なんでこのポスタービジュアルなのか謎の映画
中身は全然ちゃうで~
日本からは「耳なし芳一」的なものが魔術儀式の一部に…
邦題もポスタービジュアルも「何でこうしたんや!?」
という作品(^^;)
原題は「A DARK SONG」です。
魔術師と依頼者の子供を殺された母親の2人が
(黒)魔術儀式に挑む気が狂うほどの閉鎖空間物語です。
映画 ドント・イット~あらすじ
7歳のひとり息子が誘拐され
オカルト儀式で殺された…母ソフィアは犯人たちに復讐するため
魔術師のソロモンに依頼する。
ソロモンに言われた通り
西向きの部屋の郊外の屋敷を借り
ロンドンから呼び寄せたソロモンを駅へ迎えにいく。
最初にソロモンはソフィアに尋ねる。
「魔術の目的は何だ?」と。
「愛」と答えたソフィアにソロモンは忠告する。
「アブラメリンを愛に使うだなんて、馬鹿げてる、出会いアプリでも使え」と。
依頼を断ろうとするソロモンにソフィアは本当のことを話す。
「ひとり息子を死なせてしまった。もう一度声が聞きたい」
魔術には強い意思が要る、子を思う母の思いなら大丈夫だろうと
ソロモンは依頼を引き受け、魔術の導き手となる。
その報酬8万ポンド!
(1ポンド=151円計算で 1,208万円)
アブラメリン魔術の儀式は天使と悪魔を両方呼び出すため、
強い意思が必要で、長期にわたる苦行の儀式に耐えねばならない。
しかも一度結界をはったら魔術が終わるまで外には出られない。
外界との接触は遮断される。
少しでも気が緩み、失敗すれば
悪魔に魂を奪われてしまう危険な儀式を二人ははじめる。
拷問のような苦行の連続で
なかなか成果が感じられない中で
ソフィアはイライラしソロモンとの衝突も増えていく。
ソロモンに隠していること
「本当の儀式の目的」を問い詰められたソフィアは
子供の声を聞くだけではなく「息子を殺した10代の若者達への復讐だ」と
ここにきてやっと正直に目的を語る。
儀式の途中で目的を変える!?
「母と息子の再会」ではなく「復讐」が目的…
このとんでもない危険な状況にソロモンは愕然とする。
そして、命を懸けた黒魔術への軌道修正がなされていく。
2人は魔術を成功させ
守護天使と悪魔を呼び出し目的を果たすことができるのか!?
※以下、ネタバレ有の感想・考察となります
アブラメリンを中心に魔術の儀式が詳細に描かれる
アブラメリン魔術は実際にある魔術らしいす。
天使や悪魔を呼び出し様々な願い事をかなえることができる魔術
先に天使を呼び出し術者の「守護天使」になってもらい
その後、天使の保護の元で悪魔を呼び出し願いをかなえてもらうという。
身と魂を清め、魔術に集中する為
6か月に及ぶ苦行に耐えねばならないという。
⇓
確かに大筋ではアブラメリン魔術なのですが
漢字が出てきたり、曼荼羅みたいな絵や色も登場するので
世界各地の魔術・儀式がとり込まれているのかも。
「耳なし芳一」みたいに
肉体に墨で漢字や文字が書かれる場面もあったよ。
精神衰弱、臨死体験を超えるなど
どこかマーターズや他の境界線越えさせ作品にも通じるものが。
魔法陣の意味、形や数字の意味
禁欲、断食、不眠不休で挑む精神の限界など
「儀式」の部分がかなり詳細に描かれている作品です。
苦行から逃亡後の怒涛の展開
えっ!?
ってなる「なぜ、なぜ、おいっ」って展開が
満身創痍で苦行から逃亡したソフィアを待っています。
まず、悪魔が…悪魔というよりも地獄に落ちた人間達っぽい
しかもその表現は「原始人」っぽいのが謎
地獄の鬼なのかもしれない、指切り落とされてたし。。
更に天使が…巨大!
しかも「戦士型天使」だった。
これはアブラメリン魔術では
「魔術師の聖なる部分が守護天使となる」とされてるようなので
ソロモンが死ぬ前に「僕は戦士」と言ってたからその影響だろう。
天使の表現では今まで見た℃の映画よりもびっくりしました!!
最後にソフィアが願ったことの意味
悪魔の力を使って願いを叶えるはずが
ソフィアは悪魔に追われ
はじめて「ごめんなさい」という言葉を口にします。
それまでは犯人を憎み、ソロモンにケンカ腰で
心配してくれる妹にも食ってっかかっていたのに。
ソフィアと息子の関係を作中の会話から察するに
ソフィアの油断(もしかしたら男と情事中だった)で
息子から目をはなしてしまい、誘拐された様なのです。
彼女は本当は「自分のことが赦せない」ため苦しんでいたのかも。
だから他を憎む、恨むことで自分の罪の意識から逃げ続けていたのでしょう。
そして魔術でもいいから息子の仇をうつことで「赦される」と思っていたのかな。
彼女は結局、魔術の最後には
天使に対し「赦し」を懇願していましたから。
なんとなくソロモンが気の毒なラストでした。
でも、まー金を対価に魔術を請け負う危険性も知ってたでしょうからね。
本来は全部自分でやるものですから。
嘘をつく相手と一緒に命がけの魔術なんて
挑んじゃあかんで!!
では、また~☆