すげー面白い! 一般には不思議な空間の魔力で精神がやられた若者たちの
お話と思われがちのようですが、この映画の「あの空間」の意味が分かると
めちゃくちゃゾクゾクします。
どうも~世知辛い世の中を裸足で疾走し続けるプロ独女みつまるです。
今日はめちゃくちゃ隠れた名作映画「コリドー」をみた興奮のままに
映画部日記を書いていきます。
一般的には5点満点中2.5点くらいの評価をされている
派手な演出もスターの存在も無い、出演者が5人の青年+1人の母親だけ
あとエキストラ的にち数人いるだけ。
雪山(と言っても雪原)と山小屋でのシーンでほぼできている映画です。
でもね、たぶんこの映画創った人相当凄い!
「あの空間」の意味が自分でわかると興奮度がけた違いに上がります。
ただ、公式に解答は出ていないのであくまで私の個人的な理解となります。
ヒント的な諸条件を拾ってつないでいって見えた答えです。
変わり者の母子と4人の友達
タイラーとその母親は地元でも一風変わった親子として知られていた。
精神的に不安定な親子だった。
でも孤立するわけでもなく、それなりにみんなに愛されて共存していた。
母に似て精神的に不安定なタイラーには4人の親友たちがいる。
タイラーの母親が自宅で亡くなった時も
4人が駆け付けてクローゼットに隠れていたタイラーを
助けてくれた。
でもこの時ナイフをもって震えていたタイラーが
暴れたせいでクリスの手の甲を突き刺してしまう。
この事件の後、タイラーは精神科の施設に入院。
別々の道に進み、大人になった彼ら。
タイラーがもとっどてくるので
みんなで「タイラーの母親の弔いをしよう」と久しぶりに集まることに。
◆大人になった5人
- タイラー・・・精神的に不安定、薬を飲んで治療中(今は安定している)
- クリス・・・・学校職員、手話を勉強中、ケガした手に後遺症あり
- エヴ・・・・・バーで働きながら、金で女とやることで稼ぐ 短気で行動派
- ジム・・・・・頭のいいメガネ君、美人の妻との間に子供ができないことが悩み
- ボブ・・・・・独特なハゲ方をした太っちょ君、子供あり
大人になって集まった彼らの前に現れた「不思議な空間」により
友達だった彼らの関係が壊れ始めます。
タイラーが雪の中の見つけた不思議な空間
みんなが寝静まった夜中に
タイラーはひとり山小屋を抜け出し
母の遺灰をまく場所を探していると
光の壁に覆われた不思議な空間を見つける。
翌日みんなを連れてその場所に行くと
はじめは無かったが
タイラーがその空間があった場に足を踏み入れると
「あの空間」が現れみんなが空間の中に!
空間の中に入ると、快感と何かが覚醒するような感覚で
怖がるタイラーをよそに4人は空間に魅了されていく。
しかも部屋のように光の壁でかこまれた小部屋空間だった「あの空間」が
クリスが移動すると拡張し道のようになった。
空間の中にスノーモービル(バイク)で突っ込んだエヴたち。
この空間の中ではスマホもバイクも動かなくなっていた。
ここは危険と訴えるタイラーにより一度山小屋に帰ることにしたが
エヴはこの空間にのこって他の人に見つからないように見張ると言いだす。
エヴはこの空間の中で湧く不思議な力でひともうけして
大金を得ようと画策していた。
「あの空間」が起こした5人の変化+α
①タイラー
唯一あの空間を「危険」と認識している。
「あの空間に近づいちゃダメだ」とみんなを説得
②クリス
あの空間のでの感覚覚醒の魅力にとりつかれる
③ジム
頭の回転が更によくなりクロスワードを瞬時に埋めていく。
だんだんハイになって暴言も増える
④ボブ
あの空間の秘密を探るべく、タイラーの母の映るビデオを見てヒントを探る
⑤エヴ
あの空間に侵入した地元のハンターをとっさにコロしてしまう。
あの空間に対する執着が凄まじい。
ここでタイラー以外の4人には共通した変化が起こっている。
みんな脳が覚醒したようにハイな状態、人の心が読めるようになっている。
そのため4人は心を読み合いむき出しの感情でケンカをはじめる。
頭いいジムと肉体派のボブはふだんから相手に溜めこんでいた不満が爆発。
そこにいつも優しいクリスが仲裁に入ったのだが・・・
なんと!
手にしたナイフでジムの頭皮をめくりとり
ボブのハゲ頭にかぶせ
これでお互いに望み通りだろうと言い放った。
※なんでお互い望み通りかは映画本編みてください。
確かになかなかの両成敗なのです
自分が抱えていたコンプレックスやそのために起こる他人への嫉妬や憎悪が
むき出しとなり、そのまま相手に対する攻撃に変わっていく。
仲の良かった4人はコロしあいをはじめる。
タイラーはなんとかみんなの争いをとめようとするが
4人を止められない。
タイラーは気が付いていた。
あの空間に影響を受けない自分と、あの空間で変わってしまった4人の違いが
精神科の薬にあることを。
4人にも「薬を飲んで、ここから逃げよう」というがまったく相手にされないどころか薬を流しに捨てられてしまった(;;)
あともう1つの変化が、
VHSテープに残っていたタイラーの母がタイラーに語りかけている
メッセージビデオの内容が変わっていたのだ。
母の様子も話す内容も「あの空間」に入る前と後で変わっていた。
「あの空間」が動き始める
あの空間を巡ってコロしあいをはじめた4人。
エヴが生き残ったが
あの空間が動き始めたことで
3人は生き返る。
そして4人はあの空間の中に向かって小屋を飛び出してしまった。
あの空間に影響を最初に見つけ接触したタイラーの母と
あの空間とつながったクリス曰く
- あの空間は止められない
- あの空間は中に入ってくる
- あの空間は広がっていく
- あの空間はいずれ世界中を飲み込む
そしてあの空間の中で
タイラーもクリスもエヴもタイラーの母に遭遇している。
あの空間はタイラーを求めているし、
あの空間はタイラーを探していることに
タイラーも気がつき始めていた。
ここから先は映画でご確認ください。
完全私目線:2層構造と「あの空間」の正体
この映画自体は私にとっては2層構造と受け取りました。
1層目は各自がそれぞれに自分の本音と「つながる」ところ。
私たちって自分の存在を他者との関係性の中において認識している人が
ほとんどなんですって。
みんな他人から見た自分を異様に気にして生きてるでしょ。
それは、他者との関係性が自分の存在の証明にもなっているから。
いつしか他人との関係性を保つことや
他人から見た自分でしか自分を認識しなくなることで
自分で自分をしっかりみつめる事しなくなっちゃうんですよね。
他者との関係性を気にするあまり、自分の本音は押し殺しちゃう生き方するの。
そういていくうちにどんどんずれちゃって
自分の本当になりたい自分とどんどんかけ離れていっちゃうんだよね。
わかるわぁ・・経験者だから。
そうすると自分としっかり向き合って自分で自分を見つめるの苦痛になるから
更に逃げる・・その分外部に不満の矛先向けちゃったりね、悪循環だわ。
4人は「あの空間」の影響で
タイラーも結局はあの空間に影響を受けたエヴによって強引に
「自分が目をそむけていた自分」とつながります。
そして2層目に突入!
自分とつながった後は
みんなとつながります。
みんなの意識とつながるから相手の本音もわかるのです。
そこでは知りたくもないいろいろなことを知ることになります。
映画の中では「あの空間」は異星の侵略っぽい扱いされていますが
私の解釈では「あの空間」は人間の無意識の深部で繋がった集団の無意識部分。
人間の無意識って奥底で繋がっているって話聞いたことないですか?
実はそこで情報交換したり影響受け合ったりしてるって話をきいた時
「なるほど~」って思ったんですよ。
そう思うと人間が進化していることや
環境に合わせて変化してより環境に適応した形になっていくのも納得。
第六感や不思議とされる力も納得。
「あの空間」は強い磁場空間である。
機械が動かなくなることも脳に影響が出て覚醒することも
特に不思議じゃないんですよ。
脳の神経の中を流れる電流に変化おきますから
快楽物質が増加したり、脳にいつも以上の強い電気が流れることで
いつも以上の脳力使えてもなんら不思議はないし。
頭の皮を剥がれたジムですが血はめっちゃ出てますし、
「痛み」を感じる神経だけ遮断されている状態でしょう。
最後に外傷により息絶えたはずのジムとボブが
強い光でふたたび起き上がります。
でもその時はゾンビみたいに起き上がって動くんですよ。
まだ生きている細胞だけでどうにか動けるって感じ。
話がとぶとびになってしまいましたが
「あの空間」が強い磁場空間であるのは
72億?75億?の人間の無意識がつながってる空間だからであり
そこには人のエネルギーが集まっているので強烈な磁気空間なのだと思う。
そんな空間の中で5人は解放され、
あの空間を特別視する彼らにとっては
彼らの人生に強烈な印象と変化をもたらした
「タイラーの母(の死)」があの空間の意思に強く影響しているんだと思った。
ここまでが完全私目線の解釈です。
一般的なみなさんの感想と
そこに共感した私の思いも足すとこんな感じ。
↓
「精神的に安定している人なんてほとんどいなくて
みんなゆらぎの中で必死に精神保って生きてるんじゃないの」
そんなこと思った作品です。
タイラーがめっちゃ好きです。
とっても友達思い(;;)
私のこの文章をみて、この人大丈夫?って思う方いるかな・・
大丈夫っすよ、普段はちゃんとその場に合わせた意見の範囲で言ってますので
ご安心ください。
映画や小説や芸術の中に暗号的メッセージを忍ばすつくり手がいるので
それを見つけるのが好きです。
では、また~プロ独女みつまるでした。