写真家セバスチャン・サルガドの活動を追うドキュメンタリー映画を見て
今まで目を向けてこなかった世界を覗いた無知BBA私です。
セバスチャン・サルガドの視線で一緒に世界を知る旅へ
こちらのドキュメンタリー映画を見ながら
いっしょにセバスチャン・サルガドが見た世界の旅へまいりましょう。
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グルメや娯楽、バカンスの旅ではない
「世界を知る」旅へ
「ブラジル」1981~1983年 の作品
次男の誕生もあり
セバスチャン・サルガドの中で
10年前に離れた「故郷ブラジル」への想いが強くなる。
「もっとブラジルを知りたい」という思いから
この『ブラジル』という作品集が撮影された。
彼の故郷の街は土地が乾燥し
子供の頃にあった緑の森林は消えていた。
ブラジルの北東部、砂漠の端の乾燥した街で
彼が見た「そこで暮らす人びと」の姿とは。
洗礼を受けていない子供の棺
ブラジル北東部
ここでは「乳幼児の死亡率がとても高い」
セバスチャンが出会った葬列も
小さな棺の乳幼児の遺体を運んでいた。
棺の中の洗礼前の乳幼児の遺体を彼は撮影している。
小さな棺の中で
たくさんの花に囲まれておさめられている乳幼児の遺体は
その目をしっかりと開けているのだ…
これには深い意味がある。
“洗礼を受けていない子どもは天国に行けない”
とされていて、洗礼前の子供が亡くなると
“天国と地獄の間 古聖所(リンポ)へ行く”
と信じられていた。
だから、洗礼を受けた子の遺体は目を閉じているが
洗礼を受けていない子の遺体は棺の中で目をしっかり開けているのだ。
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あの世に行ってから迷わないように…
「自分で道を見つける為に」
あんな無垢な存在が天国に行けないなんて…
より天国に近い存在に見えるのに。。
信仰とは本当に不思議である(--)
農民たちの“土地なし農民運動”
ブラジルでは
- 土地改革
- 不平等な所得分配
- 差別
- メディア独占
などにより、貧困層の土地所有が困難となっている。
加えて、北東部の土地は乾燥し、たびたび干ばつに襲われ
農民たちは色々なものと闘わねばならなかった。
でも人々は確固たる道徳観と肉体的な力を備えていた。
貧しく、か細く、栄養が足りない…。
彼らは状況の改善を求め立ち上がった。
その時の農民たちの様子をセバスチャン・サルガドのカメラが捉えている。
「土地なし農民運動」は大きな社会運動となっていく。
干ばつという自然・環境の脅威と戦いながら
社会・政治的な環境とも闘う人々の強さ…見習いたい…。
圧倒的に無理と思える状況でも
小さな改革の火を起こすことで
それがいずれは大きな改革の炎に燃え上がっていく
そこに「人間」のもつ壮大な力があるのかもしれない。
乾燥した土地に生きるということ
干ばつと闘うということ
その凄まじい過酷さをセバスチャン・サルガドが撮影した写真は教えてくれます。
次回は「サヘル~道の終わり」の旅へご案内いたします。
では、また~☆