超越境界体験をした「空海」が聴いた「五大の響き」、
これが「上代日本語」の造りと同じことを示しているようなのです。
日本の古代の智恵を探究している、私です。
カタカムナや古事記の解読、日本語の構造(音のヒビキ)と見てきまして~「肉体・精神・魂」のどれもがカムアマの力を引きだす構造になっているに違いない、とにらんで「肉体の真の力、正しき使い方」を調べております。
私はその道を説く鍵だと思ってるのは「合気道の祖・植芝盛平」氏が見ていた世界。
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で気体の修業の目的である「(造化の)ひびきの呼応の感得」、それに通じる神秘体験
「一元とのむすび」「カム界とのむすび」「霊的世界とのむすび」をした思われる「空海」の体験談の続きへ。
虚空蔵求聞持法の成就を成し、虚空蔵菩薩(アーカーシャ)とのむすび(合一)を得て、『谷響きやまず、明星来影す』という体験(感得)した空海は、「この宇宙の響き」について、こうも語っております。
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「五大に響きあり、十界に言葉を具す、六塵ことごとく文字なり」
(空海:「声字実相義」より)
この空海の言葉を理解する為に、敢えて逆から意味を捉えていく~
【六塵(ろくじん)】
心を汚し煩悩を起こさせる六境のこと(これは身体感覚と対応しているんや~)
六識=眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が認識する「対象(境)」のことなんです。
- 色境=色や形
- 声境=言語や音声
- 香境=香り
- 味境=味
- 触境=触れた感覚(形容)
- 法境=意識の対象となるモノ総て
六塵(心を汚し煩悩を起こさせるモノ)とは「感覚からの認識」ってことですよね。
それは、ことごとく「文字=言葉」でできている、というのです!
六塵は「感覚で得たものを文字化(言葉化)した認識である」と空海の言葉は示していますよね。
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では次に「十界に言葉を具す」を見てゆく~
【十界(じっかい)】
人間の心の境地(迷いと悟りの両界)を十種に分類したもの
- 地獄界(あらゆる恐怖に苛まれた状態)
- 餓鬼界(目の前の事象に固執する状態)
- 畜生界(動物的本能のままに生きる状態)
- 修羅界(対話を持たず、武力をもって解決を目指す状態)
- 人界(平常心+人間的な疑心暗鬼の状態)
- 天界(諸々の喜びを感じる状態、瞬間瞬間の喜び)
- 声聞界(正しき道を学んでいる状態)
- 縁覚界(仏道に縁をむすぶことで、自己の内面において自意識的な悟りに至る)
- 菩薩界(道を修め、仏の使い=菩薩として生きる状態)
- 仏界(悟りを開いた状態)
「十界に言葉を具す」とは、
この十界は「あらゆる言葉によりできている」、「言葉によりその界に導かれる」ってことかな、と。
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そして最後は「五大に響きあり」です。
【五大とは】
万物を生成する五種の要素のこと
空・風・火・水・土
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この五元素がそれぞれに「ヒビキ」を持っているというのです。
これは上代日本語でも、この五元素は「あ・い・う・え・お」の根源音として使われています。
空(あ)・風(い)・火(う)・水(え)・土(お)
となります。
では、空海の言葉の意を探ってみましょう。
「万物を生成する五大は、それぞれにア・イ・ウ・エ・オの響きを持つ、その響きは十界を構成・そこに人を誘う言葉となり、人の心を汚し煩悩を起こさせる 認識となる文字である」
(‘~‘)ざっくり云うと
『この世のすべては「響き」であり、言葉・文字でできている』って悟りっすな。
この意味がすんなり理解・納得できない方は参考までにこちらの本をどうぞ
言葉による認識で我々はこの世界の「在る」を実感しておりますが、
その「この世界の在る」は総て「五大のヒビキ」から生成されているわけですな。
(つづく)