尺八、まさに「身近で遠い存在」そんな楽器な気がします。
時代劇とか、テレビでは目にするけど…生音にふれたことが無い。
山本竹細工屋 ( YAMAMOTOTAKIZAYIKUYA ) 尺八 琴古流 D管高級管 1尺8寸管 真竹(桂竹)
「尺八の音色、知ってる!」って方も多いでしょう。
私の尺八のイメージは虚無僧とかが吹いてる、わびさびのわかる大人の楽器で
その音色は習字の太筆で描いた擦れたはらいの部分って感じです。
陽というよりは「陰」の音という印象なのです。
この尺八の独特な音色に世界の人々が驚愕したって話をご存知でしょうか?
詳しくはこちらの本をどうぞ
尺八の音が世界中の音楽家~音楽ファンを驚かせ、飲み込んだという”伝説の演奏”
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それは1967年 ニューヨークで初演された
琵琶・尺八×オーケストラの楽曲
ここで会場中が 琵琶と尺八の不思議な音がつくる空間にのみこまれたという。
この時の感動を「世界の小澤」こと小澤征爾さんも興奮・感動と共に
インタビューなどで語ってくれているよ。
はじめは琵琶と尺八が奏でる強烈な倍音の響きに
会場は息を飲むように静まり返り、
皆その音に集中し魅了され演奏後は大喝采だったという。
聴衆よりも先にオーケストラの楽員たちが反応
「目玉が飛び出て、耳が3倍くらいになった様な顔で」聴き入っていた、と。
さらに会場でこの演奏を聴いていた世界的な名だたる音楽家や指揮者、作曲家の皆が
尺八と琵琶の音に魅了され、興奮していたと。
バーンスタインもその1人なんやて。
うん、でもな、でもな大事なことは「尺八」というのは
美しい音で人々を楽しませたり感動させるための楽器ではないってこと。
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尺八は誰かに聞かせる為に演奏するのではなく
自分の霊魂を解放し、宇宙的なもの~カム界と一体化する為に用いられる
聖なる道具であり「法器」とされているんだって。
外界から離れ、ひとりで尺八の音の響きに向き合うんでしょう。
虚無僧のこのイメージは外界の遮断スタイルなのか…
尺八を吹くことは「そこに至る為の」修行なんだそうだ。
尺八の造りも時代と共に進化しているようですが
私としては「古管」「地無し管」と呼ばれる古いタイプの尺八が
古代の楽器の思想や工夫に近いので、
こちらの尺八の演奏を生で聴いてみたいと思うております。
江戸時代には「法器」である尺八は
化宗に属する虚無僧しか演奏を許されなかった、らしいよ。
尺八…ノベンバーステップ…興味湧きますな。
(つづく)