ドラマ版の「イ・サン」とまた雰囲気の違ったイ・サンの映画でした。
第22代王となって間もないイ・サンの暗殺計画「丁酉逆変」をモチーフに
王の暗殺までの24時間を追った作品…「24」みたい
生まれた時から
周囲が敵ばかり…
しかも命を狙ってくる敵に囲まれて育ったイ・サン…
彼の孤独と父の無念を晴らしたい執念が伝わってくる
でも、映画の終わりには
彼の心にある信念が別の方向へ向けられていきます。
ドラマ版観た方には配役込でビックリするかも?
- 「王の涙 イ・サンの決断」あらすじ
- BBAの感想①空気が重く暗い世界が続く
- BBAの感想②唯一信じた友が敵側のスパイだった絶望
- BBAの感想③腐った世界で腐らず生きる方法
- BBAの感想④人生は「苦脳の中で何を選択するか」で決まる
「王の涙 イ・サンの決断」あらすじ
政治的陰謀により、幼い時に父を亡くしたイ・サン
祖父である先王亡きあと25才の若さで王位につく
生まれた時から熾烈な権力争いや陰謀の中で育ったイ・サン
王になっても周囲は権力を狙う敵ばかり…
朝廷を牛耳る先代王妃:貞純王后と老論派による
王イ・サン暗殺計画が実行される
この王暗殺計画実行の1日24時間で
イ・サンは心が砕けるような事実を知ることになる。
唯一信じていた宦官・尚冊カプスの正体…そして過去
熾烈な権力争いの中で
父を失い、唯一の友を失ったイ・サンは
今までの信念を抱え、新たな方向へ向かって王道を進んでいく。
BBAの感想①空気が重く暗い世界が続く
韓国ドラマ特有の「ラブ浪漫」は一切なしです。
ずーっと王であるイ・サンをはじめとして
権力争いで虐げられた人々の苦悶が描かれ続けます…
ずっと曇天で薄暗い朝廷や
貧しい子どもたちが闇組織により刺客として育成されていく様子
幼い子ども駒として利用され
毒を渡され幼い心は張り裂けそうに…
イ・サンが王になって1年ということですが
画面に映る王はずっと白服か黒の上着なんです(;;)
たぶん喪に服しているんでしょうけど
王の華やかな衣装姿は一切出てきません。
BBAの感想②唯一信じた友が敵側のスパイだった絶望
イ・サンが唯一信じていた存在
幼いころから側にいた宦官の尚冊カプス
朝廷の中で唯一心を許せる友だった彼が敵側のスパイだと知った時の絶望
これ、とんでもなくダメージでかい事ですよね。
ここで心が完全に砕けてもおかしくない…
幼いころから周囲が敵ばかりで
自分の命を狙ってくる環境、すなわち生き地獄
その中で唯一の心の拠り所が「嘘」だったとか
酷過ぎる(;;)
でも、イ・サンの心が砕けなかったのには
やはり友と信じていたカプスの言葉と行動があったのです。
BBAの感想③腐った世界で腐らず生きる方法
あれだけの腐敗した環境の中にあって
壮絶な経験をしたイ・サンがその心を腐らずに
国の立て直しに王道を進んでいくことができたのは
この言葉が胸にあったからだという。
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中庸の23章
「小さなことを軽んじず、至誠を尽くせ、小さなことに至誠を尽くせば誠となる。
世の中で至誠を尽くす者のみが己と世を変えることができる」
小さなヒビが大崩壊を引き起こすのと逆で
小さな誠の積み重ねが多くの人々の心に影響を与え、動かし、
大きな流れを生むようです。
己を変えるためにも「小さなことにも至誠を尽くせ」を
私も心に刻んでおこうφ(..)メモメモ。
BBAの感想④人生は「苦脳の中で何を選択するか」で決まる
イ・サンやカプスの生き様を見て思った。
人生って選択肢が無いように思われる窮地や苦悩の中でも、
それでも「何を選択するか」で決まるようだ。
カプスは不遇な生まれや
闇組織の中で生きる掟の中で
それでも最後は自分の判断で王や友を守った、命がけで。
誰かの為に命を投げ出すことを美しいとする気はないけど、
まずは生物本能的に「自分が生き延びる」ことを最優先に生きて正解として
そこから更に仁義・至誠を尽くすことを選択で来たら
それでもう人間としての修行完了レベルで凄いことだと思う。
まずは「生きる」ことを最優先に、苦悩の中でも
小さな誠を尽くせたら、自分を誇りに思って生きていっていいよね。
人生って「何者になるか」で決まるものではなく
「何者かになろうとして歩む」そのプロセスの方が本体なんだって。
人生の幸福もプロセスの方にあるんだってよ。
では、また~☆