もう子役時代の須賀健太君と闇教師役の城田優さんの演技バトルがすげぇ~
城田さんの闇っぷり、サイコっぷり、そして濃密な毛量、全部こえぇ!
おでこが広めの須賀君とおでこ激狭な城田さん…でこっぱち私は須賀君の援軍さ~
原作は乙一さんだそうで…やはり闇を穿るの上手いね
- 映画 死にぞこないの青~あらすじ
- 見どころ①須賀健太vs城田優のデコ俳優バトル!
- 見どころ②マサオの人格を父・博多華丸さんで見事に表現
- 見どころ③世の中のいじめ・攻撃の構造を鋭利に描く
- 考察:死にぞこないの「青」の正体
映画 死にぞこないの青~あらすじ
田舎の小学校に通う気弱な優しい少年マサオ。
新学期になり新しい担任の先生は新任の超イケメンで
さっそく女子から人気に
マサオも爽やか青年の羽田先先が担任になったことを快く思っていた。
ところが…係り決めの際に、思わぬ誤解から羽田先生に嫌われてしまう。
それからというもの、
何かにつけて羽田先生はマサオをクラスで叱りつけるようになる。
担任のマサオ攻撃はいつしかクラスを巻き込んでの
「マサオいじめ」へと発展していく…
モノを隠されたり、意地悪されたり、クスクス笑い者にされたり
そんな理不尽な学校生活の中で
マサオにだけ見える傷だらけの少女「青」が現れる。
青はマサオの死んだ姉に似ているが
その体は青色で全身傷だらけ、片目は腫れつぶれ、裂かれた口は縫い付けられている。
さらに青の両手は衣で拘束されていた。。
いじめは日に日に酷くなり、マサオは孤立、
更に担任からは「僕は悪い子です、生きる価値はありません」と復唱を強要され
だんだんと心が限界に向かっていく。
その日の帰りに鉄橋から下を覗くマサオに青が語りかけてくる。
「俺はお前だ、我慢しないで戦え!」と。
いじめられ心が限界に達すると
青がのりうつり反撃するようになったマサオ
この状況を変える為、先生と闘うことを決意する。
羽田先生の家を調べ、忍び込んだマサオにとんでもないことが起きる!
※以下、ネタバレ有の感想・考察になります
見どころ①須賀健太vs城田優のデコ俳優バトル!
たぶんエクソシストのメーガンくらい
子役が演じて精神的に喰われて闇堕ちしてしまいそうな役を
めちゃくちゃリアルに演じている…須賀健太恐るべし!
更に、闇教師役の城田優さんのサイコっぷりが
「本物⁉」と錯覚してしまうリアルな表情ばかりなのだ。
イケメンであの冷たい表情があそこまで似合うつーか、自然なのまじ怖えぇ
私の個人的な目線ですが
おでこ広い代表の須賀健太vsおでこ極狭+過密毛量の城田優さんの闘いでもある。
私はもちろん、でこ広民として須賀君を応援したぞ☆
見どころ②マサオの人格を父・博多華丸さんで見事に表現
マサオvs担任・羽田先生 を描く時
その家庭環境がつくった「人格」が重要で
まさに対比関係になっているんですが
その重要部分を「マサオと父の数分の会話」だけで見せているのです!
マサオの優しさや穏やかさ、それにまっすぐさを
父役の華丸さんとの短い会話で
「あ~この両親、家庭に育ったらこうなるよなぁ」と
説得力ある演出で見せてくるのです。
この数分のシーンしか父・華丸さんは登場しませんが
最後に登場する羽田先生の父子関係と見事に対を成しております~
見どころ③世の中のいじめ・攻撃の構造を鋭利に描く
社会科の授業シーンでも
”「最下層の身分の人」造ることで
他の人々に安心感と優越感と攻撃対象を与える”
という社会構造の闇をつついている。
この映画全体が「世の中のいじめ・攻撃」が
- どうして起きるのか
- どうしてなくならないのか
- どういった構造になっているのか
を魂込めて描いております~
その根底にあるのが「青」の正体であり、
「青」を生み出しているものでもあるわけです。
考察:死にぞこないの「青」の正体
はじめは「マサオの傷ついた心」かと思って観てました。
青自身も「俺はお前だ」って言ってたし。
⇓
でも、だんだんマサオvs羽田になってくると
「あれ?青って羽田先生の病んでいった心の歪み」そのものなのかな?
と思うようになり。
⇓
最終的には
この世界、この社会に生きる人々の
- 恐れ
- 恐怖
- 不安
- 悔しさ
- 憎しみ
- 怒り
これらの感情の塊なんだろうと解釈しました。
ひと言でいうならば「青」の言葉にあったように
”ひとりで闘い生きていく恐怖”
だと思われます。
独りで闘う恐怖から「群れる」わけで
そこから、いつしか群れの仲間から
「自分はどういう風に見られているか」ばかり気にする様になって
結局はそれがまた恐怖になってしまう…
その結果、外面ばかり整えて内面の自分は歪みまくって悲鳴を。
青の言葉によると
「ひとりで戦う恐怖」を打ち消すのは「ひとりで生きる覚悟」
その覚悟を持てた時、目の前の青は消えるようです。
”ひとりで生きる恐怖に負けて、
自分が一番軽蔑するような人間になるな”
って云う青の言葉身に沁みた。