過去の後悔に囚われて生きるのと
今目の前にある現実を見つめ「できること」をやりきるのと
こんなにも生命力に差がでてくるのかぁ…と感じさせられた作品です。
◆映画 SAFE セイフ~あらすじ
元ニューヨーク市警の特別部隊リーダーで
現在はマイナー総合格闘家として
イカサマに加担するルーク(ジェイソン・ステイサム)
あるイカサマ試合で思わず相手に一発決めてしまい
勝利してしまったことで
ロシアンマフィアに大損させてしまい
彼らの怒りをかうことになってしまう。
急ぎ自宅に帰ったルークが見たのは
自宅に踏み込んでいたマフィアたちと
蜂の巣にされた妻の姿だった…
妻の死のショックから
マフィアに殺されることを覚悟したルークだったが
妻を殺した襲撃犯のリーダー(ボスの息子)の気が変わり、
敢えてルークを生かし、「これからお前と関わる人をすべて殺していく」といい立ち去る。
妻の死により生きる気力を無くしたルークは
地下鉄のホームから身を投げ自殺しようとするまでに追い詰められるが
その地下鉄で、妻を殺した組織に追われる中国人少女メイと出会い
「彼女を救う」ことを決意し立ち上がる。
こうして一人の男と少女の
とんでもない逃亡劇がはじまった。
金に汚れ汚職汚染が広がる敵だらけの街で
ルークは少女を守りきれるのか?!
※以下、ネタバレ含む 見どころや感想となります
見どころ①金と暴力、権力で汚れきった街で
もう救いようがないくらい
警察も政治家も金の力により汚れきっている街なのです。
ってか、この街がこの状態なら
世界中の街が金と暴力と汚れた権力に支配されているだろう…
そんな現実社会への嫌な予感を見せてくる(皆既に知ってたけど)
まー表向きは「正義と悪」の関係にある2つの組織が
実は金を介してお互いに相手の力を利用し合い共存関係にあるって
話しは昔から囁かれていますもんね。
んで、ルークはこの汚れきった街で
中国マフィアとロシアマフィアと金で汚れた警察の
3つの組織を敵に戦いまくるのです。
その戦術はなかなかに見事なのです。
たった一人で巨大な3つの組織を倒すとなると
戦術が大事になってきますよね。
見どころ②救えなかった命と目の前の救える命
これは「生き方」に気付きを与えてくれます。
自分のせいで妻を死なせてしまったルークは
その後悔と懺悔の念に心が捉えられ、
「今」に在っても彼の心と意識は常に「過去」にある状態。
過去の後悔と自責の念に囚われている内に
どんどん生きる気力をなくしていき
遂には死を選択してしまうのです。
でもルークを見ていると「生きる意味」がもうないって気持ち
わかってきちゃうんですよね。
過去は変えられないし、妻は戻らないし、
これから生きてても自分に関わる人はマフィアに殺されていくだけだし…
ルークの絶望って見る人の心の奥をザワッと撫でてくるのです。
そんな彼がひとりの少女と出会い生きる気力を取り戻すのです。
救えなかった命の分も「今」目の前にある救える命を何としても救う!
そう決めた後の彼は生気がみなぎるのです。
人間は「やる」「成し遂げる」と決めたら力が湧く存在なのかも。
「今」に身も心も意識も照準が合うと、こんなにも強くなるのか!って。
イマイマに生きる、という事のヒントを得た感じです。
見どころ③ビッグバンセオリーのあのおじさん!
ビッグバンセオリーのシェルドン達行きつけの「中華レストラン」
あのおじさんが登場します!
ここで心が湧いた私です。
おじさんの俳優としての活躍に胸アツです。
見どころ④弱さと強さのゆらぎ
金も権力も暴力も関係なく
実は最後に勝負を決めるのは「その人の芯の強さ」です。
そういう面では、この映画の中でも
一番弱い存在に見えて 実は常に冷静で状況をよく見ていた人物が
最後の勝負を決めます。しかも一撃で(^^;
信念の強さと、自分の判断で目の前の真実を見極め
行動を決断できる人が最後は勝つというのが
この世界のシンプルな法則なのかもしれません。
まー彼女は天才的な頭脳持ってたけどもね。
それが不幸を招き、最後に強運も招くことに。
弱さも強さも、不幸も幸運も
同時に「今」「私」に存在しているのかも。