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【深夜映画部】ヤン・シュバンクマイエル「アリス」~子供の渇きや残酷さや素直さそのままに

お題「最近見た映画」

アリス

ヤン・シュバンクマイエルの作品の中でも一番好きかも。

そして駒撮りアニメーションの中でも一番好きな作品。

不思議の国のアリス」を描いた映画の中で一番子供目線で描かれている気が。

 

 

たぶんこの映画は今後もずっと残る芸術作品となるだろう。

今見ても新鮮で監督しか作りだせない世界になっている。

 

 

アリス
 

 

 

  • 子供の渇いた目や心
  • 子供の残酷さ
  • 子供の素直さ
  • 子供の恐れ知らずな冒険心

 

「ただ可愛い少女アリス」ではなく

子供のあらゆる面がちゃんと描かれている。

 

不思議の国をひとりで冒険するアリスの

不安な気持ちや理不尽な裁判での戸惑いなど

見ていると「なるほどなぁ」と感じる。

 

観て欲しいポイントや感想など交えた映画日記です。

 

 

はく製のウサギと現実に飽き飽きしているアリス

この映画のアリスはとても可愛い女の子ですが

その表情はいつも「無」に近い。

日常に飽き飽きしていて感情が「無」というよりも

揺れなくなっているのかも?

 

庭でも部屋でもずっと石を投げているアリス。

部屋では無表情なまま

紅茶の入ったカップにずっと小石を投げ入れ続けている。

なかなか怖い。

 

そんな彼女が物音に気がつき

部屋を見回すと、はく製のウサギがケースの中で動き始めるのだ。

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映画「アリス」より

 

この映画の特徴ですが

何故か「目玉」だけ人形の目をはめ込んでいるのです。

他の動物も。

 

生の目というか本物の目をもった生き物は

アリス本人しか登場しません。

ここも注意深く見てみてください。

たぶん監督の意図が込められているはず。

 

そのアリスさえも半分は人形の目で描かれています。

時計ウサギがもともとアリスの部屋にあったはく製である意味は重要で

これからアリスが動き出したウサギを追って机の引き出しの中の世界で

出会う者はそのほとんどがアリスの部屋のモノと繋がっています。

 

不思議の国で小さくなったアリスは人形で描かれる

アリスは不思議な世界に迷い込んでから

よく大きくなったり、小さくなったりを繰り返します。

 

小さくなった時のアリスはこうなります。

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※映画アリスより

 

駒撮りアニメーションで描かれる人形のアリスは

観ている内に違和感がなくなってくるのです。

それだけ丁寧に撮影されているともいえるけど

実写のアリスもまた人形アリスのように

表情が変わらないからかもしれません。

 

時々思わず笑い出すシーンもあるんですが

その笑いもどくどく。。

楽しい、嬉しい、ではなく

「変なの~」ってクスクスなのです。

 

アリスもウサギもよく食べる、生きることは食べること

ウサギは動きだし、アリスの部屋を飛び出してから

まず食事をしています。

その食事シーンが何ともいえない描かれ方なのです。

 

なんか気持ち悪い

 

といった表現がぴったりなか?

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映画アリスより

 

お腹の縫い目がほどけてしまっているので

はく製の詰め物がこぼれおちてしまっているので

食べるのをやめられないのかも?

 

食べてるものは、おがくず(木くず)のオートミール

この前歯をガチガチ言わせながら姿が何とも不気味。

 

ウサギだけでなく

アリスもよく食べます。

突然現れる怪しいクッキーや

どう見ても「インクじゃない!?」っていう

瓶に入った液体も口にしちゃうの。

 

食べたせいで大きくなったり、小さくなったり

ロクなことが無いのに

目の前に出てくると口にしちゃうの。

 

生きる本能を表現しているのでしょうか?

「飢え」が何よりも動物にとって恐怖であることを描いているのか?

 

ハートの女王は理不尽な大人の世界の象徴か?

ハートの女王はすぐに「首をはねなさい」というし

命令ばかりで何をやってもすぐに首を切り落とそうとしてくる。

 

時計ウサギは言われるがままに

トランプの兵士から

帽子屋に三月ウサギまで

みんなの首をはさみで切り落としていく。

 

アリスも女王の裁判にかけられ

「それを読め」と台本を渡され

なにもしてないのに「罪を認め謝罪します」と

言わされそうに・・

 

その時に抗議するアリス

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※映画アリスより

 

大人の弁護士かってくらい

落ちついた表情で言い返すアリス。

 

子供というのは

大人に押し付けられた世界の中でも

実によく周囲を観察している。

大人が作った世界の矛盾もみぬいているのかも。

 

ストーリーテラーがアリス本人という恐怖

アリスの冒険の様子を

ナレーションで繋ぐ

ストーリーテラーがなんと

アリス本人なのです。

 

そして語りの時はなぜか口元のドアップだけ

という不気味・・・。

 

冒険世界で観たモノは全てアリスの部屋にあるものとリンクするように

アリスが冒険したのもアリスが創った世界なのかもしれません。

 

中でも一番恐ろしいのは

映画の最後に自分の部屋に戻ってきて

ウサギの持っていたはさみを手にしたアリスは

「首を切り落とさないと」ってつぶやくんですよ。

 

あの女王はアリス本人だったのかもしれません。

もしくは女王に出会ったことで

その影響を受けてしまった素直な子供なのかな?

 

経験の中で痛みや苦しみや人の優しさに触れないと

素のままの人間は無表情で残酷で素直なのかも。

 

大人が見せる世界が子供に与える影響は大きい

アリスを観ていると

子供って環境への順応性が高いんだなぁと

思う一方、周囲の大人が大きく影響を与えると感じる。

 

親とか知り合いの大人だけでなく

「子供の目に写る大人全員」が子供に大きく影響を及ぼすのかも。

今まであまり意識したことなかったけど。

 

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※映画アリスより

 

ウサギに捕まり馬車にロープで引きずられるアリスの

この表現・・・・

この後アリスはこの自分のカラを破り中から出てきます。

 

理不尽なことに耐えながらも

脱皮しながら成長していくその姿。。。

 

現実と別の世界とされる世界が

常に「不気味さ」をはらんでいるのは偶然なのか?

 

個人的に芋虫のシーンが好きなのでよかったら見てみて~

では、また。

 

 

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