ビンゴという映画を観た。
死刑執行日に与えられる「最後の救いのチャンス!」らしい。
本当にそんな救いはあるのか?
という、そもそもの私の疑問にズバッと答えをくれた映画です。
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主演のふたりの顔が忘れられないぜ~
いろいろな意味で。
- 映画ビンゴ~あらすじ
- 決定権は「最後に会いたい人たち」の手に
- 人は感情で「処刑すべき人を選ぶ」
- 新制度が救うのは「残された人達の方」だった!?
- 「相手のため」という自己犠牲の無意味さ
- 被害者遺族が死刑執行ボタンを持つ別バージョン
映画ビンゴ~あらすじ
20XX年、死刑制度の大改正が行なわれた日本。
死刑執行日に死刑囚たち25人は地下の部屋に集められる。
床にはタテ5列×ヨコ5列からなる番号が振られたビンゴマスが描かれ、
そこに置かれた25個の椅子に死刑囚がひとりづつ座らされていく。
囚人たちの座るビンゴ座席の前には巨大なビンゴ装置が置かれ
彼らの右手横には絞首台が準備されている。
「処刑前に最後のチャンスが与えられる」とだけ看守は説明し
処刑ビンゴがはじまった。
ビンゴになれば救われるのか?即処刑されるのか?
なかなかビンゴにならないのはなぜか?
上からビンゴ装置内に落されてくる
番号が記入された紙が入った球は誰が描いているのか?
ビンゴが進むにつれ
死刑囚たちもこのゲームのルールを理解し始める。
自分たちはゲームのコマで
上でゲームをプレイしている人達の「正体」は誰なのか!?
死刑執行をかけて
上の部屋と下の部屋で激しい心理戦、舌戦が行なわれていく。
※以下、ネタバレ有の感想いきます
決定権は「最後に会いたい人たち」の手に
斜めビンゴは認められない
タテとヨコの2列ビンゴで死刑執行という謎ルール(^^;)
なんでかな?と思ったけど
「誰を処刑するか?」を毎回紙に書いてビンゴ球に入れる
上の部屋に集められたゲームプレイヤーたちが思考しやすいようにかな。
この上の部屋に集められた人たちは「誰か」というと、
下の部屋に集められた死刑囚たちが
「最後に会いたい人は誰ですか?」と質問された時に
答えた人達なのです。
ここで興味深いのは
- 自分の家族・身内を書いた人
- 被害者の遺族を書いた人(最後に謝りたいんだって)
の2パターンが居ること!
決定権は「最後に会いたい人」たちの手にあるのですが
実は自分の生死をゆだねる人を死刑囚は自分で選んでいるのです。
人は感情で「処刑すべき人を選ぶ」
更に興味深いのは
上でも下でもいたって浅めの「心理戦」が展開していくのですが
結局、こうなってしまうとみんな「感情で決める」のです。
上にいる人達は
下にいる死刑囚たちが具体的にどんな犯罪をおこしたのか?
事件にどんな背景があったのか?
など、知らされてはいません。
大きくニュースで取り上げられた犯人たちもいるようですが
上にいる人達は自分がかかわった「そいつ」のこと以外は
ほぼ知らないようです。
むしろ、下に居る死刑囚たちの方が
他の奴がどんな凶悪犯なのかだいぶ知っている(^^;)
では、どうやって次々に「死刑執行すべき人」を選んでいくかというと
下にいる人達の様子を上から観察し、上にいる人同士の訴えを聞くことで
大きく心情が動かされ決めていくのです。。。
感情やないか!?
そもそも、「法」の下で裁かれたて死刑判決でたのに
死刑施行日に「救いのチャンス!」とかありなのか??
と、こころザワザワした私ですが
その答えは映画を最後まで見ると「あーそういうことかぁ」と納得。
新制度が救うのは「残された人達の方」だった!?
最後まで見て、あーそういうことかぁと。
新制度がなんのためにあるのかというと、
- 死刑執行に関する政府の責任を当事者たちへ全部移行
- 被害者遺族や加害者家族の感情ケア&納得
- 加害者たちに自分の運命を他人に支配される恐怖を
こんな感じだと思う。
あのビンゴ形式だと
- 5×5
- 4×4
- 3×3
- 2×2
と残った人でビンゴマスをかえゲームは続くので
どう考えても「救いのチャンス」は1席だけ。
そんでもって、だんだんとゲームが進んで
残された人数が少なくなってくると
加害者家族も「加害者が戻ってくる」恐怖に揺らいでくるのです。
だから…ほぼ全員死刑執行は確定しているのです。
ここまでわかっていての大改正だったんでしょうね。
「救いのチャンス」てのは残された人達へのものらしい。
「相手のため」という自己犠牲の無意味さ
この主役2人の関係で観ると
この処刑ビンゴはまた違った意味に見えてきます。
「冤罪」「無実の死」「真犯人への免罪符」といった問題もありますが
”相手のため”とか”誰かを想って”の身代わりや自己犠牲というのは
徳の高い行為に見えて実は「自分を満たしたいだけの自己欲」の塊だとわかる。
誰かの為に犠牲になることで
- 感謝されたい
- 愛されたい
- 相手が私を必要とし求めてくれる
という自分の願望や期待を叶えたいだけなのです。
ここを認めずに前のめりで突っ走ると、
主人公のイケメン君のようになってしまう(;;)
この主人公が「最後に会いたい人」に選んだヒロイン…
私的にめっちゃレプティリアン系に見えるんですけど!!
不思議な雰囲気もっているので
たぶん日本よりもアメリカの映画やドラマ界のほうが成功しそう。
被害者遺族が死刑執行ボタンを持つ別バージョン
私がこういった被害者遺族が死刑執行ボタンを持つバージョンで
忘れられない話が1つ
どこで読んだか、忘れちゃったんですが
小説だったか…ネットだっかた…
死刑執行日に被害者遺族が呼ばれ
遺族の目の前に巨大なミキサーに投げ込まれた加害者が居て
そのミキサーの「入・切」ボタンを被害者遺族が好きに押していいのです。
こんなにでっかくないけど、イメージ的に会田誠さんの絵と
セットで私の脳内に収納されている。
ミキサーの中の加害者と会話もできて
入⇒切⇒入みたいに途中でとめて更に粉砕もありなのです。
確か、読んだ話の中では
この加害者を自分の手で葬った感により
被害者遺族の無念が救われるんだとか…
なんか、どんよりした厚い雲におおわれた
灰色の空の日みたいな映画だった。
でもアイディアや魅せ方上手だよね。
では、また~☆