ちょうど7月の某日にこの映画のことが
twitterで話題になっていたので見たBBAです。
「えっ救うのそっち!?」と思ったけど…
これまた私に「あ~そういうことか!」と
新しい発見をくれた映画なのです。
1時間15分と短い映画ですが
前半というか全編にわたり
「繰り返し」で構成されています。
ので前半で「何だこれ?」と思っても
最後まで見てエイミーがどうなったか?
考えて欲しい映画です。
- 映画「私はゴースト」あらすじ
- 「繰り返し」の中に描かれているもの
- 記憶を取り戻し、因果を解かないと成仏できない!?
- 霊媒師シルヴィアが語ったエミリーの真実
- BBA考察①青白い男の正体
- BBAの考察②エミリーは成仏できたのか?
映画「私はゴースト」あらすじ
郊外の一軒家に憑りつく
彷徨える亡霊エイミー
家の中で依然と変わらぬ生活をひとり繰り返すエイミーは
自分が死んでいる事にも気が付いていない
だがある時
霊媒師シルヴィアの声を聞き
自分は死んでおり、
この家に憑りつく霊となっていることを知る。
この家の主に雇われた霊媒師シルヴィアの
「あなたを成仏させたい」という言葉を信じ
エミリーは成仏できない自らの運命に隠された
秘密を紐解いていく…
過去の記憶をたどりながら
彼女が最後に見たモノとは?
※ここからはネタバレ有で感想&考察書いていきます
「繰り返し」の中に描かれているもの
亡霊エミリーが繰り返す日常の映像の中に
ラストに繋がるヒントがたくさん散りばめられています。
- 鏡の多い家
- エミリーがつくる卵2つの目玉焼き
- ナイフに映る顔
- 白いワンピース
- コートを着て買いにいった花がヒマワリ
- 引き出しにある写真
これは私が映画を観ながら気になっていた点ですが
最後に「違和感」を感じた理由が判明します。
たぶんもっと散りばめられたものがあるはず…
特に鏡に映るエミリーは気になった。
買い物から帰ってきて玄関の鏡で髪をなおすシーンから
どうも鏡の中のエミリーの方が動きが少し先行している様にみえるのです。
記憶を取り戻し、因果を解かないと成仏できない!?
雇われ霊媒師のシルヴィア曰く
エミリーが成仏できないのは
「記憶をなくしていること」が原因だという。
更にこの家から外に出る(成仏する)には
「先に因果を解かないとダメ」だという。
どうしてこの家にエミリーは憑りついているのか?
どうしてこの家の外に出られないのか?
どうしてエミリーは死んだのか?
エミリーは最初から
「青白い顔の大男(化け物で悪魔)に
絨毯の上でナイフで何度も刺され死んだ」
とシルヴィアに語っています。
それにエミリーはきかれれば
過去をスラスラ語ります。
- 母に嫌われていたこと
- 母に悪魔憑きと思われ、悪魔祓いされたこと
- 母にこの家に1人置き去りにして、殺されそうになったこと
- 妹に襲い掛かった過去があること
記憶をなくしてるのかな??
と思っているとシルヴィアは意外なことを口にします。
霊媒師シルヴィアが語ったエミリーの真実
ちゃんと記憶があるように見えるエミリーでしたが
この家で起きた事件とエミリーのことを調べたシルヴィアは
驚きの真実を彼女に話したのです。
- この家で殺人事件は過去に起きていない
- エミリーの死は自殺だった
- エミリーは多重人格症と診断されていた
- エミリーが見たという青白い大男はもう1つの人格
シルヴィア曰く
エミリーの魂は分裂してエミリーと青白い男に分かれてしまったのだと。
そして1つの肉体に2つの魂を持つようになった。
妹を襲ったり時々凶暴になるのは青白い男の人格になったからだと。
更にシルヴィアは「救えるのは分裂した魂の半分」だけだという…
エミリーしか成仏はさせられないと。
BBA考察①青白い男の正体
青白い男の正体は
多重人格症のエミリーの魂が分裂してできた1つの人格なのか?
それともエミリーや母のいうように悪魔や悪霊かのか?
私の考察の鍵となったのは3人のこれらの言葉です。
⇓
◆エミリーの言葉
「霊は墓や家だけではなく人の心にも憑りつく」
◆雇われ霊媒師シルヴィアの言葉
「霊は情念の現れ」
◆青白い男の言葉
「お前から出て他の体に入ろうとした」
※このセリフはうろ覚えですが、内容はこんな感じ
これらの言葉から
私は母に愛されず心に隙間だらけだったエミリーの心に
この男の霊が憑りついたんだと考えています。
でもこれも霊を信じる人側から見るか?
精神病の側から見るか?の違いだけで
実は同じでありどちらでもいいのかも。
つまりは「エミリー自身の思想による」んだと思います。
でも、ここが最後の解釈に重要になってくるんですよ!
BBAの考察②エミリーは成仏できたのか?
結果でいうと
「シルヴィアが救ったのはエミリーの中の青白い男の方だった」
と私は見ています。
シルヴィアは先に「片方しか救えない」って言ってたし。
そもそも記憶をなくしていたのは青白い男の方だったのでは??
自分を客観的に見られるようになった男は
目の周りの黒塗りが消えて、普通に怯えるおじさんになってたし。
正確には彼もエミリーも虚無に還ったんだろうなぁと。
シルヴィアのいう「天に導く光」は一筋もささなかったので。
私の解釈はこうです。
⇓
- エミリーが記憶の繰り返しで過ごしている「家」こそ彼女の天国であり虚無を恐れる彼女の結界空間だった
- エミリーは命がけで自分に憑りつく悪霊を封印した
- その封印を解いたのが雇われ霊媒師シルヴィア
- 「雇われ霊媒師シルヴィア」の仕事は家から悪霊を祓うこと
- エミリーは「天国」イメージをそもそも持っていなかったのでは?
エミリーは小さい頃から母親に悪魔憑きと呼ばれ
エクソシストされたり、屋根裏の折檻部屋での記憶が強く
そもそも信仰や天国のイメージを持っていない為
死後に自分を導く「光」を見られなかったのではないでしょうか?
だから後は恐れていた「虚無」にのまれていくしかなかったんだろうな、と。
結局は「エミリーの思想次第」なのでしょう。
エミリーなりに死後に安住の空間にいたのに
それを壊されて虚無に還ったんだとBBAは解釈しました。
無理やり家からはがされちゃったね(;;)
「成仏させてあげる」←この傲慢さ!
観終ってから気が付いた、一番怖い部分です。
死後にもさらに恐怖を味わうなんて…
そこを「地獄」といわず何というのか?!
あなたはどう思いましたか?
では、また~☆