腐敗した街や社会を変えるのに「ひとりでは何もできない」という想念が
「あれ、あれ、もしかして…」って揺らぎ始める映画です。
実在の保安官ビュフォード・パッサーの物語を基にして
創られた「故郷の街の腐敗にひとりで立ち向かった男」の話。
◆映画:ワイルド・タウン~あらすじ
注:実在の保安官ビュフォード・パッサーがモデルですが
彼の半生そのものを忠実に描いているわけではないよ!
街の腐敗にひとり立ち向かった保安官って部分は一緒
軍の英雄クリス・ヴォーンは8年ぶりに故郷の街に帰ってきた。
山間の静かな田舎町で製材業で栄えた かつての街の姿は一変していた。
街の主産業である製材工場の息子でヴォーンの旧友ジェイが
カジノ、ドラッグ、風俗店経営で成り上がり
街を金と暴力で牛耳っていた…
ジェイのカジノを級友たちと訪れたヴォーンは
このカジノが「イカサマ」営業をしており
さらに若者たちをドラッグ漬けにしている悪の巣だと知り怒り心頭!
店で乱闘になり、ジェイの部下たちに腹を何度も切り裂かれ
瀕死の状態に追い込まれ、なんとか病院で一命を取り留める。
回復後、警察にジェイの悪事を訴えにいくも
街の警察もジェイの配下にあることを知る。
ここまで街が腐っているなら、「俺がこの街を何とかする!」
保安官となったヴォーンは角材片手に世直しをはじめる。
※以下、ネタバレ有の感想となります
◆ひとりで立ち上がったが親友が側に!
街の腐敗をなあなあで眺め、
カジノでも何でも街が潤ってればいいじゃないか…という大勢の町人たち
殆どの人がジェイの悪事からは目を逸らし「仕方がない」と容認している。
経済的・肉体的暴力が怖いからね。
この腐敗しきった街を立て直すために
「ひとりで立ち上がったヴォーン」には
信頼できる幼少期からの親友がおり、相棒となり
一緒に戦ってくれたんです。
ここ重要なポイントだよね!
はっきりいって「頼りない相棒」に見えた。
堕落から必死に更生しようとしているが
どこか不安定に見えたし、真っ白正義マンではない男なのだ。
しかし、違った。
ヴォーンに対する信頼と忠誠心ってか「絆」がとてもでっかいのだ。
私にこんなにここまでの信頼と覚悟を共にする人はいない…残念無念(;;)
ヴォーンはイイ相棒・親友がいたからこそ
街を立て直せたと云っても過言ではないね。
◆実話:人の信念の偉大な力に驚く
例えば社会や国がよくない方向に進んでいると気づいても、
政治や国家権力、組織の腐敗に気がついても、
「私がここを何とかする!」とひとりで立ち上がり行動できる人は少ない。
街や社会の腐敗に対して「私ひとりの力」をそこまで自分が信じられないのだ。
「私一人の力ではどうにもできない」と沈みゆく船にのり呆然としている人がほとんどではないだろうか?
単なる勧善懲悪のドラマならば、きれい事の非現実と納得後に受け流しちゃいますが
なんとこの映画のヴォーンのように
ひとりで街の膿に立ち向かった実在の保安官がいるのです。
となると、「ひとりの信念の偉大な力」に驚かされまくる内容なのです。
サルガドの映画観た時くらい「人の信念の偉大な力」を感じました。
私も自分の信念と向き合ってみたいと思います。