手塚治虫先生、一緒に飲んで語りたいっす!!
ということで夢の中でもいいから「火の鳥」談義したい私です。
アニメ版全13話ではじめて「火の鳥」の世界に触れましたが
たぶん原作漫画版で補完すべき個所も多いようです(^^;)
では、第4話の見どころいくよ~
◆アニメ版「火の鳥」黎明編その四
プライムビデオで視聴できる方はこちらです~
ヤマタイ国を目指す騎馬軍団「馬の民」
アマノユミヒコが火の鳥を矢で射った時
ヒミコもまた息絶えた…
ヒミコの後継者が不在のまま3か月が過ぎようとしていた。
ヤマタイ国に不安と混乱の波が立ち始める。
ウズメのおかげで、馬の民一行から脱出できた
猿田彦とナギだったが
猿田彦はここでナギに別れを告げる。
ヤマタイ国に戻り防人として馬の民と闘うための決断だった。
猿田彦とナギはこの戦乱の中、
激動の運命に飲みこまれていく。
見どころ①ヒミコ亡き後の国の政治不安
ヒミコがスサノオを反逆者とし投獄、
そして後継者を任命せずに死んだことで
ヤマタイ国に「政治的空白」ができてしまう。
政治的空白の危険性は「ラッカ」のドキュメンタリーを観るとよくわかる。
更に、ヒミコを怒らせたスサノオの意見を思い出してほしい。
「その三」で取り上げるべき個所だったのですが…
霊力・呪術で存在感を示し、民を従わせるヒミコに対し
スサノオはこう言います。
↓
『呪術で国を治める時代は終わり、民が知恵をつけ始めている』
老いと死から逃れるために「火の鳥の不死の血」を求め
国力を使い狂っていくヒミコに至極まっとうな助言をしている。
「国民が賢くなっては困る、バカな方が統治しやすい」という
権力者や支配者の本音が描かれているシーンですな(手塚先生!!)
見どころ②猿田彦とナギの関係
家族とは、親子とは、人の縁とは…
こういった問いに対する
手塚先生なりの答えが「猿田彦とナギ」を通して
描かれている気がします。
縁は天から与えられるものではなく
自分で決めていけということですかね。
マジで、友と息子を守る猿田彦の壮絶な最期は
黒沢明監督に映画化してほしいくらいだぜ~
見どころ③猿田彦とナギの対照的な「死と再生」
猿田彦とナギの最期をしっかとご覧ください。
猿田彦の最期に妻ウズメがかけより
彼の子を腹に宿しているのが示される。
これに対し、ナギの最期は(私の考察ですが)
火の鳥に取り込まれ同化したんだと思われます。
ナギがイザナギである為かも。
ナギが火の鳥にとりこまれたと思うのは
このシーンが「未来編」にかかっているからでございます~。
猿田彦は妻との間に子を残し生命を繋いでいき、
ナギは神秘の存在・永遠を生きる「火の鳥」に取り込まれ
2人は対照的な形で「死から再生」を果たします。
「火の鳥」は壮大な『生命の物語』なので
こうした対照表現に溢れております~随所に仕込まれている。
見どころ④火の鳥がタケルに語りかける
私が「ナギが火の鳥にとりこまれた」と思う理由の1つは
ナギの最期を共にした火の鳥が
その後真直ぐに「ヒの国」のヒナク達のもとに向かったからです。
そして、マグマだまりから外に出ようと
崖をのぼるヒナクの子「タケル」に語りかけるのです。
火の鳥が自ら語りかける最初のシーンだった。
その言葉は短く”生きなさい”というものでした。
これは「火の鳥」から我々への永遠のメッセージなのかもしれません。
つづく