1970年代の邦画ですが、色々とキテる作品です。
世界観は楳図かずお漫画で、物語のラストは
急にエドガー・アラン・ポーの世界に飛び込んでいきます。
画的には女優陣が凄い! 「血を吸う人形」がほぼ・かしゆかです。
BBA私の映画日記はネタバレ有で進んでいきますのでご注意ください。
邦画のうねるパワーを感じる作品です。
日本人の持つ陰の部分が3回転半捻りでドリルのようにうねるのだ。
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色々と驚かせられた作品ですが
短いながらも見ごたえは充分です。
若き日の中尾明氏も出ていますが
映画の感想コメントに「若い時のねじねじ」と書かれていて
ちょっと泣いた。
- 「血を吸う人形」あらすじ
- ポイント①血を吸う人形・夕子が「かしゆか似」美女
- ポイント②世界観は楳図かずお漫画そのまま
- ポイント③急なエドガー・アラン・ポー展開
- ポイント④母・志津が生気ゼロですごい
- ポイント⑤「血を吸う人形」が血を吸わないという罠
- ポイント⑤若き日のねじねじがキレイなジャイアン
- ポイント⑥明暗の使い方、画が写真の連続
「血を吸う人形」あらすじ
海外出張から帰った兄が
婚約者である恋人に会いに向かったまま
1週間が経過した。
その間、一度も連絡がないことを心配した妹・圭子が
恋人・若き日のねじねじを一緒に
兄の恋人の屋敷に向かう。
兄が向かった山奥にある古い洋館に着くと
兄の恋人・夕子の母である志津が
夕子は半月前に亡くなったこと、
兄は数日前に帰ったことを教えてくれた。
車の故障で
この屋敷に泊めてもらうことになった圭子とねじねじ青年は
夜中に女性のすすり泣く声を耳にする。
さらに圭子は兄がこの屋敷に泊まった痕跡をみつけ
「この屋敷には何かある」と感じはじめる。
夕子の事故死について調べるうちに
夕子一家にまつわる過去の事件について知ることに
そして再び屋敷に戻ると
圭子もねじねじも亡くなったはずの夕子の姿を目撃するのだった…
20年前の事件と兄の失踪の真実が
繋がりはじめた時
更なる恐怖が襲いかかる…
※以下盛大にネタバレしながら見どころを紹介
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ポイント①血を吸う人形・夕子が「かしゆか似」美女
血を吸う人形こと夕子が
ほぼ・かしゆかです(^^)
黒髪ロングでスタイル抜群で足が細い
人形っぽさ納得です。
夕子の黒目バージョンが「かしゆか」似で、
金眼バージョンはまたちょっと違った感じ
この金眼のカラコン装着時は
ほぼ視界ゼロさったという話を聞いて
女優魂に拍手した。
ポイント②世界観は楳図かずお漫画そのまま
洋館内の雰囲気もいい感じの趣味しています。
母と娘の物語としても
この物語の精神的部分は「楳図かずお世界」です。
夜な夜な屋敷に響き渡る
「女のすすり泣く声」この正体がわかると
どこがどう楳図世界なのか納得してもらえるはず。
ポイント③急なエドガー・アラン・ポー展開
夕子を検死した医師が登場してから
急な展開が続いていきます。
「えええええぇぇ!?」
って怒涛の展開です。
母と娘の物語に
強引に入ってきた「エゴの塊の医師」
この母娘への歪みまくった愛を胸に
倫理観ゼロ医が暴走しまくりです。
銃をつかって殺人鬼にも化すし、
愛した女を強引に銃を片手に妊娠させるし、
しまいには死ぬ直前の夕子に催眠術をかけて
生きながら死んでいる謎の存在にしてしまう…
催眠術で死体に魂を無理やり縛り付けておけるものなのか??
ポイント④母・志津が生気ゼロですごい
この映画の世界観を現実と結びつけている唯一の存在
それがこの母役の南風洋子さんの妖気漂う美貌と雰囲気にある。
陶器のような肌に無表情
着物の着こなし
右からのカットだけで見える
アゴしたの大きな傷
私はてっきりこの母がそもそも死人なのかと思ってしまったよ。
ずっと人間ぽさゼロできてのラストが素晴らしいです。
ポイント⑤「血を吸う人形」が血を吸わないという罠
死後に吸血鬼となって復活したのかと思った夕子…
全然違った!
ここは「やられた」って思いました。
でも映画のラストまで見て
エンドロールまで見て思った。
血を吸う人形というタイトルなのに
「血を吸わない」という罠…
血を吸わないし、人形でもないし
ただただ生きている時の迫害の怨念の塊と化し
殺人鬼になったという謎の設定
母と源さんは殺さないのに
愛する恋人は殺しちゃうんかい?!
色々な部分がねじれまくっていて
私のような小さな理解脳の奴には
追いつけないストーリーです。
ポイント⑤若き日のねじねじがキレイなジャイアン
若き日の中尾あきら氏が
イケメンなのか?二枚目半なのか?三枚目なのか?
よくわからないのでモヤモヤが残ります(;;)
私的には「キレイなジャイアン」でした。
こうして
若き日の中尾あきら氏によって
イケメンとか三枚目というものも境目はないんだなぁと
教えられました。
ポイント⑥明暗の使い方、画が写真の連続
明暗の使い方がさすがです。
はじめは暗の使い方がうまいんだと感心したのですが
最期には明の使い方がうまいんだとわかってきました。
映画がフィルムで撮られていたことを感じさせてくれたのは
どのシーンでとめても
画が作りこまれていることです。
つくりこまれた写真の連続なんだなぁと感心
フィルムの編集点とか
繋ぎ目がわかるとちょっと「おお」ってなります。
何だかんだでおもしろかった映画です。