とても面白かった!
とても美しかった、ストーリー展開も画の作りこみも☆
【映画】蜘蛛の巣を払う女~あらすじ
無知な私は知らずに観たのですが
「ミレニアム」シリーズのドラゴンタトゥーの女ことリスベットが主人公で、
今作の始まりは「彼女の幼少期」が描かれています。
あらすじを知らずして見た方が楽しめる、と思うので
⇓
(必要な方の為にさっくりと)
冬のストックホルム
厳しい冬の寒さと雪降るが見せる姿は
どこか冷たく閉ざされた世界のようで…そして美しい
大きな館で父と暮らす少女姉妹
ある日、父に呼ばれ「父の寝室」へ
大きなベッドに座り姉妹を側に呼び寄せる父…
妹の手をとり逃げ出す姉、
追い詰められた姉妹はひとりが崖から飛び降り雪の中へ
もう一人は父の手の中へ
それから16年後
天才ハッカーのリスベットは
財力や暴力など力で女性達を支配、傷つける男たちから
彼女たちを解放し、男から力を奪うため暗躍していた。
そんな彼女の元にハッカーとしての彼女の才能を見込んで
とんでもない依頼がやってくる。
「アメリカNSAから”私が開発した”ファイアーフォールを取り戻してほしい」
というものだった。
開発者であるバルデルは「騙されて開発させられた」といい
とても危険なシステムなので取戻し破棄したいと…
この依頼を遂行し見事データを取り戻したリスベットだったが
そのせいでNSAとこのデータを狙うマフィアから命を狙われることに。
そんな追って追われての闘いの中で
リスベットは思わぬ過去の因果の糸に囚われていく。
◆彩度を抑えた灰色の世界に「黒と赤」が生える
たぶん、リスベットとその妹が見ている世界
ふたりから見える世界があの彩度の低い「灰色」な世界なんだろう。
そんな中でリスベットは黒に身を包み
過去とサイコ親父に復讐するかのように
「悪と戦う闇」として生きている。
いわば黒い戦闘服に身を戦いの中暮らしている。
また彼女を取り巻く人々も「闇」の霧に包まれているような人ばかりで
やはり彼らから見た世界もあの低彩度の「灰色」世界なんだろう。
そんな中、ひとりこの世界で異質な「真っ赤」な服に身を包み登場するのが
リスベットの生き別れた妹なのだ。
彼女が身に纏う赤は「彼女かこれまで殺した人たちの血」であり
同時に「自分を捨てて父から逃げた姉への復讐の炎」でもある。
それにもう1つ、16年間たったひとりで
父のおぞましい屈辱に耐えた彼女の流した血の涙かもしれない。
そんなわけでこの映画は「黒い女」と「赤い女」の因縁の物語が
美しい画で紡ぎあげられている。
◆蜘蛛の巣=ネット&人の因縁
原題が「The Girl in the Spider's web」なので
リスベットが捕らわれている家族の因縁
- 「クモの印」のマフィア一家(サイコな父と後を継いだ妹)
- 父からの虐待の記憶
- 父を選んだ妹への怒りと妹を救えなかった悲しみ
- 血塗られた一家の記憶
のことで、これを「振り払いたい」だろうなと思ったのですが
彼女の闘う姿を見ていると
もっと「クモの巣に囚われた多くの人たち」を救うべく
人が捉えられている多くの因果の蜘蛛の巣も払っているようです。
あと、元々が「インターネット」の「ネット」は
蜘蛛の巣からきているので「ネット内で戦うハッカー」として
彼女が祓っているネット内の「悪の糸」も指しているんでしょうね。
こわいぁ、ネットも人の因果の糸の絡まりも。
◆高レベルの頭脳戦×肉体戦
これ、めっちゃワクワクしますよね。
しかも凄い高レベルな頭脳戦を描いているのに
ちゃんと無知な私でもその凄さがわかる程度に
ポイントを絞って見せてくれている(これだよ映画って!)
肉体的な攻撃もけっこう激しめです。
なんかこの人…顔の皮膚感おかしいな…整形しすぎ??
なんて思っていたら、次の瞬間驚きの映像が!!
他にも、彼女たちが父からどんな拷問・虐待にあってきたか
示唆するようなシーンも多く…ギャーってなります。
こういった映画や小説がこの先も製作され続けますように(願)