サルガド夫妻が難民の運命を世界に知らしめた
取材・写真集企画「エクソダス」
その撮影時の様子をこのドキュメンタリー映画の中で
セバスチャン本人が語ってくれている…
「WORKERS」の後に
サルガド夫妻がテーマに選んだのが
“次の人類の課題”⇒「人口の移動」だ。
世界で今何が起きていてるのか?
どんなうねりが渦巻いているのか?
「人口の移動」に伴う難民たちの姿をカメラは捉えた。
エクソダス(出国)1993~1999年
1991年にワーカーズのプロジェクトを終えた後
次に夫妻が目を向けた人類の課題が「人口の移動」だ。
戦争や飢餓、市場のグローバル化により
土地を追われたり、新天地を求めて多くの人々が移動していた。
ヨーロッパが国境を閉じはじめる中
サルガド夫妻は“見捨てられた人びと”に光を当てようと動き出したのだ。
世界の難民たち
セバスチャン・サルガドは世界の難民たちのリアルを
カメラでとらえ、写真で世界に知らしめた。
こういった地域の難民たちの中に入り
彼らの日常を撮影している。
そんな中でもセバスチャンが何度も訪れたのがアフリカ。
1994年ルワンダ~大統領暗殺から大虐殺
◆1994年
ルワンダ大統領を乗せた飛行機が撃墜された
ツチ族に対する弾圧が起こり、タンザニアへの民族大移動がはじまった。
この時、セバスチャン・サルガドはタンザニアへ移動する
ツチ族の人々の姿を彼らに同行し撮影している。
サルガドのカメラは
ルワンダ大虐殺の様子も捉えていた。
移動する人々と逆方向に進むと
そこには道に転がる多くの遺体が…大虐殺で殺された人達である。
1994年ゴマの難民キャンプ
7月の数日間だけで
ゴマ付近に200万人以上の難民が集まった。
溢れる難民と彼らの過酷な環境をサルガドの写真は伝えてくれる。
大勢の難民が押し寄せた結果
コレラが流行り、1日12,000人~15,000人が死んでいく状態に。
フランス軍の重機が死体を運び、土をかぶせる様子も…
写真で見て、とんでもない過酷な状態だったことはわかるが
この時一体何がこの事態を起こしていたのか?
無知でまったく知らなかったBBAが調べたところ
なかなか複雑でまだ理解に達していない…
1994年7月にゴマに溢れた難民は
大量虐殺に加担したフツ族が今度はツチ族の報復を恐れて国外に逃げ出したとか…
全然BBAの理解が追い付かないので更に「知る」を深めようと思います。
難民キャンプにはびこる暴力と蛮行
人が大勢集まると
結局はそこでまた「暴力と蛮行」がはびこると
現場を見てきたセバスチャン・サルガドが語る。
その犠牲になる女性や子供達の姿を
彼も見てきているのだ。
そんなセバスチャン・サルガドが言ったからこそ
次の言葉は重くのしかかってくる…
“人には極度の暴力性がある
人類の歴史は戦争の歴史
終わりなき抑圧の歴史であり狂気の歴史だ”
平和と言われる日本で暮らしていても
この彼の言葉は胸に刻んで忘れないようにしておいた方がいい気がした。
日本も詐欺や泥棒が増え
攻撃的な人や感情的な人がどんどん増えてきて
次に向かうのは「内戦や難民」というエクソダスでサルガドが見た状況かもしれない。
そっちに向かわないようにするためにも
人間が内に持っている「極度の暴力性」は忘れちゃダメだね。
人口移動は今も続いている
サルガドが写真でとらえた過去の現実で
「人口移動・難民問題」を見てきましたが
今も起きている事です。
日本も移民について広く門を開くかどうか問われていますしね。
あまり目を向けたくない意識からか
「知らない」できた私ですが「知るべき」ですね。
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次は全く新しい問題に取り組み始めたサルガドの視線から
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