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【映画部】親知らず(宮嶋風花監督卒業制作)~「失う」激痛と喪失感を超えて見える世界が変わる

親知らず

札幌大谷学園の卒業制作らしい

宮嶋風花監督の処女作 

沖縄国際映画祭2018U25 グランプリ作品

ザラッとして渇いた演技と映像がよりリアルに沁みてくる(;;)

 

 

1時間弱と短いながらも

しっかりと物語が込められている。

 

家族とか家庭が素の自分の置き場であり

安らぎであり、安心して過ごせる原点でベースである、

そうあってほしい。

 

でも、そこが自分にとって苦痛の場で

逃げられなくなっていたらどうだろう。

親子のはじまりはお互いに選択権なくはじまる。

どの親の元に生まれるか?

どの子が自分の子として生まれてくるか?

親は生まれてくる子を選べないし、

子もまた親を選べないところから親子関係ははじまる。

 

家でも学校でも自分の居場所がなかったら?

周囲になじめず、馴染もうとせず「浮いた存在」だったら?

漂うように不安定な自分の存在。

 

そんな少女が「親不知」を抜いたことからはじまる物語です。

日常が少し変化し始める。

 

 

親知らず

親知らず

  • 発売日: 2020/05/18
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 「親知らず」あらすじ

母を亡くし、うつ病で家に籠りっきりの父

息をひそめるように父と暮らす女子高生の明日美。

 

成績はいいが

母が亡くなって以来

家事に追われ学校も遅刻ぎみ

 

学校でも明日美はひとりで過ごす。

いじめられているわけでもなく

明日美が周囲と交わらないように

周囲も明日美の存在を気にかけない。

 

ある日、明日美は学校に行く前に歯医者に寄り

親知らずを抜歯する。

抜いた親知らずの曲がった根は深く立派だった。

抜いた後には大きな穴が開き、頬は腫れた。

 

腫れた顔で学校に行くと

明日美の家庭事情を心配する女装教師が

いつものように豪華な手作り弁当を手渡してくれる。

 

抜歯の痛みに耐えながらお弁当を食べていると

校庭に浮浪者のようなおじさんが不敵な笑顔でたっているのが見える。

 

うつ病のため薬を飲んで18:30には就寝する父

家で父と顔を合わせたくない明日美は19時過ぎまで

街をぶらぶらして時間を過ごす。

 

その長い帰り道に出合う「変わった人達」

ペットボトルを頭の上にのせて歩いている「ペットボトルおじさん」

黒いコートにサングラスで近づいてくる露出狂

家の近所のごみ置き場でいつもゴミをあさっているホームレスのおじさん

明日美は抜歯以来、彼らとあいさつしたり話したりするようになる。

 

誰もが「見て見ぬふり」、その存在を視界から消し

気が付かないように避けて通る存在の彼ら

明日美はそんな彼らと交流するうちに

「自分だけ」だった世界が柔らかく広がりはじめる。

 

明日美と同じように

早くから校庭のおじさんの存在に気が付いていた

クラスメイトの杉浦君

 

クラスの人気者だった彼は交通事故にあい

どうにか命は助かったものの

脊髄損傷によりこれからは車椅子生活になることが

担任によりホームルームでクラス中に知らされた。

 

明日美に家でも学校でもないとこで知り合いができ、

何かを感じた父が帰宅中の明見美の前に現れる。

 

明日美と父の関係に大きな変化が訪れる。

「知り合い」が消え、車椅子で傷だらけの杉浦君がクラスに戻ってきた。

今まで彼の周囲に集まってきたクラスメイトは

まるで「杉浦君の存在に気が付いていない」かのようになった。

 

独りになり、周囲から避けて通られる存在になった杉浦君の

車椅子を押してあげようと明日美が近づくと

杉浦君はそっと明日美にあるモノをとり出しみせるのだった。

 

「親不知」は親も知らない歯(刃・破)である

親知らずとは

乳児の歯の生えはじめと違い

親がこの歯(刃・破)の生えはじめを知ることは無い。

 

英語ではwisdom toothといい

物事の分別がつく年頃になってから生えてくる

歯(刃・破)であることに由来する

 

https://twitter.com/oyashirazumovie

(公式twitterより)

 

と、映画公式サイトには書いてある。

 

エリート会社員だった父が挫折して心を病んで以来

ずっと明日美の幼少期のビデオを繰り返し見続けているのに反し

明日美は親の支配から逃れ、自分の価値観を身に着けはじめている。

 

親知らずを抜いた痛みと

ぽっかり空いた抜歯痕

 

その痛みと体の一部だったモノを失った喪失感は

明日美に「今まで見えなかった存在」に気が付くきっかけを与えてくれた。

 

赤い靴下の明日美:悪いのはこの世界そのものだ

明日美は寡黙な彼女に不釣り合いな真っ赤な靴下をはいている。

私にはそれが怒りにも血にも見えた。

 

赤い靴下をはいている時の明見美は

こう心の中の想いを語っている

“この世界で私は何も悪くない

悪いのは周りの人間

悪いのはこの世界そのものだ”

 

映画の中で明日美がその心の内を

明かすのはほぼここだけ。

 

大人達の勝手にも

クラスメイト達の空虚な関係にも

彼女はイライラしていたのかもしれない。

 

白い靴下になった明日美

父から解放され、

杉浦君の車椅子を押す明日美の靴下は白だった。

 

父を嫌いつつも

父と同じように周囲を拒否していた自分

「将来父のようになるかもしれない恐怖」から

解放されたのかも。

 

明日美が柔らかい笑顔をこぼしていたから。

 

クラスの人気者だった杉浦君も

身体の自由を失い、人気者だった自分も失い孤独になったけど

どこか新しい自由を手にしたようにも見えた。

今を素直に受け入れて、新しい世界を見ているのかもしれな。

 

「演じていた自分」から

ふたりとも解放されたようだ。

 

普通の人達より「変わった人」達の方が自由

明日美を通して、「変わった人たち」を見てみると

そうなるに至る背景があって今に至っているだけで

話してみると嘘がなく心地いい人達ばかりだ。

 

「普通」という大多数の群れに収まるために

周囲にあわせる人達よりも

普通の人たちにバカにされたり、避けられたり

存在を無視されている「変わった人」達の方が自由だ。

 

変わり者でいいし、

完全じゃなくていいし、

人よりも持たない人でいい。

 

足りなく見えるくらいが自由でいられるコツのようです。

バカに見られるくらいがちょうどいい。

笑われても好きなことを堂々とやりつづけられるから。

 

結局は大多数の無名の「普通の人」達よりも

ペットボトルおじさんの方が圧倒的な知名度だったしね。

 

普通の人達とは

「普通」という呪いにかかっているか

「普通」の奴隷になっていることに

気が付いていない人かも?

 

親知らずを抜くように

今まで自分にあった、自分の一部みたいなものを

失って激痛と喪失感に襲われても

また新しい何かがそこに入ってくる。

 

痛みと喪失感を知って

他人の心にそっと寄り添うことができるようになるってことかな?

 

では、また~☆

 

 

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