すご過ぎて圧倒されまくった!
「人の創造力というのは、ここまでできる」
という力強い証明を見せてくれる映画です。
監督の堀貴秀氏が全てをほぼ一人で7年かけて制作した
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約4年をかけ制作された30分作品を修正+追加撮影して
2017年に完成したのが今回の3部作大一章ですって。
(追加撮影にあたり3~4人のスタッフの協力を得ているらしい)
映画 JUNK HEAD~あらすじ
人類は「核の冬」により崩壊した生態系・汚染さてた大地を捨て
新世界を地下に求めた。
人類は新世界+過酷な環境に適応する為
遺伝子操作により環境適応強化型への道を選択。
同時に人類は不足する労働力を補い、地下新世界構築のための
過酷な労働に従事させるための人類に次ぐ知的生命体
「人工生命体:マリガン」を創造。
人類はマリガン管理・支配の為に生殖能力と視力を与えなかった。
(視力は補助装置を作業時に装着させ労働させていた)
過酷な労働状況に不満を募らせたマリガンたちが組織を造り
反乱を起こし、人類との戦争は120年続いたが「停戦協定締結」により終戦。
その1600年後
人類は正体不明のウィルスとの闘いの末、人体の無機質転化により不老不死を手に入れ
微弱な電流と頭部のみで自我を保ち生き続ける事ができるようになった。
その代償として、人形のような人工肉体を必要とし生殖機能を失ったのだった。
そんな人類に再び「謎のウィルス」が襲いかかり
人類人口の30%が死滅…人類存続の危機に陥ってしまう。
そこで人類政府は地下で独自の進化を遂げた「マリガン」の
変異体や増殖に目をつけ、地価調査を開始することに。
その調査員募集に応募したダンス講師のパートン(主人公)
彼は調査の為にひとり地下深くに降りていく。
だが、地下深く落ちていく途中にマリガンの警備隊に撃ち落とされてしまい…
ここから記憶を失ったパートンのマリガンとの関わりと
広大な地下世界の冒険がはじまる。
※以下、ネタバレ有の感想となります
◆魅力的なキャラと引き込まれるストーリー
今作だけ見ても、そこに示されている「世界観」に圧倒されます!
(実は三部作になっており、物語の背景はもと深く広いようです)
監督が生み出したキャラはどれもが不思議と魅力的で心惹かれてしまいます。
主人公と共に地下の不思議な住人達と関わっていくうちに
見ている私も主人公と心が同化していくような感覚で
地下の様々な「モリガン」達に親しみを抱いてしまうのです。
ホラーゲームのキャラのようなヴィジュアルでありながらも
どこか親しみと愛着を感じてしまうキャラばかり(;;)
しかも、日本人監督だからか武士道のような精神性を
パートンと三銃士に感じてしまうのです。
◆壮大な物語の背景
映画の公式サイトを是非とも覗いてほしい!
この作品の世界が広大でとても深いモノだとわかります。
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「生命の樹」と「8番浄化装置管理人」は特に要チェックです。
◆「何も見えていない私たち」と彼らは同じ⁉
”この世界の全体”の構造も関わりも知らない人類とマリガンたち(;;)
全体が見えていないので
「8番浄化装置の不具合の原因」をマリガンたちは気付いてないし
8番浄化装置管理人も実は自分が何を管理・操作しているのか知りません。
更に、パートンが8番管理人へ向けた「優しさ」「思いやり」の行動が
巡り巡って「崩壊と悲劇」へ繋がってしまう(;;)
この世界は全体で調和・機能しているので
「一部だけ見て」修正すると、それが大きな崩壊に繋がってしまうのです。
これは我々への警告でもあるのかもしれません。
さて、地球の温暖化って本当に「二酸化炭素」が原因なんでしょうか?
「酸素の排出量が減った」可能性は?
森林の木々を斬り倒して、メガソーラー発電装置を置くことが本当に正解??
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サルカドが見せてくれた森林復活への取り組みの方が
遥かに正しい選択だったりしませんかね?
でも、私も「目の前のこと」「一部しか見えていない」人間なので
正解はわからぬままです。
感覚的には…大きく間違った道へ進んでいるような…
「全体を見る」ことができるように
「知る」を重ねていくしかない。
禅の「空」に触れてから
この世界に色を付けている存在を追い続けた結果
今の私には今まで想像もしなかった「こと」が見え始めています。
世界は見つめる度にその姿を変えてみせてくるのかもしれませんな。