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【映画部】「みかんの丘」感想:静かで寛容な父性愛~紛争地域に生きる命と向き合うエストニア人

お題「ゆっくり見たい映画」

みかんの丘(字幕版)

男性しか出てこない紛争地域のドキュメンタリーのような映画です。

1992年ジョージアアブハジア間で紛争が勃発

その紛争を静かに見つめ、目の前の命に手を差し伸べつづけた老人の話(;;)

 

 

自分はどうするべきか?

自分はどう生きるべきか?

今起きている事に自分はどう対処すべきか?

 

世の中の流れや

社会的感情に流されず

自分の信念に従って生きるエストニア人の老人イヴォ

多くを語らない彼の行動から

大事なことを学べる作品です。

 

” 敵と味方に分けて他人をみると

目の前に敵が現れる”

敵をつくり出しているのは自分の観念なのかもしれません…

 

是非、時間をつくってじっくり見て欲しい映画です。

 

みかんの丘(字幕版)

みかんの丘(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

 

「みかんの丘」あらすじ

アブハジア自治共和国

みかんを栽培するエストニア人集落

 

ジョージアアブハジア間に紛争が勃発し

エストニア人の多くは祖国に帰国したが

みかん箱をつくるイヴォと

みかん栽培をするマルゴスの

2人はこの集落に残り静かに暮らしていた。

 

マルゴスはみかんを売って金ができたら

エストニアに帰るつもりで

迫りくる戦線の中、必死に収穫に精をだし

そんなマルゴスを助けながらイヴォは静かに

この地の状況を見つめ続けていた。

 

マルゴスもイヴォがなぜ今もこの地に残っているのか

その理由を知らなかった。

 

そんなイヴォとマルゴスの集落も戦線が近くなり

ふたりの家の近くでも銃撃戦が繰り広げられ

イヴォは負傷した兵士2人を助け、自宅にかくまう。

 

イヴォが助けた兵士2人は

銃撃戦で打ち合った敵同士だった。

1つの小さな家の中でイヴォは2人を手厚く看病し

2人は命を取り留める。

 

恩人イヴォとの約束で

「この家では誰も殺さな」と誓った2人の兵士は

ぶつかり合いながらも「人」として向き合い

お互いを認め合っていく。

 

しかし、この混乱の中で

小さな家の中での平和は

思わぬ形で終わりを告げる。

 

アブハジアに暮らすエストニア

ジョージアと自分たちが住んでいるアブハジアの紛争を

静かに見つめ、いつのも日常を大切に生きるイヴォとマルゴス。

 

彼らは今住んでいる土地、みかん畑

今の家を愛してはいるが

この領土戦争には参加していない。

ここでいう参加していないとは、

ジョージアアブハジアの紛争を

「こんなの馬鹿げている」と見つめているようだ。

 

それは彼らがエストニア人であり

移民であることでどちらからも部外者に

見られていることも大きく関係しているだろう。

 

映画の冒頭にこう解説がある

「100年前エストニア人はコーカサスに移住、

1992年ジョージアアブハジア間で紛争が勃発し

エストニア系住民は北欧へ帰国

数人を除き村には誰もいなくなった」

 

100年経ってもエストニア系住民と言われるように

ずっと移民で、よそ者として扱われていたのかもしれない。

 

だからこの紛争も部外者として

見つめていたのかも。

 

目の前の命に敬意を払うイヴォとマルゴス

イヴォとマルゴスはこの紛争に参加はしない。

でも、この地で亡くなった兵士たちの亡骸を

この地の森に手厚く埋葬していた。

アブハジア側の兵士だけでなく、ジョージア兵も手厚く埋葬。

 

兵士たちの身分証を探し

できるだけ遺族に連絡がつくよう配慮まで(;;)

 

そんなふたりなので

銃撃戦で倒れた兵士も家にかくまい

医者を呼び、必死に命を守ろうとするのだ。

 

食事の世話に、着替えに、医者の診察まで

ふたりはできる限りを尽くして

瀕死状態だった兵士を助ける。

 

イヴォはどんな人にも手を差し伸べる。

マルゴスも、

みかんの収穫を必死に行なうのはお金のためだけではなく

「みかんを腐らせるのが 心が痛むんだ」という命を大事にする男なのだ。

 

イヴォとマルゴスは命がけで兵士を助けている。

ふたりの集落にも兵士たちが度々やってきて

警戒しているからだ。

 

「命を大事にする」

「困っている人がいたら助ける」

この当たり前で当然のことを

戦争時に行なうことは難しい。

相手は敵かもしれないし、

いつ自分が殺されるかだってわからないんだから。

 自分の命を懸けて手を差し伸べるって難しい。

安全圏からなら、いくらでも理想論語れるけどね…

 

それに、映画のラストに驚くと思いますが

イヴォとマルゴスのように善をつくしても

報われるわけではないのです。

 

ふたりの兵士アハメドとニカ

アブハジアチェチェン人傭兵のアハメド

瀕死になって助けられる前、

イヴォの家にやってきて

食料を奪っていた偉そうな兵士アハメド

 

偉そうで、傲慢で、喧嘩っ早いタイプでイヤな奴だった。

なんでこんな奴にイヴォはこんなに親切なんだ!?

と疑問に思ったほどだ。

 

イヴォが助けたジョージア側の兵士にカニも挑発ばかりする。

でもイヴォの家ですごし変わっていく彼をみていると

「家族のために兵士に志願した、信仰心の厚い男」だとわかってくる。

チェチェン人ということで

ロシア兵にからかわれバカにされ殺されそうになるシーンは

彼がなぜ自分を強くみせ生きているのか理由が見えた気がした。

 

ジョージア側の兵士ニカ

敵であるアハメドとは

いがみ合いが絶えないが

基本的には礼儀正しく、おとなしい青年。

 

頭に銃弾を受け、瀕死の所を助けてくれた

アブハジアの地に住むイヴォに深く感謝している。

 

こんな彼がアハメドに対して攻撃的になるのも

兵士になってアブハジア側の兵を銃撃できるのも

国の「歴史教育にあるようです。

 

二カは明らかにアハメドを見下していたし、

無知な低俗民族と本気で思っているようだった。

 

◆イヴォの影響でお互いに認め合うふたり

いつまでたっても

いがみ合い「殺してやる」と言い合う2人に

イヴォが本気でキレた!

 

そしてイヴォの言葉と

マルゴスに訪れた悲劇により

ハメドとニカは大事なことに気が付く。

気が付くというよりは思い出した。

思いだしたというよりは、

本来の自分を取り戻したのだ。

 

彼らは兵士になって殺しあうために生きているのではない。

家族想いで、自分の信じる神への信仰心の熱い青年たちだ。

神は「人の命を奪う権利」を彼らに与えたりしない。

 

ハメドとニカは

お互いの神、お互いの戦士した仲間への

敬意を口にし認め合うようになった。

 

ふたりでマルゴスのみかんの収穫を手伝う約束もした。

 

イヴォの静かで寛容な父性愛

この映画は静かな父性愛で満ちている。

ただただ大きな心で静かに見守ってくれるイヴォの父性愛に。

 

イヴォがこの地に残る理由も

兵士たちを丁寧に埋葬する理由も

瀕死の兵士を助けた理由も

最後の最後になってやっとわかる。

 

そこには父親の息子への愛があった。

息子をひとりこの地に残してエストニアに帰るわけにはいかなかったんだろう。

息子が守ろうとしたこの地を

父のイヴォも静かに自分のやり方で守っているのだ。

 

ハメドの「もし俺が死んでても、ここに埋葬してくれたか?」

という言葉がとても印象深い。

 

争いが絶えない時代に響くイヴォの言葉

何が正義で、

何が悪で、

誰が敵で、

誰が味方か

そんなことばかり気にかけて

争いが絶えない今だからこそ

イヴォの言葉は響くかもしれません。

 

【私がメモしたイヴォの言葉】

 

◆「どこの国出身かは何も関係ない」

ハメドに対してイヴォが言った言葉

誰を助け、誰を信用するか

それは相手が「どこの国出身かは何も関係ない」と。

 

◆「人を殺す権利を誰が与えた?」

いつまでも、いがみ合い

罵りあい「殺してやる」と言い合う

ハメドとニカに対してイヴォがキレた!!

 

お前らに、人を殺す権利を誰が与えたんだ!

※言い方としてはこんな強い口調

 

「殺す、殺す」って

せっかく助かった命をどうして大事にしない

バカたれが!ってくらい怒ってた。

あの静かなイヴォが。

 

◆「死に乾杯、死はこいつらの母だ」

「人を殺す権利を誰が与えた!」って怒った後に

マルゴスが空気を変えようと

みんなに酒をつぎ乾杯しようとした時

怒りが収まらないイヴォが言った乾杯の言葉。

 

その後「せっかく同じ席についているのに」

と嘆いて席を外してしまった…

 

◆「約束する価値がある人間だっている」

さくっと語られますが

2人は「約束しても裏切られる」経験を

重ねているようです。

 

助けた兵士二人を家に残し

家に訪ねてきたイヴォにマルゴスが

「あの二人をふったりだけにして大丈夫なのか?」と聞くと

「殺さないと約束したから平気だ」と答えるイヴォ。

 

マルゴスが「彼らを信じるのか?」と更に聞くと

「約束する価値がある人間だっている」とイヴォは答える。

 

この言葉…「だっている」という表現が刺さりますね(;;)

約束する価値がある人間は少ないがいるって風にも聞こえる。

 

自分の良心に従い最善を尽くしても報われないこともある

この映画は、善人が起こす奇跡をみせてくれるわけではありません。

イヴォはふたりの兵士の命を救い

多くの兵士の死を弔い

与え続けていますが

結局は最後に大きな悲劇に見舞われます。

 

家族とも思える2人の命が奪われてしまう。

与える者は与え続け、

大事なモノを奪われ続け、

それでもイヴォはこの地で暮らし続ける。

 

そこに奇跡はないけど

でもやっぱり世界を変えていくのは

こうした「枯れた木に諦めずに水をやりつづける」

イヴォのような生き方なのかも。

 

人と向き合う時、

敵か、味方か?ではなく

その人も自分と同じように「今に至る背景」がある

ということを考えられる人間になりたい。

難しいけど心がけたい。

 

最善を尽くしても報われない事も多いけど

最悪をつくして汚く生きるより全然いいよね。

 

役者陣がすごくいいので

是非観て欲しい映画です。

 

では~

 

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