ここ最近みたホラー映画の中で群を抜いて印象に残るトラウマ作品…
キング原作の「人間圧搾機」の造形も工場の描写もヤバいっ
ここ最近みた映画の中で
強烈に脳を震わす度はNo.1の作品かも…
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かなり鋭利な資本主義・資本社会への風刺が効いています…
では、映画部・感想考察いきます。
映画マングラー~あらすじ
ライカーズ・バレーという街にある
『ブルーリボン洗濯工場』で多発する奇妙な事件
女性従業員が多く働く工場にある業務用の大型プレス機「マングル」
ある日、この工場で働く少女シェリーが作業中に手をケガしてしまい
マングルが乙女の血を浴び、
機械の中に潜む悪魔が更なる血を求め暴走し始める…
シェリーがケガをしたことで
プレス機の担当になったのは
長年この工場で働くフローリー。
フローリーは胃腸薬を頻繁に常用しており
この日も作業中にポケットから薬をとり出し
口に運んだところ…誤ってプレス機のベルトに落してしまう。
フローリーが薬をとろうとプレス機に手を伸ばしたところ…
機械に噛まれ、そのままのみ込まれてしまう大事故へ
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※人を喰う意志あるマングル⇒マングラーと呼ぶらしい
マングラーとフローリーが食われているところ
工場のみんなでフローリーを助けようとするが
マングラーの電源を落とせない!?
フローリーはぐちゃぐちゃの遺体となって警察に…
この事件の捜査を負かされた刑事ジョン・ハントンは
工場の安全管理に問題はないか調べるため
捜査が終わるまで工場の作業停止を求めるが…
なぜかあれだけの事故が起きても
工場にはすぐに業務再開許可が下りてしまう。
判事と保安官が工場から賄賂を受け取っているに違いない…と
この街の腐敗を嘆くジョン。。
その後も工場やその周辺では
奇妙な事件が相次いで起こるのだが
工場の経営者ガートリーは「時は金なり」と言い
工場での作業を止めるどころか
より一層、生産性を求め従業員たちをこき使う…
工場を休まず稼働させる一方で
経営者ガートリーは工場の新入りリン・スーを気に入り
部屋に呼び出しては彼女に服従を求める(エロじじぃは元気)
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わかりにくいと思いますが、この顔がガートリー…
この工場の事件を追うジョンは
唯一の身内で味方の義弟マークの話から
「悪魔が宿ったプレス機=マングラー」による殺人では?
と疑うようになり、、、
マングラーの秘密を探るうちに
両足鉄義足のガートリーの黒い過去や
この街で今までに、
16才の誕生日に失踪する少女がたくさんいる事実…
更にはこの街を支配する大きな闇を知ることに。
マングラーとの直接対決の後、
ジョンに更なる絶望が待ち受ける。
人間の生き血を求め喰らう工場の機械マングラー
実に不気味な様相のプレス機なのです。
ドロドロな機械油の鎧に覆われ、
大きなチェーンがむき出しのマングラー
額(?)には「6」のエンブレム付だぜ~
この機械が何を表しているかと言えば
産業革命以降の工業化における生産性の化け物=工場機械です。
人間の道具であった機械や技術が、
その爆発的な生産性から「人間を使う」立場に。
機械を動かすために、機械の生産性を守るために
「人間の労働力が消費さてる」社会へ。
人間の汗だけではなく
人間の血、更には人間の命をも喰らっていく資本主義社会の象徴
それがマングラー。
機械を人間の命をも喰らう冷酷な悪魔にし、
その悪魔と血の契約をして富を得る資本家と権力者…
彼らは悪魔の力の恩恵を得るために自分の体の一部を
機械に喰わせている(捧げている)
たぶん、魂を悪魔に売った証であり表現(--;)怖い
登場人物キャラがエグイ!
クセの強い欲の塊の経営者ガートリーを演じるのは
エルム街の悪夢のフレディなのだ!
スーツにクセ強眼鏡+両足金属で杖をついて
工場に降臨する姿…充分化け物!
でもどこか映画解説者の淀川さんにも似てたなぁ
他にもジョンは「羊たちの沈黙」の殺人鬼だし
女優たちもマングラーに指を喰われてからの表情の邪悪さヤバい。
アウシュビッツに似ている洗濯工場
ブルーリボン洗濯工場の入り口ゲートの看板が…
私が先日見たBBCのドキュメンタリー「アウシュビッツ」で見た
雰囲気に似ているのです。
看板も建物も…
工場の外観なんて、煙突にけむり、窓がほぼない外壁
そのままガス室+焼却場のようでした。。
行き過ぎた資本主義が
人間を悪魔に、国を戦争に導くという警告だったのでしょうか?
冨と権力持つ者たちから腐っていく社会
安全よりも、人命よりも会社の利益優先
その結果何が起きているのか
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メキシコ湾原油流出事故の実話
「資本主義は輸入した野菜と同じ…すぐに腐る」
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この意味がわかる、実話
社会の腐敗はどこからはじまるのでしょうか?
貧しい人たちが野蛮になっていくの?
富める人達は人格者かの?
じゃあ、富める人と貧しい人がいるのはなぜでしょうか?
そんな疑問に直球で答えをくれている映画です。
激辛の社会風刺なのか社会への警告なのか?
決めるのはあなたしだいです。
では、また~☆