天孫・ニニギ命のことはぼんやり知ってた程度だったので、今回じっくりその御名が示す意味を調べた結果…面白いことが見えてきた。
カタカムナの解読でも、合気道の祖・植芝盛平が説く「武産合気」の世界を理解するためにも、何よりも日本・日本人の智を理解する為に欠かせない書が「古事記」です。
私も遂に読み始めたよ~こちらの1冊を何度も読む日々や~
では、古事記・序文の第7文を読んでいきましょう~
是を以ち番仁岐命、初めて高千嶺に降り、神倭天皇、秋津嶋に経歴りたまふ。
(古事記・序文)
古事記は「読み」が大事なので「音」を確認
本当は古事記は「詠む」ものらしいので唄い詠む書なのですが、まだ私には節がわからにので普通に「音読み」しとります。
"是(これ)を以ち(もち)番仁岐命(ほのににぎのみこと)、初めて、高千嶺(たかちほのみね)に降り(くだり)、神倭天皇(かむやまとのすめらみこと)、秋津嶋(あいきつしま)に経歴り(めぐり)たまふ”
天孫・ニニギ命の高千穂への天降り→(から)→神武天皇が各地を巡り大和に着くまでが語られております。
ここで私が注目した「言葉=音のヒビキ」の示しが、こちら
国譲りで、天下を治めるため高千穂に降り立った「天孫・ニニギ尊」ですが、古事記では「番仁岐命(ほのににぎのみこと)」と書かれている。
音のヒビキが先にあって、その音が示す「真意」を音に当てた漢字で伝えてくれているのだろう。ということで纏めてみても意味が読み取れないので、一時づつ意味をしらべてみた。
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【番仁岐命(ほのににぎのみこと)】
- 「番」=①番(つがい)→何らかの絆を持った子孫を生み出す為に、時間をかけて協力する一対の動物の組み合わせのこと ②番(ばん)→かわるがわる勤めに当たること、順番
- 「仁」=仁(じん)→思いやり、いつくしみ、自他への一切のものに対して親しみ、慈しみ、情け深くある思いやりの心→「=徳」
- 「岐」=岐(ぎ)→わかれる、ふたてに分かれる、ふたまた、枝道
- 「命」=①(みこと)→神や天皇など高貴な人たちへの敬意を示すことば、②(めい)→いのち、生命、天命、運命、いのちを懸け果たすべきこと
「番(ほの)」で、どうやら葦原中津国・天下地上(この世界)に働く生成化育(創造=造化)の基本的な法則性を示しているのではないかと思われます。
「番・つがい=継ぎ合い」による一対なる二者による「絆を持つ子孫」の生成、その生成は「番・ばん=順番+代々継がれていく」ものであること。
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そして、その「番(ほの)=この世の生成化育(造化)の法則」に従った創造というのは「仁=全一の親しみ・慈しみ・情け深い思いやりの心」をもって成される、というのです。
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番・仁による造化の法則・造化の働きによって、仁を核とする生命・天命の分霊たる命が「岐=ふたてに分かれるを繰り返し、増え広がっていく」
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その天命を以って地に舞い降りたのが天孫(天照の孫神)ニニギ命である。
ということなのです。
ニニギ命がイザナギ・イザナミの生成祖神の御名にある「岐・ギ」をその名に持つことと、「番」が示す「対なる二者」による絆を持つ子孫の生成という意を考えると…地上の「人間界」にイザナギ・イザナミの生成神霊力が番仁岐命によりもたらされた、ということではないでしょうか。
天孫降臨から「神と人による造化の世界」がはじまったのではにでしょうか。
”カミとヒトによる造化・創造のハジマリ”
あと、ここで「天皇・すめらみこと」という言葉の意をしっかりおさえておきたいと思います。
- 天=天照の系統
- 皇=天下を領有する者、万物の主宰者(かみ)、皇(おう)
つまり、古事記序文の第7文を要約すると
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”番仁岐命により神統(天神の系統)がはじめて地上にもたらされ、神武天皇(皇統)に継承された”
ということが短い一文によって示されております。
(つづく)