この映画・・・・淡々として一見「あっそっ」的な脚本に見えて
めちゃくちゃリアルに怖くないっすか!?
この女の子全部わかってすべての相手を自分の世界に合わせて
コントロールしとるやないか!!!!
「綺麗な女」「可愛い子」の持つ
ゾッとする天使のような悪魔具合を覗いた気分がする・・・。
観終って直後は「なんだそんなオチかぁ」くらいの気分なんですけど、
話しの全容を知って振り返ってみると
この子!ものすごく闇が深く、全部計算している!?・・恐怖っ。
- まだ幼い少女だから
- 兄を亡くして心が不安定だから
- 出ていった父を恋しがって妄想の友達を
と、彼女の見た目から勝手な先入観で観てしまうことで
はじめは「この映画の凄い恐ろしさ」に気が付かなかった。
私自身、女であり
女の裏も表も怖さも見てきたつもりが・・・
人を操り欺く天性の小悪魔(ほぼ大悪魔)という人たちの
「怖さ」の認識が甘かったようです(><)
こわっ
11歳の少女は誰よりも「大人の女」だった。
- 映画「沈黙の死」のあらすじ
- 娘のことはちゃんとわかっていると思う母
- 母の知らない娘の別の顔
- ジュリーが話した事件の真相
- 私の恐怖が一気に膨らんだ謎多きエンディング
- 「沈黙の死」私の考察:自分の世界の邪魔ものは消す魔性の女
- 私の考察:娘の魔性は母親からの遺伝
- 感想まとめ:女って怖いんです
映画「沈黙の死」のあらすじ
11歳の少女ジュリーは人里離れた郊外の家に
母マリーと二人で暮らしていた。
兄を亡くし、父も出ていき
母は不動産の仕事に忙しく
学校の友達とも遊ばない
ジュリーはひとり静かに漫画を描き
妄想の友達との物語に夢中。
日本の漫画に影響を受けたジュリーの描く漫画は
どこかホラーチックで母は心配している。
屋根裏部屋で空想友達とこもって遊ぶジュリーに
周囲も心配で干渉を強くしていた・・・。
そんな時に母娘の家で殺人事件が起き、
ジュリーは「私が殺した」といいだした。
娘の無実を信じる母が真相究明に乗り出して・・・・。
母マリーと一緒に事件の真相を探っていく
内にジュリーの意外な顔が見えてきます。
娘のことはちゃんとわかっていると思う母
ジュリーのことで親子に過干渉気味の伯母が
「ジュリーが男の車から降りてきたところを見た」
と言い出した。
娘を信じるマリーに「いい加減にして」と言われたが
伯母はひとりで家にいる時のジュリーの様子が気になって
マリーに無断で覗きにきて・・・何者かに銃殺されてしまった。
それ以前にも
ジュリーの面倒をみたり家のことを手伝ってくれる
伯母の娘(姪っ子)にも屋根裏にこもるジュリーのことを
「何か変よ」と指摘されていた。
はたしてマリーは本当に娘をわかっているのでしょうか?
母の知らない娘の別の顔
「私がが殺した」とうジュリーは警察に精神状態を心配され
病院に入院することになり、マリーは娘の無実を信じ
真犯人を探しはじめる。
ジュリーの描いていた漫画に出てくる
場所や人物が実在していることに気がつきはじめ・・・
娘の空想の友達と娘が何をしていたかを知ることに。
- 屋根裏部屋に隠されていた多額の紙幣
- 家に忍び込んで金をとりに来た青年
- ジュリーから腕時計を貰ったという犬を飼ってる少年
- 離れの物置小屋で見つけた少年の死体
娘の描いた漫画を手掛かりに
たどり着いた事件の真相と娘の別の顔。
屋根裏部屋の金をとりに忍び込んできた青年を
捕まえ話を聴くと・・・
ジュリーは年上の不良少年と親しくしており
彼とその仲間とカード賭博で金儲けをしたり、
ジュリーが母の部屋で見つけた銃で強盗を働き
大金を手にしていた。
青年は「娘にもう仕事は終わりだと言え」と。
伯母が言っていたことは本当だったのだ。
ジュリーが話した事件の真相
いつも家でひとりの時に
屋根裏部屋で彼や仲間と会っていた。
あの日も彼と一緒に屋根裏部屋でお金を数えていると
ジュリーの様子を覗きにきた伯母を
彼が銃で撃ってしまった。
彼が伯母を打ち殺したことに
驚き彼が怖くなった彼女は逃げ出した。
走って、走って、必死に逃げたが
彼に捕まり側にあった、あの物置小屋に連れ込まれた。
そこで彼女をなだめる彼が
彼女に触れながら
だんだん胸を触わりはじめ
ついには彼女を押し倒し襲い掛かってきたのだ。
必死に抵抗する11歳の少女と身体も年齢も倍は大きい彼。
彼女は必死に手をのばし銃を手にし
彼を撃ってしまったのだ。
マリーが見つけた遺体は彼だった。
これが彼の遺体と現場を確認にきた警察の前で
ジュリーが語った事件の真相。
私の恐怖が一気に膨らんだ謎多きエンディング
事件の真相がわかった後の母娘は・・・
11歳の少女の正当防衛ということなのか?
少年法で守られたおかげか?
ジュリーは何ごともなかったかのように
漫画を描いている。
母はしばらく休暇をとり
娘と日本に旅行にいくと顧客に話している。
どうやらあの事件のあった家を売りに出したようだ。
家を買ってくれた新オーナー一家に家を案内する母と
ジュリーの描いている絵を覗く新オーナー一家の少年。
少年がぞのきこんだジュリーの漫画には
彼によく似た少年か描かれていた。
そしてジュリーの漫画の世界では
日本に旅立つ母娘が車に彼を一緒に乗せて
富士山を目指すところが描かれていた。
*******
はじめはね、
「えっ!?」人殺して放置したのに罪に問われないの??
って驚きと、何もなかったかのようにこざっぱり
バカンスに出かける母娘に違和感感じたんですよ。
でも、新しい少年に対し無垢な天使の笑顔で答えるジュリーの姿と
その少年を急に車に乗せて一緒に富士山目指す漫画観て恐怖に変わった。
コイツ!!
全部わかってやってる!!
自分が相手にどういう風に見えていて
自分がどう行動すれば、相手がどう動くか?
自分以外の人間を操るすべを知っててやってる!!
「沈黙の死」私の考察:自分の世界の邪魔ものは消す魔性の女
映画での役の設定11歳で撮影当時10歳だったこの少女!
すごく小さく華奢で子供らしい子供ですが
美少女のためか、整った顔が表情によっては
ドキッとするくらい大人びて見える・・。
母がいない時に母の部屋に忍び込んでは
母の化粧品でメイクしたり
もう「女として目覚めている」様子。
兄の死を引きずる母、
父が突如出ていってしまったことで募る寂しさ、
ひとりで家で過ごす時間の長さ。
彼女が妄想と現実が半々の自分の世界を創りだしたのも不思議ではない。
11歳の少女は全部わかっている。
- 自分が孤独なことも
- 母が兄と父が居なくなり不安なことも、つかれていることも
- 母が本当は今の仕事が嫌でやめたがってることも
- 自分が美しい容姿をしていることも
- 自分が小さく幼い少女に見えることも
- 母と自分のためにお金が必要なことも
- 銃を彼に渡したらどうなるかも
- 彼が自分に抱く性的感情も
- 大人たちの目に自分がどう映っているかも
伯母も彼も彼女の世界に邪魔になったから
彼女に消されたんじゃないかと私は思っている。
なぜならエンディングで彼女の描いていた漫画の少年の顔は
書き直されていたから。
彼女が言うには彼女も彼を好きだったと言うが・・・
自分がコントロールして自分の思い通りに動いてくれる時は
彼は彼女の世界の完璧な登場人物だったけど
彼女を力で押さえつけ支配しようとしたっことで
彼女に消されてしまった。
彼女は相手の目にうつる自分を把握している。
そして自分が相手に及ぼす影響もわかっている。
自分がどう動けば相手を動かせるかも知っている。
彼女は伯母の死にも動揺しなかったし、
自分で銃殺してしまった彼の死体には布を被せて隠していたし、
彼女が唯一取り乱したのは母が海に落ちた時だけ。
やはり母は特別な存在らしい。
私の考察:娘の魔性は母親からの遺伝
娘の魔性具合にばかり目が行ってしまいますが
私の見たところ完全に母親からの遺伝でないかと。
母マリーも相当美人で
不動産屋に来る客ともすぐに大人の関係になってるし、
金をとりに忍び込んできた青年も彼女に「あんた美人だな・・」と
襲い掛かりそうになったり(^^;)
兄に関しては事故だけど
この母娘に関わる男たちがことごとく姿を消していく・・。
偶然とは思えない。
あまりにも好きで求めすぎるあまり
相手と一体化つーか相手そのものになりたい的な意味で
ジュリーが母になりたくて大人の真似事しているのかもね。
死んだ兄に向く母の心を自分に向けたいのかな。
感想まとめ:女って怖いんです
女の11歳はもう立派に大人ですな。
人が大人になる速度は人それぞれですけど。
ちなみにこの映画
フランス語でした(^^;)
英語の勉強にはならなかったぜ。
でもフランス語のリズムやトーンと
映画の雰囲気はぴったりで、
言葉と文化の結びつき感じた。
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