太陽編のテーマは「宗教と神と政治」です。
手塚先生の攻めの姿勢に圧倒されます。
漫画版は7世紀と21世紀の「宗教戦争」が交互に描かれているそうですが
アニメ版は21世紀部分をバッサリとカットし
主人公ハリマの7世紀編(壬申の乱)に全振しております~
◆アニメ版「火の鳥」太陽編その一
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【ざっくり、あらすじ】
百済の王族ハリマは戦に敗れ、敵に捕らえられてしまう。
腕の刺青(印)から王族とバレ、
「普通には殺せぬ」と顔の皮を剥がされ
獣から剥いだ頭部を被せられてしまう。
気を失っていたハリマが目を覚ますと
獣(狼)の皮と自分の皮膚がしっかりと癒着し同化していて
剥がすことができない状態だった…
化け物、モノノケと人間に襲われたところを
占い師のオババに助けられる。
オババは薬草の知識もあり、ハリマの斬られた傷を治療してくれた。
ハリマの相を勝手に視たオババは、「お前の覇者の相にかける」といい、
運が開けるからと一緒に東の国「倭」を目指すことに。
途中、死にかけの男を助ける。
この男こそ、今回の戦を強行した将軍(猿田彦似)だった。
ハリマは怒りを抑え、この男を一緒に連れて行くことに。
こうしてハリマ一行は倭国へ
到着早々クゾクといわれる(犬神一族)に出会い
傷を負ったクゾクの娘を助ける。
土地神であるクゾクとオババの知恵、そして将軍の助けにより
ハリマはこの村の一員として迎えられ、暮らすようになる…
見どころ①獣の顔をした百済の王族
敗戦国の王族だからって
”顔の皮を剥いで、獣の皮を被せる”
という発想がすご過ぎる…
手塚先生が攻めているのは「百済の王族」の生き残りが
「覇者の運気」を秘めて倭国に入ってきたことを描いたこと!
先生…
まー他にも色々と噂はあるしね
んで、この獣+人間の姿がすごく強烈な印象なんですよね。
でも、最初はびっくりしつつも倭国の村の人たちは
すんなり受け入れ馴染んじゃうのよ。
やはり、八百万の神(多種多様な姿の神)と共に生きてきた日本人だからかなぁ。
見どころ②古代の占呪術と医術
黎明編のヒミコと太陽編のオババは
両者とも「占呪術と医術」に長けております。
そして両方ともがオババ=老婆=年長者なのです。
人が自然から知識を得て「智慧」として蓄積していく中で
この「占呪術と医術」は重要で核になるモノなのかもしれません。
「東洋医学」の知識と知恵があるだけで
だいぶ自然と調和して生きる術を得られるしね。
見どころ③人間の側にいる八百万の神々
八百万の神「クゾク」ですが
狼や野犬のような姿をしておりますが、人間型にも姿を変えられます。
日本における八百万の神とは
各地の土地神のことをさすようで
”人間より先にこの地に存在したものたち”
という表現がなされておりました。
自然を神格化したような異形の神々が太陽編では多数登場します。
古代日本人にとって「神様」ってすぐ側にいる存在だったんだなぁと。
”一緒に生活している感”が強いのが印象的です。
つづく