼らがしていることは
未来を担うこともたちに犠牲を強いること。
国や大人の犠牲になって手足をもがれ泣き叫ぶ子供の姿
大人は目に焼き付けておくべきかもしれません。
この映画は多くの人に見て欲しい作品です。
以下、閲覧注意(軍曹の脳裏にも焼きついた犠牲になった少年の姿)
⇓
※映画「ヒトラーの忘れもの」より
動きでブレていますが
本編中はもっとクリアに少年のアップ映像が流れます。
今の日本で地雷を子供たちに押し付けようとしている大人は誰でしょうか?
自分の欲と力と金を満たすために子供達の将来を搾取しているのは誰でしょうか?
「時代だから」という陰に隠れて
子供達がこうなるとわかっていて社会を動かしている人がいる。
過去ではなく、
今への警告の映画かもしれません。
では、また~☆