はじめはストーカーに追い詰められた女性の物語かと思っていたら
もっと現実社会の闇をグイグイ抉ってる映画でした…
精神病の治療と保険の金の話がエグイすぎるぜ~
この映画は今の社会に広がる
- 不安症の拡大や精神不安社会
- 凶暴化・攻撃性が強くなる人々
- 医療と薬と金の問題
- 金融関係の嫌な人間関係
など多くの問題を「ストーカー話」を表にし
裏側で描いております。
旨い本題隠しにも見えるなぁ
φ(..)メモメモ
主演の女優さんの演技に引き込まれる…
というよりひきずられてしまう感じ(^^;)
とくとご覧ください。
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- 「アンセイン」あらすじ
- ポイント①ソーヤの攻撃性
- ポイント②保険金を狙い正常な人も精神病患者とする病院
- ポイント③ストーカー男vs凶暴な攻撃女
- ポイント④ひょっこりマッド・デイモン
- ポイント⑤精神不安社会と攻撃的性格
「アンセイン」あらすじ
ストーカー被害により
2年間引っ越しや転職を繰り返しているソーヤ
やっと今の新天地での生活にも慣れてきた。
銀行での仕事ぶりも認められ出世間近の彼女。
母親にも周囲にもストーカー被害のことは秘密にしていた。
そのため近所の病院に拠点を持つ自助グループに助けを求め
カウンセリングを受けにいくことに…
カウンセラーに素直に色々話したことで
気持ちが軽くなったソーヤ。
「またあなたにカウンセリングお願いしたいわ」と
2年に及ぶストーカー被害で弱った心の回復に希望が見えてきた。
カウンセラーに言われるがままに書類にサインして
帰ろうとしたところ…なんと強制入院させられることに!
自サツの可能性があるので24時間監視入院であり
さっきサインしたはその承諾書だという…
ソーヤは仕事に戻らなくてはいけないため
「これは間違いだ」と訴えるが
精神病患者とされているので病院職員も
警察も相手にしてくれない。
更に病院内で暴れたことで
ソーヤの入院は1週間に伸びてしまう。
多くの精神薬の定期的摂取と男女同室の巨大な大部屋生活、
「この入院は間違いだ、早く解放して」
と訴え暴れる度に打たれる鎮静剤
そしてソーヤのいる病棟に看護職員として
ソーヤのストーカー:デイビッドにそっくりだが名前が違う男があらわれる!
ソーヤは驚きその男に暴言を浴びせ暴れ
鎮静剤を打たれベッドに拘束されてしまう。
どんどん感情的に暴力的になるソーヤに
周囲もソーヤ自身も「精神病が酷くなり幻覚を見ている」
と思うように…
大部屋入院患者の中で
リーダー的存在のネイトだけはソーヤを励まし
「君はおかしくない、早くここから出ろ」と言ってくれる。
ネイトは禁止されているスマホを隠し持ち
誰かとこまめに連絡を取っていることにソーヤは気が付き
ソーヤはネイトのスマホを借りて母親に助けを求める。
ところが母親がソーヤを退院させようと
弁護士や地元の警察を頼っても
精神病患者で攻撃性の高いこと、プラス
書類にサインした以上難しいと言われてしまう。
母と連絡が取れなくなり、
ネイトが姿を消し
ソーヤが地下の個室(独房)に入れられ
遂にソーヤは自分の身に何が起きているか真相を知る。
ソーヤは無事退院できるのか?
ソーヤは本当に精神を病み幻覚を見ているのか?
ここから激しく展開が動いていきます。
ポイント①ソーヤの攻撃性
そもそも、ソーヤはこの病院&カウンセリングにいく前から
非常に攻撃性高めの女性なのだ。
新しい職場の銀行でも顧客からも同僚からも
「冷徹で怖い女性」と恐れられている。
たぶん、デイビッド親子に優しくしたことで
ストーカーされたことと関係が深いと思う。
心にトゲトゲの鎧をまとい武装しているんだと思うけど…
カウンセリングから強制入院で
ソーヤはより感情的で暴力的になる。
更に何度もうたれる鎮静剤と大量に飲まされる精神薬で
その凶暴性はどんどん強くなっていく。
ソーヤの暴力性は
社会との関係や影響からのものと
薬の過剰摂取によるものと
2つの側面から描かれており
「凶暴化する社会」の問題を突いているように見える。
ソーヤの暴力性や攻撃性は
後半に向けどんどん右肩上がりに増していく。
最後の方は
「ここまで躊躇なく攻撃できるの?」という域だ。
ポイント②保険金を狙い正常な人も精神病患者とする病院
ネイトが教えてくれたこの病院のカラクリ
カウンセリングに来た人で保険に入っている人は
特に問題のない人まで「精神病認定」し、
強制入院させ保険から金が出る限り入院させる仕組みだという…
「危険な状態の精神病患者」と病院側が主張し
スマホや携帯などとりあげて外部と連絡できないように入院させ、
暴れれば鎮静剤、入院中は複数の精神薬の投与され
次第に正常だった人も精神を病んでいく。
そして保険から金がおりなくなったところで
病院側から「退院」と追い出される仕組みなのです。
怖いっ
元々今の社会はストレスが多いし、
高い生産性を求められ過労気味なので
誰もが不安や疲れを感じている。
その不安や疲れた心を病院側が突いて
「精神病患者」に仕立てて、保険会社から医療費をとれるだけ獲るって…
人々の心まで拝金主義に食い物にされているじゃねーか!?
ポイント③ストーカー男vs凶暴な攻撃女
この戦いが、なかなか見ごたえあります。
両方ともが強靭な精神力で
もの凄い戦いを見せてくれます。
プロレスのようだ…
どう考えても
ストーカー男が初めに恋した
「優しい女」の要素は微塵もないのに、
それでも凶暴なソーヤを執拗に追いかける気持ちが謎。
これが本物の執着なのか!?
ソーヤの肉体的な攻撃力にもご注目。
軍隊経験があるわけでもない
会社員女性でここまで強いなんて!!
私も戦術習っておくべきかも。
ポイント④ひょっこりマッド・デイモン
油断していると
チョイ役でマッド・デイモンが現れます。
えっ!?
って思ってる内に姿を消しちゃうのでご注意を
ポイント⑤精神不安社会と攻撃的性格
ストーカー男が消えても
ソーヤの攻撃性は変わらない…
部下になった同僚への
底意地の悪い解雇通告
デイビッドに似た男性を見つけると
ナイフを手に刺しに行くその攻撃性。
色々と人が心を削りあったり
奪い合う社会だからこれからどんどん社会全体が
ソーヤのようになっていくのかも。
ジャーナリストのドキュメンタリーを観た時に
「製薬会社の幹部の倫理観」を指摘している場面があった。
新しい病名が次々に現れ
新しい薬も次々に現れ
日本は世界中の製薬会社から儲かり市場として狙われている。
薬との付き合い方、
心と体の健康管理と維持、
色々と基本から考え見直すべき時なのかもね。
私は動き始めているよ。
では、また~☆