プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【映画】AVA エヴァ~感想:心に抱えきれない弱さと強さ、酒が創る心の仮想拡張空間

AVA/エヴァ(字幕版)

そういうことなのかぁ、

アルコール依存になったエヴァの気持ちが理解できた

 

 

ような気がする。。。

 

 

壊れかけの殺し屋かぁ…

 

 

◆映画 AVA エヴァ~あらすじ

美しき暗殺者エヴァ、知性と美貌と高い戦闘能力を持つ彼女。

ある出来事をきっかけにアルコール依存になっていたが

アルコールを断ち、兵士から暗殺者へ転身し

次々とターゲットの命を奪っていく。

 

兵士時代の上官デュークが彼女のボスで

組織からの暗殺任務をエヴァにふってくる。

デュークとエヴァは互いにその能力を認め合い

信頼し合っている。

 

エヴァは暗殺すべきターゲットを教えられ、

「どうして殺すのか?」その任務にある「意図」は知らされない。

あくまで組織とは距離をおいた「実行犯」なのだ。

 

暗殺を繰り返す中で、彼女の中にかすかなさざ波が…

任務中、とどめをさす前に「殺される理由」をターゲットに問うという事を

繰り返してしまうようになる。

 

この彼女の危険行為を把握した組織の上から

エヴァ自身が命を狙われる立場になってしまう。

 

フランスでの任務を終えたエヴァは8年ぶりに実家に帰り妹や母と再会する。

母は病気で入院、妹はかつてエヴァの元婚約者とつき合っており

8年の変化にエヴァは動揺を隠せない。

 

エヴァが逃げ出した故郷・家族

彼女をアルコール依存へと向かわせた家族との確執

自らが組織に命を狙われる立場となり

エヴァは自分が背を向けた過去や自分の弱さに再び向かい合う事に。

 

たった一人で組織を相手にエヴァは生き残れるのか?

 

※以下、ネタバレ有の感想となります

 

「死」を感じながら生きる暗殺者エヴァ

元兵士にして暗殺のプロというエヴァの戦闘シーンが凄い。

アルコール依存から脱する為に

超集中緊張状態にはいるために暗殺や戦闘に身を置いているのかも。

そう思わせるほどに、任務中や戦闘中の彼女は冴えわたっている。

 

単なるエヴァに戻った時には非常に弱弱しいのだ。

常に壊れそうな感じに見える。

 

自分でも他人でも「死」というモノを側に感じる事で

やっと「生」を感じられている…そんな存在に見える。

 

だから酒が創る心の仮想拡張空間が必要だった

エヴァはよく泣くし、弱さも見せる。

彼女は信頼するデュークや元彼マイクの前では

こらえきれずに流してしまう涙を見せる。

 

父の裏切り、そのことを母に伝えてからの母からの裏切り

それに耐えきれずアルコール依存となった。

ここから家族とも恋人とも関係は崩れ…再開した時、

エヴァの手は暗殺した45人の血で汚れまくっていた。

 

本当は近くにいて欲しい、家族や好きな人ほど

エヴァは背を向けなくてはならない、

自分が何者か、どういった人間かを隠さねばならない

この辛さが彼女を弱くし、その弱さを克服する為に更に戦闘力をあげていく…

そういった弱さと強さがどんどん大きくなり彼女の心では抱えきれないのだ。

 

彼女が再び酒を手にする時

それは彼女が酒が創る心の仮想拡張空間を切に願ったということだ。

 

アルコール依存症というのは

「飲酒中毒」というよりも「酒が創る心の仮想拡張空間」を求めての

生きるためのギリギリの手段・選択状態にあるってことなのかも。

 

弱さを強さで補おうとするのは間違いなんすかね?

なかなか難しい問題を問いかけてくる映画です。

 

娘たちが求めた「父性愛」

聖書の影響が強く見られる海外映画にあって

「父と息子」の関係・葛藤はよく物語の根底テーマにされますが

「娘と父」の関係や「娘が求める父性愛」が骨格にある物語は珍しい。

※私が気が付かなかっただけで今まで見てきた映画にもあったのかも

 

この映画は「娘が求める父性愛」がストレートに強めに描かれています。

エヴァが求めた父性愛はキリスト教が示す「父性的な神の愛」なんですかね?

名前もエヴァ(イブ)だし…父の怒りで楽園を追放されたエヴァだから

ずっと欠落した父からの愛を求めてるってことなんでしょうか?

 

エヴァにしてもサイモンの娘(暗殺者)にしても

父に神のような父性愛を求めつつも裏切られます。

父には娘である自分よりも大事な存在(女性)がいるのです。

エヴァの父は浮気相手に、サイモンは後妻との間にできた幼い娘に愛を注ぎます。

 

だからエヴァは父から逃げ、恋人マイクから逃げ

最後に父の様に思えるデュークに出会いますが

そのデュークはエヴァのために殺されてしまいます(;;)

求めるほどに遠ざかっていく「父の愛」よ…

 

家族って簡単に見えて、本当に複雑ですね。

自分のダメさを受け止め、毎晩晩酌を適度に楽しめている私は

実は「生きる」才能にあふれているのかもしれません。

 

 

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