うわぁ~「 郷にいっては郷に従え」の恐怖バージョンや~
狭く閉じた世界(コミュニティ)ルールに御注意を!
ということで話題になっていた映画をプライムビデオで観たど~
監督曰く、3時間に及ぶディレクターズカット版が真の完結編らしい。
では、映画日記へ
- 映画ミッドサマー~あらすじ
- 数々登場する絵に運命が暗示されている
- その信仰は神なのか悪魔なのか?
- 彼女の最後の選択と笑顔の意味
- 孤独につけこむ洗脳社会「私たちはファミリー」甘い囁き
- 内容はグロいけど映像は耽美
映画ミッドサマー~あらすじ
アメリカの大学生ダニーは
問題を抱える妹とのことで悩み
精神安定剤と彼氏に依存して生きる女の子。
そんなダニーの彼氏クリス(クリスチャン)、
実は…一日に何度も泣いて電話してくる精神不安定な彼女と別れたがっていた。
いつもつるんでいる大学の友人たち
ペレ、ジョシュ、マークには一年前から
「彼女と別れたい」と相談していたのだ。
ところがダニーの妹が彼女の両親を巻き込んで自殺してしまい、
失意の彼女を突き放すことがますますできなくなってしまう。
そんな中、クリスたちはペレの招きで
今年は90年に一度の大祭で9日間に及び村をあげての祭事が行なわれるという。
男だけでスウェーデンの旅を楽しむつもりだったが
この旅のことをダニーに知られてしまい、
気まずいクリスはつい「一緒に行く?」と誘ってしまう…
まさか、彼女が「行く」というとは思わなかったのだ。
そうしてダニーも加わり5人はペレの故郷に向かう。
村は大自然の中にある美しい村で
よそ者である彼らを村人たちも歓迎してくれた。
美しい景色の中、美しく幻想的な祭事が行なわれていく。
だが、祭事がすすむにつれて
このミッドサマーの大祭は恐ろしい面を見せ始める。
90年に一度行われる大祭の意味とは…
※以下ネタバレ有の感想・考察いきます
数々登場する絵に運命が暗示されている
もうね、私も気づいてたんですけど
ダニーのアパートの部屋の壁に飾られている絵画からして不気味なんですよ!
このさきの運命を暗示しているような…
しかも、ペレの故郷の村に至っては
各建物の内部いっぱに描かれた儀式を示す絵が
これまた超不気味(ホラー漫画みたいなんや~)
村にある壁画的な絵はどれも物騒なものばかりです。
そのタッチが可愛らしいだけで
内容は血や火あぶりやグロイものばかりやで~
中でも「恋する少女の物語」タペストリーとやらが
強烈や~エログロホラーな世界です(^^;)
片思いの相手に自分の体の一部を喰わせるという…(やめろ~)
その信仰は神なのか悪魔なのか?
物語には二面性がある。
この映画で描かれている「閉鎖的な田舎村のカルト信仰」というのも
村人たちからすれば先祖代々続く大地・自然の神への信仰だし
彼はは本気で善き行いとして大祭を行っている。
しかし、外部の人間から見た場合
彼らの信仰も儀式も「邪悪なもの」に見える。
生贄をたくさん求めるし、血がたくさん流されるからだ。
しかも自ら喜んで命を捧げる人ばかりではなく
「72才を過ぎたら」とか「何も知らされず連れてこられた外部の人」の
命も求めるという極悪っぷりや。
異教徒狩りにも見えるし、老人廃棄にも見える。
結局、信仰も神も善悪も幸せも
ぜ~んぶ「自分の思い込み」だと思い知らされる映画だよ~
彼女の最後の選択と笑顔の意味
さて、この映画で印象的なのは
大祭の女王に選ばれたダニーの最後の選択とラストの笑顔でしょう。
私ははじめ、彼女の選択は「彼氏クリスの命の選択」だと思っていた。
女王となった彼女が
今まで自分を疎ましく思っていた彼氏、
この村にきて村の若い娘と浮気した彼氏、
であるクリスへの復讐で彼の生死の選択を決めたとおもったのだ。
でも、違う。
彼女は彼女の人生の選択をあの時したのだ。
犠牲になる「あと一人」に村人を選び
ダニーを生かす選択をしていれば
2人はこの村から生きて帰れたかもしれない。
今までのアメリカでの日常を取り戻せたかもしれないのだ。
でも彼女は「この村」を選んだ、今後の人生を共にするファミリーは村人だと。
この村ではみんなが彼女に共感してくれるし
みんながこの村の外のルールとは違った生き方をしている。
精神安定剤と彼氏に依存しないと不安で生きていけないダニーだったが
ここではみんなが今までの世界からしたら「異常者」なのだ。
今での世界で息苦しく、孤独にさいなまれていた彼女からしたら新天地だったのかも。
また、自らの意志でクリスと決別したこと、
今まで自分を支えてくれたクリス、
自分を疎ましく思っていたクリス、
浮気したクリスの命を自らの意志で奪ったことで
もう前の世界には戻れない状況に自分を追い込んだのも
実はわざとなのかも…
孤独につけこむ洗脳社会「私たちはファミリー」甘い囁き
洗脳商法とかネットワークビジネスとかの世界では
「私たちはファミリー」が孤独で心が弱った人を誘いこむ常套句になっております。
しかも「私たちファミリーはこんなに幸せ」という
刷り込みの会合が定期的に行なわれるというマメさ!
何時の時代も、そんな地域でも同じなんだぁと思った。
閉じた世界、外側の世界を否定するコミュニティなどにはご注意を
『共通の敵』つくる作戦も非常によく使われている手法です。
”私を理解してくれる人”なんてそもそもいないよ。
だって自分だって自分がよくわからないんだから。
”私を理解してくれる人はいない”という視点から
千人千色の社会で多様性や歩み寄りを楽しむほうがいいよ~
私もどんな話も意見も「その人からみた真実」で「この世の可能性の1つ」と
思うようになって人生楽になったよ~
内容はグロいけど映像は耽美
映像はどこをとっても耽美です。
若者は知らない方も多いとおもいますが
雑誌「オリーブ」の少女的な世界観にも思えます。
すてきな映像だったよ~
本当は怖い童話シリーズにも似たホラーやったで~