「苦しい時」「患い・憂い・愁い悩む時」桃の実を食べるのだ!
①古代日本の智の探求
②日本語のヒビキの神秘構造の探求
③日本神話+古神道の世界を知る
この3本柱を是非とも「日本好き日本人」の皆様に趣味としてオススメしたい、と思っている私です。きっと日本をより好きになるし、日本人に生まれたことをより誇りに思うはず。
では、解読の続きへ
しかして伊耶那岐命 桃子に告りたまはく、
「汝、吾を助けしが如く、葦原中国に有らゆる うつしき青人草の苦しき瀬に落ちて、患へ惚む時に助くべし」と告りたまひ、名を賜ひ 意冨加牟豆美命と号く。
(「古事記」より)
”イザナギ命は桃子(桃の実)にいわれた。
「汝が吾を助けたように、葦原中国に生きる(存在する)全ての うつしき青人草(人々)の苦しみの際にはその実を落し現れ、うれい悩む時に助けてやってくれ」と命じ、名を与え「意冨加牟豆美命(おほかむづみのみこと)」と名付けよんだ”
黄泉比来坂の坂本にある「桃の木に成っている桃子(桃の実)」が黄泉軍の追手を悉く引き返らせた為、その「鬼・邪の撃退力」が湛えられたわけですな。
この「あの世のものでも、この世のものでもない境界にある桃の実」にイザナギ神が「使命」を与え、「命(みこと)名」を与えたのです。
ここにひとつ、「命名(めいめい)の力(作用)」が描かれているのではないでしょうか。
では、桃子に与えられた「命名」の意味を考察してまいりましょう。
↓
意冨加牟豆美命
(おほかむづみのみこと)
これは素直に「大神の実の命」って意味だろうと思われます。
「おほかむ」というヒビキなので、ここでの「大神=大玄霊・太祖神」のことであり、その「神霊力の実(豆・種)」が顕現化したのが「桃の実」ということでしょう。
「桃源郷」=生命の樹・生命の火花がある界(アメンティーのホール)で、桃は生命の樹であり、桃の実は「生命の実」なんだと思われます。
そういえば「十二国記」で、生命は生命の樹に成りる「桃の実」から生まれるって表現かなされていたよな~(うろ覚えだけど)
「桃の実」の形・色・匂い・味・触り心地…それを心の奥深くで味わうことができたら何かみえてくるかもしれません。
それ以外にもこんな意味にもとれるのです。
↓
「意冨加牟豆美」
- 意(神意・意志の力)
- 冨(豊かに満ち足りている、屋根+神にささげる酒樽の形象)
- 加(加える、増加)
- 牟(牛の鳴き声を表す、大きい・多い・2倍になる)
- 豆(高坏に盛られた穀物=天地の恵みの結晶)
- 美(調和、完全調和)
「意の神霊力」が⇒「冨・加・牟の増加・増力・豊かに満ちる力」となって、それが凝縮された「生命力の結晶」として現れた実(豆・種)で、神意との大いなる調和をもたらす実(霊)だと読み取れますな。
桃狩りに行きたくなるわぁ。
桃がとてもありがたい実だとわかった。
心して食べようと思います。