プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【映画】ザ・ゴーレム~感想:無垢で凶暴な破壊者と創造の母・導く父(スキャナーズ以上の頭爆発シーン)

 

ザ・ゴーレム(字幕版)

ゴーレムとして創りだされた少年

無垢ゆえに残忍な破壊をとめられないのかも…

母と子、父と子の関係について深く考えさせられる物語です。

 

 

 

ザ・ゴーレム(字幕版)

ザ・ゴーレム(字幕版)

  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

映画ザ・ゴーレム~あらすじ

「我々ユダヤの民の物語では、真実と神話を切り離すことができない」

 

我々の物語はプラハの旧市街から始まる…

迫害されていたユダヤの民は、カバラの秘術で生命の創造に成功した

だが…

”人間が神の真似をする時、闇が覚醒する”

村は秘術で創りだしたゴーレムによって破壊され無となった。

時は流れ、1673年のリトアニア

迫害されたユダヤの民が山奥で小さな村をつくり暮らしていた。

そこには祈りがあり、秩序があり、穏やかな人々の日々があった。

 

7年前に幼い息子を亡くしたハンナは

まだ息子の死を乗り越えられずにいた。

薬草の知識のある村の老婆ペルラから薬をもらい、

新しい子を授かることを拒み続けていた。

 

村の宗教指導者ラビの息子である夫ベンジャミン。

彼は父から「あの事故から7年たった、役目を果たさない女は捨ててもいいんだぞ」と言われるが「ハンナがいる、彼女と共に生きていく」ときっぱり。

それでも、隣の子だくさん一家のにぎやかな様子を見ると複雑な気持ちに。

 

「異教徒の村」とハンナたちが呼ぶ村では疫病により

大くの村人たちがバタバタと亡くなっていた。

 

ハンナの親友の結婚式を村をあげていると

隣の村の男たちがペストマスクを被り乗り込んできた。

隣村の男たちのリーダー・ウラジミールは

「この村のやつらが異教徒を呪っている、疫病はそのせいだ!

 俺の娘の病を治せ、そうでなければ村人を全員殺し村を焼き払う」

と、言いはむかってきた村人を銃殺した。

 

薬草を扱う老婆ペルラが少女の治療を引き受け

村の指導者ラビは村人たちを説得し「祈り」を捧げる。

この状況にハンナは怒りの炎を燃え上がらせていた。

男たちの集会にのりこみ

「今こそカバラの秘術を使って戦うべきだ!」と意見を述べる。

 

ラビは「ゴーレムの力は我々には制御できない、制御できない力は危険だ」と諭すが

ハンナは密かに教会の書物を盗み読み、独学で「ゴーレムを創る秘術」を得る。

 

ハンナが密かに森で行った儀式により

土から生まれた少年型のゴーレムは凄まじい破壊の力を宿していた。

ゴーレムとハンナは感情や肉体的痛みが同調しており

ハンナはゴーレムに亡き息子の成長した姿を重ねみるようになっていく。

 

立ち上がった村の男たちが

隣村の男たちともみ合いになった時

ハンナはゴーレムの力で村を救い、

ウラジミールたちを追いだすことに成功する。

 

ゴーレムのもの凄い力を観た村人たちの中には

「救世主」と崇める者や「怪物」とその力を恐れる者がいた。

 

ベンジャミンは無表情な少年のようなゴーレムに

違和感と恐れを感じつつも

ハンナに促されバイオリンで音楽を聞かせてやるのだった。

ゴーレムもバイオリンの音色と、

ベンジャミンが優しく語ってくれる曲にまつわる話に聞き入っていた。

 

過去にゴーレムで全滅した村を見たペルラは

ハンナの少年ゴーレムを密かに土に返そうとしたのだが…

 

この夜、ハンナの村と隣村に悲しい事件が起こり

今まさに地獄の一夜がやってこようとしていた。

「制御できない破壊の力」を手に入れた人間が払う代償とは…

 

※以下、ネタバレ有の感想・考察いきますっ

 

人造人間ゴーレム~無垢故に凶暴な破壊の力

私が見たところ、ハンナが森の土と炎で創りだしたゴーレムは

とても無垢でハンナに従順な「破壊か沈黙か」しか持たない少年だった。

 

ハンナの心が怒りに振れれば

少年ゴーレムは凄まじい力で破壊を続ける。

ハンナの心が穏やかならだたただ静かに沈黙し側にいる。

 

音楽が好きで、おもちゃの人形が好きな

生まれたての無垢な存在に見えた。

とんでもない破壊力をもっているが

生まれたてで善悪の認識もなく

ハンナと繋がる感情により反射的発動してしまうようだった。

 

ゴーレムはハンナが作ってくれた継ぎはぎだらけの服を着ている。

たぶんフランケンシュタインを連想させるためじゃないかな?

人間が人間を創造する=人造人間…制御できないその力

 

人間側は非常に身勝手で、

自分たちの期待に応えている間は「救世主」と崇め

自分たちに制御できない恐ろしい存在とわかると「怪物」と呼ぶ。

 

ゴーレムは最後まで無垢だったと私は思う。

 

ゴーレムがベンジャミンを襲わなかった理由

ゴーレムはハンナを襲う者や怒りを向ける相手を容赦なく破壊していく。

ハンナが命を吹き込んだため、彼女が創造主であり母なのだ。

 

ハンナと感情や感覚が繋がっているため

ハンナの意識でゴーレムはある程度コントロールされたはいた。

でも魔の一夜で襲われ意識を失ったハンナが目にしたのは

転がるしたいと灰になった村だった。

 

絶望する彼女の前に無傷のベンジャミンが現れた。

ゴーレムはハンナの意識が無い中でもベンジャミンのことは襲わなかったのだ。

 

創造主である母のベンジャミンへの愛の感情に触れていたことと

ベンジャミンが民族の歴史や文化を優しく曲を演奏しながら教えてくれたことが

ゴーレムにとって「彼は我が父」という感情や認識を芽生えさせたのではないか。

だから母と父には破壊の力を向けなかったんだろう、守るべき存在なのだ。

 

胎児が母親とへその緒で繋がっているように

ゴーレムも創造の母ハンナと繋がっていた、

少年の姿で錬成されたことも母ハンナの心の影響が大きいんだろう。

生命の実を与えたるが母で、知恵の実を与えるのは父なのかも!

 

生命の樹」でみる父性と母性

  • 父性→知恵・愛・忍耐の勝利
  • 母性→理解・力(母の威厳=罰を与える力)・威厳

私はこれ「逆じゃないか?」とずっと引っかかってた。

でもこの映画観て、あーほんとだ、と納得できた。

 

スキャナーズ以上の頭爆発シーンが凄い!

ゴーレムが意識を向けると

人間を内側から爆発させることができる。

そのシーンがスキャナーズの「頭ぶっ飛び」シーン以上で凄いです。

 

頭部だけではなく

念じただけで人体をバラバラに引きちぎったりもできる。

 

頭ぶっ飛びシーンでは血管が膨張してくるような描写があったので

体内の細胞の中の原子内の振動数をあげて運動エネルギーを増幅させ

内側からの圧力を急上昇させてるのかぁ??

 

人体を引きりぎるのは、物体を動かす超能力に近く

巨大な透明の手で持ち上げたり、ねじ切ったりしているみたいだったなぁ。

超能力の「モノを浮かせる」力って磁気・電磁波とか関係してるんですかね?

 

役目を果たさない女と「女の役目」

平和な村ですが、無意識的な男尊女卑が凄まじいです。

まず、女は「学んではいけない」と教典を見るのも禁止(むむっ)

村の運営は男性たちの会議できまり、女性は参加できない。

 

この村では、夫の子供を産むことが女性の使命であり、

それが神の意志だと信じられている。

女性は夫と子供の世話をするための存在で

「役目を果たさない女は捨ててもいい」って村の長が平気でいっちゃうんだぜ~

 

こういった考えが長い間広く世界中にあったという現実(重い)

 

BBAの一言:創造と破壊、母と子と父の物語だった

創造は破壊につながり、

破壊の先に「全滅」の無があって

そこまでいってやっと世界は「再生」に向かうらしい(;;)

 

ハンナとベンジャミンと亡き息子ジョゼフ、

ハンナとベンジャミンとゴーレム、

母と父と二人の息子の物語でもあった。

 

どっちも悲しくて、

どっちから見ても「創造→破壊→無」につながってた。

 

儀式というのは誰がやっても同じ狙った結果を生み出すが

その後の「影響」は術者の力量によるのかもしれない。

勉強になったなぁφ(..)メモメモ

 

せつなく、悲しい映画です。

 

 

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