卒業旅行にいった異国の地でバカンスを楽しんでいたら、
突如、麻薬密輸犯として捕まった米国少女2人の話。
【映画ブロークダウン・パレス~感想】
※この映画は実際に起きている問題を監督が現地で独自調査を重ね創ったものだそうだ
神に試されるなのような少女たちの運命
彼女たちが全くの「白」といえない展開が余計にリアルである。
小さいころからの親友である高校を卒業したばかりの2人
強い気で強引なアリス(クレア)の提案で「ハワイ」に決まっていた卒業旅行先が
急きょ「自由の国タイ」に変更された…気弱なお嬢ダーリーンはいつもアリスに従う感じで今回も困惑しながらも受け入れる。
もう、この二人の関係からして「危うさ」が漂っている…のですが
旅先のタイでは”ある一人の青年との出会い”によって「女の親友」の裏にある
相手への嫉妬や優越感や劣等感などがチラチラと(;;)
そこに来ての「麻薬密輸&所持」で空港にて現行犯逮捕っすよ!
アメリカ人の若者がこうした「身に覚えのない」麻薬の運び屋犯にさせられ
現地で捕まり「禁錮〇〇年」ってことが実際に多発していたらしい。
それを知った監督がこの件を調査し映画にしたわけっす。
彼女たちがハメをはずしてタイの高級ホテルに忍び込み
宿泊客のフリしてプールで遊ぶ、ドリンクをオーダーし適当な部屋番号をいって料金をツケさせていたのは…泥棒だし、詐欺師だし犯罪だ。
どこかこのアメリカ人少女2人はタイやアジア諸国を下に見てバカにしているような感じが受け取れるのも「むむっ」ときた。
そんな彼女たちのピンチを救ってくれた青年(実は悪魔)を巡っての
アリスとダーリーンが嫉妬とプライドでバチバチしてる間に
悪魔による彼女たちの魂を売る計画が着々と進行してゆく。
最後のアリスの告白(国王への告白)どこまでが本当だと思いますか?
「知らぬ間に」ではなく、アリスもダーリーンもどちらも
青年ニックが麻薬の運び屋で、手渡された紅茶の缶の中身が「白い粉」であることは
知っていた…ようなんですよね。
ただ、ふたりとも親友である「もう一方」にはそれを必死に隠している。
アリスはダーリーンがニックに騙されていることを知りつつ、あの時荷物を手にした。
そしてダーリーンへの嫉妬+ニックへの嫉妬から、こうなることを避ける機会を何度も逃したことの懺悔をしたかったのかなぁ、と。
ニックが麻薬局への生贄と囮に彼女たちを選んだのも
アリスが前日にニックを挑発したせいかもしれないと彼女は気が付いたのかも。。
この映画を見ていると、彼女たちの行動1つ1つが「因と成り」織り重なり、
この監獄生活という多きな「結果」に結びつたようで
この世界の「因果の法則」の絶対性を感じさせます。
異国の地に入り、その地で暮らす人々をバカにして見下す行為は
その地の神の怒りをかう行為なんだと思う。
それは「異国の地」でなく「自国の地」でも起こるだろうけどね。
神の正義ではなく、この世の中の人間社会の正義ってのは
権力と権威ある地位にいる人々が「真実」とは関係なく独自の判断で決めているので
「真実を訴えても」それは消されてしまうものなのですね…気をつけよう。。