肉体も精神もボロボロで不安と恐怖に襲われつつも
「薬」の力でなんとかくり返しの日常を生きる姿なのか…
気になる作品に出会った。
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19分と短いけど、「永遠に続く」感じ残す短編映画です。
映画Chain~あらすじ
長い廊下を通って9番の部屋へ
物音に反応して男が顔を出す…
そして男は9番の部屋を出て
「何か」を感じ、その異変に向かって歩き出す。
ところが、男を取り囲む空間が
「異様な変化」を見せ始め
彼の視界の奥には「モンスター」が現れる
必死にモンスターから逃げる彼だが…
※とにかく見て感じる作品です
セリフも説明も何もない、画面の中に放りこまれる19分
音と映像と役者さんの表情だけ
しかも描き出している空間は基本「廊下」だけ
というすべてが閉鎖的な映像の19分間の世界
とても抽象的なので
見る人によって解釈が変わるだろう作品です。
ということで、
私なりの解釈を書き綴っていこうと思います。
私の解釈:壊れながらくり返しの日々を生きる現代人
私なりに気になったポイント
- 段々と荒廃していく廊下
- 壁から伸びてくる棘
- 仕掛けられている罠
- 崩れ落ちる天上
- 襲ってくるモンスター
- 急に閉まる扉たち(9番・31番・24番)
- 覗き穴の向こうに見た青白い廊下の「もうひとりの自分」
- 取れたドアノブと精神薬
- 9番の部屋から出た彼と廊下を彷徨う彼の服の違い
以上のことから
「精神薬」によって何とか日々を生きる人を
彼の精神側から見てる世界なのかな?って
はじめは思っていたんです。
31番のドアは1か月31日目をさしていて
9番のドアは病院での診察&薬処方日をさしているのかなって。
モンスターは薬漬けになった彼が変わり果てた姿なのかなと。
でも、たぶん「あの精神薬」もメタファーなんだろうと思った時
『あ~、これ現代社会を壊れながらもがきながら生きる我々のことかぁ』
って見えてきたんですよね(--;)
肉体も精神も壊しながら、「何か」に依存しながら
なんとか生きてる現代人を俯瞰で見るとこんな感じになるのかなぁ。
薬、酒、たばこ、恋人、友人、家族、社会、
みんな何かに「依存」しながら必死に生きてますからね。
不安や恐怖を感じ、逃げ惑いながら。
でも、作者・監督の思いは全く別なのかもしれません。
(見る人の解釈で、ご自由にって作品だと思ている)
たくさんの鍵を持つ男
印象的だったのは「彼」が鍵をたくさん持っていたこと。
心の部屋の数だけ鍵もあるってことなか?
光のチラつき(点滅)の中、
目をつぶると別空間になるって表現…よく見るので
やはりそこが異空間へのゲートなのか?
この作品の解釈のヒントはたぶんこのポスタービジュアルだよね
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私たちも、たくさんの鍵を持っているのだろうか?
心の中にもいくつも部屋があって施錠が必要なのかぁ
息苦しい(;;)
あなたは何を思いましたか?