これは「監督の実体験を忠実に映像化した映画」と思って見ると
怖さが何倍にも膨らんできます。
忠実に映像化なので派手な恐怖演出は特にない分
「これが実際にあった事か」という恐怖は膨らむのです。
母が息子に残した言葉の数々がみんな不気味で怖い(><)
強い孤独と絶望感が投影されたタルパ(人工精霊)の実話映画を
はじめてみたので興味深かったです。
⇓
映画 恐怖ノ黒洋館~あらすじ
※これは監督の実体験を忠実に映画化した作品です
カルト信仰にはまった両親に幼いころから反抗心があり
早くに家を出た息子レオン
絶縁した母が亡くなり母の家を相続した彼は
久しぶりに実家に戻ってきた。
家の中は信仰心に熱い母が集めた気味の悪い像やはく製などで
埋めつくされていた…
レオンは久しぶりの家の中を見回りながら
「この家に漂う不気味な気配」に気が付いていく。
いつか戻ってくる息子にあてて
母が残していた言葉が布に刺繍され家中に飾られている。
母の部屋の鍵を見つけたレオンは
そこに隠されていたとんでもない秘密を目の当たりにすることに!
両親が信仰していたカルト教団の真実とは?
息子の帰りを待ち続けた母の想いが
カルト教団の驚異の力によって
とんでもない姿で現れる。
※ここからはネタバレ大いにアリで感想へ
母の言葉が印象的
この家には母の魂が居続けており
ずっと息子の帰りをまっていた。
そしてレオンが家に戻ってから
ずっと息子に語りかけつづけているのだ(;;)
- 絶望は無神論者の苦悩
- 早く気付かないと大変なことになる 霊魂は肉体が滅びた後も永遠に生き続ける
- 信じれば救われる
この部分…悲しいかな最終的に
「息子に見捨てられた悲しみ」⇒長年にわたる孤独が
信仰心の熱い彼女に「苦悩」と「信じても救われない」ことを実感させます(;;)
他にも「刺繍」で残された言葉が
何かの儀式を予感させる感じで不気味(--)
- ナイフを床に落とすと男が現れる スプーンだと女が フォークだと男でも女でもない
- 滴る水は嵐の前兆
これがレオンの心に強く暗示をかけてしまったのか
彼はフォークを床に落し、嵐の夜を迎え
この洋館で恐ろしい怪奇現象に遭遇していくのです。
両親が信仰していたカルト教団
この教団の教えが、不気味なのです。
「信じる者は救われる」という教えには同時に
「信じない者に神は怒り、恐怖と苦痛を与える」
と教祖兄弟が明言している。
”霊魂は肉体が滅びた後も永遠に生き続ける”
という教えが信者を惹きつけているのか
この教団の施設にはいたるところに人形や宗教像があるのだ。。
たぶん、死んだ人の魂がそれらに入りやすいようにだと思うんだけど
映像で実際に目だけリアルなマリア像とか天使像を見るとゾッとした。
他にも母の友人(たぶん信者仲間)がレオンに忠告した内容が怖い
⇓
”森は神のもの でも時々邪悪な面を見せる
森から現れる動物に注意しなさい”
そして、本当に森から異形の魔物が現れる。
これが森の魔物に母の魂が入りこんだような奴で
実際は母の孤独と絶望が生み出しタルパのようです。
深い愛情は拒絶されると魔物になる
母が息子を思う深く大きな愛情が
息子に拒絶されたことによって
- 深い悲しみ
- 深い孤独感
- 大きな絶望感
となって母自身に襲い掛かってくる様はせつなかった(;;)
しかも、その強い念がいつの間にか
タルパをつくり出してて異形の魔物となって
家や森を彷徨ってるなんて…
息子を求めて永遠に彷徨うようです(;;)
これは監督が実際に体験したことだと
意識しながら見て欲しい。
拒絶された、背を向けられた愛情の姿を。
神よりも息子に目を向けていれば…
母もやっとそこにきがついたようですが。
両親を大事にしようと思います。
なんかそう背中をおされた映画です。