「むすび」を重視する「合気道の世界」を覗いている私です。
合気道の祖・植芝盛平氏が説く「合気」とは「むすび合気」のことであり、その「むすび」とは「産巣日神」の「ムスビ」なのです。
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神秘体験をし、古事記の解読にも精通していた盛平氏は「ス声(音)=はじまりの呼吸(息吹)」から「ウ声」が生まれ、そこから全ての声(音)が出ていると この世界の響きの生成・構造を説いております。
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神妙な気が満ちる「大虚空」=主の大神(大天主太神)の中に芽生えた「・」
これが天之御中主神で、その「・」からス声が発せられ神妙な気が満ちる空間に響き渡り、その響きが「圏」をつくり「アマ」を創りだしたというのです。
伸び・ヒビキ・広がる「すー」声から「ウ音」が生まれ、
「ウ声」から「ア声」と「オ声」が生まれたとしている。
んで、その時に「斥力」と同時に「引力」が生まれたといいます。
これを「阿吽の呼吸」で見てみますと
ここに私解釈の「あうんの呼吸」を足しまして~
阿吽の呼吸ってこういうことじゃないかって「完成図」が見えてきたのです。
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「阿」=口を開けて発するハジマリの声音
「吽」=口を閉じて出す終わりの声音
ということなので、これを「呼吸」に当てはめて考えると
- 阿(吐く息)=力を放つ 「斥力」
- 吽(吸う域)=引く力「引力」
ということになりますので、
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この「す→う→あ」の発生・広がりの「阿(斥力)」と、「あ→う→ん(→す)」へと中央・はじまりの「・」に戻っていく「吽(引力)」の循環・呼応を「阿吽の呼吸」っていうんだな、と。
んで、空海も盛平も「吽」を重要視しているのです。
前回 「吽」についての空海の考えにふれましたが盛平も同様に思っていたようです。
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「吽」声で示される引力とは、すべてのものが滅してしまった 空や無に近い状態から生まれているのである。これを盛平は「大虚空」と称している。
「ん」が大虚空=根源世界に繋がり還る音で、その先(中)で再び「はじまりの・」と繋がり「はじまりの息吹」ス声となって発せられるのでしょう。
「ん~」と声を発する時、その音は自分の内に最も響いているはずです。口を閉じて発しているから。ということは「大虚空」と「我が身の内側」はやはり繋がっているのではないでしょうか。
合気道ではこの「吽」の呼吸=引力を主に働かせるのです。
この引力で己と相手を「むすび」更に相手を放すことなく制御してしうまう、それが相手をのみこみ己と一体としてコントロールするのが「合気道」なのです。
盛平氏が説く「合気の呼吸」「むすび合気」はここから更に深い世界を見せてくれます。古事記との繋がりもより濃くなっていくよ~
(つづく)