これが「実話をもとにした映画」だって!?
”ネット全体におけるダークウェブの割合は95%”という話と現実がリンクするぜ~
冒頭とラストが繋がるとエグイです。
◆映画 ロンドン・バーニング~あらすじ
2012年のロンドンオリンピック開催に向け
その裏で何が起きていたのか?
2002年 ロンドンオリンピック開催に向け誘致活動がはじまる
成りあがりの不動産王カレンは裏で繋がる当局幹部から
オリンピック施設・開発の為に買い上げられる土地の情報を得て
土地の取得に動き始めていた。
そんな中、カレンは計画地に作業場を持つ男を言葉巧みに誘い
売買契約書にサインを書かせると急ぎ立ち去る。
そこへ、幼い兄弟(リアムとショーン)が遊びから戻ってくる。
彼らが目にしたのは 変わり果てた父の姿だった…
2005年 ロンドンオリンピック開催が決定
2012年 ロンドンオリンピックが盛大に執り行われた
その後、オリンピック関連施設の跡地の再開発計画が進められ
新たな利権を生み、不動産王カレンは更に金と力を得る。
大人になったリアムは強盗の罪で服役していたが出所し
真っ先に妻と息子に会いに行きますが、門前払い。
弟のショーンはカレンの裏組織での闇仕事に従事。
更なる権力と金を求めるカレン、
そんな彼の闇の手が再びリアムとショーンに伸びてきて
兄弟を飛んでもない地獄へ陥れようとしていた。。
※以下、ネタバレ有の感想となります
◆”実話に基づく物語”
冒頭 ”実話に基づく物語”というテロップが映される。
この冒頭の短い一文によって
⇓
この映画に描かれている
権力と金に群がる闇に堕ちた人々、
彼らが政治や国家権力の高い地位に坐す者たちであること、
オリンピックが利権と金儲けの為に利用されてること
などが映画の中の物語ではなく、「現実に起きていること」だと印象づけられる。
冒頭の「実話に基づく…」から始まって
ラストに向けて
どんどん社会の裏が暴かれていき
その腐敗度は もはや「絶望」の域。
ネット社会、ウェブ内の世界ってのは
現実社会・現実世界と鏡写しだとすると
我われが見ることができる表層ウェブとダークウェブの割合が
「5:95」という話の怖さに震えてくる。。
この世界・社会の95%は闇の支配下で
その闇が「残り5%」の表を動かしているとか…嫌だけどリアルに感じてしまう。
◆権力と金が支配する社会が更なる闇を生んでいく
市長や政治家、警察上層部と繋がる実業家+闇組織のボスであるカレンは
金の為に法も人の命も平気で踏みにじっていく。
何をしても捕まらないから無双状態。
そんなカレンもまた「権力と金が支配する社会」が生んだ闇の子なのです。
孤児+貧困で子供のころから苦労人あるため、
金への執着+何をしても成り上がる信念は半端ないのです。
カレンのような人物が成功者になり
更に社会秩序や正義がどんどん失われていき
権力と金の支配が強まっていく闇のループが一番怖い点かもしれません。
◆ラストのエグサが冒頭一文と繋がり際立つ!
冒頭の「実話に基づく物語」ってのが
ラストにとんでもない破壊力で襲ってきます。
マジで映画観ながら
”何や、この終わり方は!”
って声にでちゃったよ(--;)
本当の権力側の悪はノーダメージ!
これもまた「実話=現実」なんでしょうね。
本当に状況をコントロールしている権力の座にいる悪党ってのは
金で動く倫理なき悪者を上手く手駒にして使い捨てるわけです。
カレンのような
成りあがりの金持ち、成功者、実業家ではなく
本当に怖い(汚い)のは……、、、だね。
ただ、リアルな話
リアムの「家族」最優先の選択は間違いじゃない気がします。
悪を討つよりも「家族の安全、家族との生活」が大事、
だってスーパーヒーローじゃないもん。
スカッとはしないけど、見ておいて良かった感ある映画です。