プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【映画部】プリズナーズ~考察:彼らは何に囚われていたのか? 聖なる鹿殺しからはじまる迷路

プリズナーズ(字幕版)

「目の前に事実があるのに」誰一人それが見えていない、

気が付かない…彼らはみな囚われている、何に?

聖なる鹿殺しからはじまる牢獄迷宮

 

 

愛という感情が持つ温かさと狂気の二面性

信仰…深く信じていたからこそ、裏切られたら反転するもの

人が語る真実には耳を傾けず、

疑心暗鬼でどんどん自分の世界に入って迷い込んでいく人々

信仰・正義・愛・救い…いろいろなことが複雑に入り組んだ作品

 

プリズナーズ(字幕版)

プリズナーズ(字幕版)

  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

映画 プリズナーズ~あらすじ

ペンシルベニア州の田舎町に住む

ケラー・ドーヴァーは小さな工務店を経営しながら

妻と息子、娘と平和に暮らしていた。

 

感謝祭の日、近所のバーチ家で

2家族一緒にみんなで祝うことに。

そのためケラーは朝から息子と一緒に

ディナー用の鹿肉をえる為鹿狩りへ。

 

仕留めた鹿の肉をお土産に

バーチ家へ向かったケラー一家。

両家ともに子供達も年齢が近く、

特にケラーの6歳の娘アンナとバーチ家の7歳の娘ジョイは大の仲良し。

 

感謝祭のパーティーでみんないい気分で過ごす中

アンナが「赤いホイッスル」を探しに

ジョイと一緒に近所の自宅に向かったのだが

しばらくたっても戻ってこない。

 

なんと忽然と姿を消してしまったのだ。

慌てて探す両家族だが、どこにも二人の姿は無かった。

2人が姿を消す前に二人の兄と姉同伴で

近所を散歩した時に

この近所では見慣れないRV車が停まっており

アンナとジョイが勝手に車にのぼろうとして注意したことを

アンナの兄ラルフが父に話す。

 

警察に捜索願いを出し、

怪しいRV車のことも伝え2人の帰りを待つ家族たち。

 

しばらくして、あのRV車が見つかり

運転していた男が確保され警察で詳しく取り調べがなされるが

車に怪しい痕跡はなく、運転手アレックスは10才程度の知能しかなく

まともな証言も証拠をつかむこともできず釈放に。

 

RV車の男の犯行を疑うケラーは

警察署前で釈放されるアレックスを待ち伏せ

掴みかかり詰め寄る。

 

その時、アレックスがケラーに向かって

ある言葉を漏らした…

この言葉を聞いて、ケラーはアレックスが

娘たちを誘拐した犯人だと確信する。

 

伯母と暮らす青年アレックスを監視しながら

ケラーは犬の散歩に出てきた彼を

拉致・監禁し「娘の居場所」をはかせることに…

 

警察は頼りにならない、

娘のためなら何でもやる、

娘は「どうしてパパが助けに来ないのか」泣きながら待っている、

1日過ぎる毎に生存率がどんどん下がっていく…早くしなければ

そう考え追い詰められたケラーは娘の為に鬼と化していく

 

ふたりの少女の失踪事件を担当するロキ刑事は

ケラーの圧にうんざりしながらも

「少女を必ず見つけ出す」と捜査に熱を入れていく。

 

事件につながる点に触れながらも

お互いにその情報を共有することなく

すれ違いながら迷路の中を進んでいくケラーとロキ。

 

娘を愛する父と少女救出に必死な刑事が

愛と正義を背負い入っていった事件の迷路の中で

罪をおかし、大きな犠牲を払いながら

迷路の中心部にある真相にたどり着く。

 

だが、迷路から出ることができなくなり…

 

「聖なる鹿殺し」からはじまる感謝祭の悲劇

「聖なる鹿殺し」を連想させるその後の展開

女神の鹿を殺してしまったことで、娘が生贄に…

 

聖なる鹿殺しから

彼らは「囚われの迷路」に迷い込んでしまうのです。

 

  • 鹿殺し
  • 感謝祭
  • 拘束・暴力・血
  • 閉じ込められた空間
  • 被害者と犯罪者
  • 少女
  • 毒蛇
  • 神父
  • 懺悔
  • 迷路
  • 神への祈り

いろいろと気になる要素が一杯でてきます。

注目すべきは「無垢な子供」と「信仰心の熱い大人」

しかこの迷路に迷い込んでいない事。

 

すべてのモノが表裏一体となっており

登場人物がみな、はじめに見せた顔から隠された顔を見せてきます。

 

彼らが囚われていた「自分の思い込みの世界」

犯人はじめ、すべての人が「自分の思い込みの世界」に囚われて

どんどん迷路に迷い込んでいく。

 

実は目の前に何度も事実が開示されていたのに…

神父の告白に耳を貸さないロキ、

あの時神父が云っていた内容をよく調査していれば…

アンナの母が薬を多用していると見て

彼女の言葉に耳を貸さなかったロキ、

あの時窓の外に男がアンナの靴下を落としていたのに…

 

アレックスを犯人と決め付け、

アレックスに拷問を続け死の手前まで追い込むケラー

「10才の知能なら共犯者が要るはずだ」と真っ先に

警察に訴えていたのに…

目の前に「不自然な光景」があったのに…

 

だれもが自分で「決めつけ」それ以外の事実は認めないし

受け入れない状態に陥り、どんどんその傾向を強めていく

 

囚われた娘は近くにいたのに、

目の前に大事な事実を告げている者がいるのに、

誰も気づくことができない。

 

迷路の中で皆が罪をおかしていく

迷路の中で

娘を愛する父、幼い少女を助けようとする刑事

この「善き人」2人が罪をおかしていきます。

 

この迷路の主である犯人も

そもそもは神への信仰心に熱い信者だった。

でも神の裏切りにあい、神への復讐のため

無垢な命を蛇の毒でうばっていくのだ。

 

迷路を解くものが現れた時

その罪に対し裁きが与えられます。

 

迷路に無理やり引き込まれた無垢な子供達にも

それぞれ迷路から脱出の時が。

 

ラストシーン~天使が笛を吹く

危険があったら知らせて助けてくれる「赤い笛」

この笛を信じていた少女の想いが

最後に救いの天使の笛を鳴らせたのかも。

 

ケラーの犯した罪は重い。

二十数年前に誘拐され、毒を飲まされ続け知能を奪われた少年に

今度は酷い拷問の末に瀕死の状態まで追い込んだのだから…

でも、ケラー執念のおかげで彼が実の母の元に戻れたことも確か…

 

あそこから出ても

傷の出血で助かるのかも不明だし

命が助かっても刑務所行きだけど

ケラーが神に必死に願った事が叶ったことを知ることはできたはず。

 

「娘を無事にかえして下さい」

これだけを必死に神に願ってきたケラー

あのまま娘の無事を知らずに朽ちるまで神は残酷ではないようだ。

 

あの笛の力を信じた娘のおかげで

本当にその力を発揮したのかも。

 

BBAの感想:青年の風貌がジェフリー・ダーマー

 

たぶん、わざとだと思いますが

ケラーが誘拐犯と思い込む「アレックス」の風貌が

ジェフリー・ダーマーそっくりなんです!

 ↓

ジェフリー・ダーマー Dahmer

ジェフリー・ダーマー Dahmer

  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: Prime Video
 

 

 あのデカい眼鏡にあの髪型…

それに伯母の犬を虐待するシーンも…

 

ケラーだけでなく、観客も疑ってみてしまうわっ

って思った。

 

わかりやすいちゃーわかりやすいけど…

あの外見の善き人々もいるのにね。

 

怪しい青年像のビジュアルイメージを

固定化せんといて(;;)

 

とにかく「思い込み」に囚われちゃうと

罪の迷路に迷い込んじゃいますからね。

気をつけよっと。

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ
にほんブログ村