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【独女見聞録】「聖者たちの食卓」インドのシク教600年の思い~毎日10万食の無料提供される黄金寺院

お題「行きたい場所」

聖者たちの食卓

立派な思い・立派な演説よりも

「実際に行動による理想の実現」がどれほどすごいか知る。

これは実際にインドのシク教寺院で毎日10万食が巡教者や旅行客にふるまわれている

そのリアルをカメラに収めたドキュメンタリーです。

 

 

インドにはまだ実際にいったことはない私ですが

日本のテレビ番組で観るインドのイメージとは

また違う姿がそこにはありました。

 

 

 

はじめに「聖者たちの食卓」というタイトルと

「黄金寺院で毎日無料で提供される10万食分の食事」

という案内文を読んだ時

ぼんやりと「ヒンドゥー教から派生した宗派的なものなのかな?」

とイメージしていました。

 

無知な私をお許しください。

シク教の教えは独立したもので、

特に支配的・洗脳的・政治的な宗教とは真逆のもののようです。

 

何がすごいかというと

「毎日10万食の食事を無料提供」しているという現実と

理想を語り、心に寄り添う宗教や宗教家は多いですが

実際に教えを形にして600年以上も続けているというコトです。

 

この10万食の食事がつくられるまでも

驚きがいっぱいでした。

インドの一面を知るのにおすすめのドキュメンタリーです。

 

 

ナレーションも音楽もインタビューもない生のドキュメンタリー

 

ナレーションも感情を仰るような音楽も

当事者・関係者へのインタビューも一切ありません。

 

ただただ10万食に関わる人々の姿を

だまってカメラが映し出し続けます。

音は寺院に響く人々の動作音だけ。

 

最初と最後に黒バックに白文字のテロップで

ホントに少しの説明があるだけ。

 

でも画面に映る人々を見ていて

毎日10万食の食事がどう創られ提供されているか

をしっかりと教えてくれます。

 

「施し」の食事ではなく「家族」の食事

 

私がまずビックリしたのは

その食事に関わる食材や燃料・材料などが

もの凄い量で寺院に運ばれてきて

倉庫いっぱいにあることです。

 

私が想像していた無料の食事提供は

「炊き出し」のイメージだったんです。

キリスト教会の人が食事をつくって

公園などで配っているやつの

大規模バージョンを思い描いていました。

 

ところが実際は

黄金寺院に集まる多くの人々が

無償労働(セーワー)により

つくられ、提供されていたのです。

 

もっとわかりやすく言うと

つくる人達と食べる人達を分けるモノは何もないのです。

毎日ふるまわれる10万食をつくる人達は

その時に無償で労働を提供できる一般の人たちなのです。

だから組織だって持ち場が決まって、

司令塔のような人が統率しているわけではないんですよ。

 

しいて言えば「常連」らしき人達が

各作業・作業場を繋いでいました。

 

  • 食材を運ぶ人
  • 食材の皮をむく人
  • 食材を切る人
  • 切った食材を集め調理場に運ぶ人
  • でっかい鍋で調理する人
  • パンの生地をこねる人
  • パンを生地をのばす人
  • パンを焼く人
  • パンを運ぶ人
  • 無料食堂で給仕する人
  • 無料食堂を掃除する人
  • 食器を配り、回収する人
  • 食器を洗う人
  • 水をくむ人

などなどそれぞれに別れた作業場で

みんなが自分にできることを黙々とやっていました。

 

老若男女みんなで。

しかも、ほぼすべてが手作業なんです!

 

この驚き伝わってますかね?

ぜーんぶ人力・手作業なんですよ、

10万食分作るのも

食器を洗ってかたずけるのも

ぜーんぶ!

 

機械化されてる部分が1つもないの。

調理器具はでっかい鍋とでっかいコンロだけ。

あとはもちろん人力・マンパワーっすよ。

 

10万食を提供するために

10万人が無償労働してくれているのさ。

※アナウンスもナレーションもないので

正確な無償労働者人数はわかりませんけど

 

「家族」の食事って言ったのはね、

みんなでつくってみんなで食べているのもあるんだけど

カメラに気が付くと

はじめはじーっと見つめてくるんだけど

その後微笑みが漏れるんですよ、みんな(^^)

 

この場がどんな場であるのかよくわかる気がします。

 

シク教黄金寺院の無料食堂書かれている教えの数々

映像に映し出された

寺院の天上の梁部分に書かれていた教えを紹介します。

 

寺院(めっちゃ広い)の中でも「無料食堂」へ行く道中に

目にするモノだと思います。

 

  1. 現世の無私の奉仕が天国での栄光を約束する
  2. 神は農場、神は農民、神は穀物を育て、粉にひく
  3. 神は食事を作り、皿に盛る、そして自らも食べる

 

食への感謝と生産者への敬意に溢れている(;;)

 

この黄金寺院がホントに凄いんですよ。

広大な土地に宮殿のような金色と白の建物。

印象的なのは水が豊富にあること。

 

寺院中央は大きな池だし

水道からもじゃんじゃん水が出てくる。

 

この寺院は非常に掃除が行き届いていて驚きました。

みんながこまめにピカピカに掃除するのです。

10万食をつくるだけでも調理場は火をおろす暇ないんじゃないか?

と思っちゃうんですが

ちゃんと使った鍋をキレイに丁寧に洗って

乾かし、また翌日に使ってました。

 

シク教シク教徒について

調理や給仕や片づけには多くの無償労働者に支えられているのは

わかったのですが、気になるのは「材料費」です。

 

それはどこからお金が出てるんだ??

と思って「政治的な癒着」や「権力者や富裕層の戦略的社会貢献」を

疑いながらも気になって調べてみた。

 

シク教シーク教)とは

世界で5番目に信者が多い宗教で世界に約2400万人の信者がいる。

ヒンドゥー教が圧倒的に多いインドにおいては2%の少数派ですが

裕福で教養ある層に信者が多いようです。

 

シク教の教え】

「真の宗教は儀式や形式と言った表面的なものへの執着を超えたところにある」

宗教家や聖書解説者によってつくられた

支配的・政治的・洗脳的な二次宗教から離脱し

本来の教え(経典)に立ちかえるべき

というもの。

 

ちょっと震えたんですけど・・・

16世紀からこの主張をしてきたその信念の強さ!

 

シク教徒たちの特徴

シク教独立時から裕福で教養がある

教育水準の高い層が多かった。

 

そのためイギリス統治時代は

官吏や軍人として多く登用された。

インド人のイメージとしてターバンが広まったのも

シク教徒が海外で活躍したためだと思われる。

シク教徒の男性はひげを伸ばし頭にターバンを巻く習慣がある。

 

今でもインドではヒンドゥー教に比べ

少数派だが富裕層が多く社会的に活躍する人が多い。

だから彼らの寄付や援助も毎日無料で提供される10万食を支えているんでしょう。

 

600年前に無料食堂をはじめた導師たちの思いが種となり大樹に

何がすごいかっていうと

この無料食堂のはじまりが約600年も前からだというコトと

昔のインドは、より階級(カースト)制の支配が強かったはずで

その中でこの活動が行なわれ続けてきたこと。

 

ドキュメンタリーの最後に出てくるテロップより

インドの黄金寺院で施される1日10万人分の食事を

人々の無償労働が支えている。

 

導師たちが無料食堂(ランガル)をはじめた

600年前には階級・性別・宗教が違えば

食事の場を共有することも

同じ鍋のものを食べることもありえなかった。

 

人が生まれも階級も気にすることなく

簡単な食事を

共に用意し、共に食べる尊い光景は

今もなお、ここでしか見ることができない。

 

 

すごくないですか?

600年前の導師の行動が

その想いを継ぐ多くの人によって

今では1日10万人が家族のように食事するまでになったんですよ。

 

階級も性別も宗教も違う10万人の人が

共に食堂で床に座り一緒に同じ食事を食べてるんですよ。

(※もちろん1度に10万人ではなく1日何度も入れ替え制だよ)

 

立派な思想や

夢のような理想を

大きな声で演説したり

説教する人って多いじゃないですか?

〇〇家と呼ばれる人に多いよね。

 

でも実際に「実現にむけ行動」をし続ける人、

そして多くの人を動かし、物理的にも大きな変化をもたらす人

すごくないですか!?

 

ここに感動しました。

 

おまけ:どんな食事が提供されているのか?

冷凍5インチイエローコーントルティーヤ 24枚入

パンと私がいってたのは

こんなトルティーヤみたいな薄く丸いパンです。

おせんべいのように焼いてたので

もっと焦げ目がついて香ばしい感じでしたよ。

 

このパンがなんと!

ひとり1枚ではなく、手をあげるとおかわりできるんです。

10万枚以上必要やないかーいっ

 

 

【お皿を変えれば料理の味も変わります】カレーの味を格段に引き立てる 本場インドのカレー皿【ステンレス製】ランチプレート

こういったお皿(けっこう大きい)に

おかずが3~4種配られます。

いずれもスープやペースト状です(^^)

 

カレーなのかな??

でも大勢の人に配るなら一番いいよね。

 

食材としては

玉ねぎ・ニンニク・ジャガイモはめっちゃ大量に準備されてたよ。

 

火はプロパンガス(ガス缶)と薪を使っていました。

 

私もいつかインドのシク教総本山のハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)

行ってみたいです!

そして食事をいただいてみたいです。

旅行客にもふるまってくれるらしい。

その時は私も何か調理側のお手伝いしなくては。

 

涙を拭きながら

ずっと玉ねぎ切ってる人も多かった(;;)

 

では、また~☆

 

 

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