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BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【映画】メトロポリス(手塚治虫原作・アニメ)~感想:未来予想図 「科学で築くバベルの塔」

メトロポリス

2001年のアニメ映画だそうですが

製作期間5年、総作画数15万枚、製作費10億円

原作は手塚治虫という大作です(見るべし!)

 

 

 

メトロポリス

 

映画 メトロポリスで検索すると こっちも出てくる

関連性高めです~☆

人とロボットの未来はどこに向かうのか?

 

 

映画 メトロポリス(アニメ)~あらすじ

”すべての時代は続くものを夢見る”

 

未来の最先端都市「メトロポリス

人間とロボットが共に暮らす超近代都市国家

ある事件を追ってやってきた探偵ひげおやじと甥の少年ケンイチ

 

生体を使って人造人間の開発研究を進めている

国際指名手配犯のロートン博士が

メトロポリスに潜伏していると情報が入ったのだ。

 

科学技術が進み、ロボット達の労働力のおかげで

世界一の経済・技術発展都市となったメトロポリスだが

その実態は政治も社会も歪にゆがんでいた…

 

地上の華やかな最先端都市は富裕層の居住区で

貧困層の人々はメトロポリスの地下都市ゾーン1で暮らしている。

ゾーン1は「スラム街」のような感じで

ロボットに労働を奪われ、仕事を奪われた労働者たちが地下に追いやられていた。

地下のソーン2、ゾーン3はごみ処理施設やエネルギー施設

 

 

政府(大統領)よりも

実質的なこの都市国家の支配者は

この都市開発技術を牛耳る大企業であり

そのトップに立つレッド公だった。

 

レッド公はマルドゥークという都市管理組織を造り

メトロポリスを管理・支配。

 

華やかな世界一の都市メトロポリス

貧富の差の超拡大(地上と地下の分断)、

政治と財力覇者による支配権争い

など微妙なバランスで歪な基礎の上に建っていた。

 

更にレッド公は「太陽の電磁波を使った」磁場による世界支配へ動き出していた。

その野望の中心にあるのがジグラット(センタービル)と

ロートン博士に創らせている超人ティマだった。

 

ティマが目覚めようという時

レッド公の養子であるロックが現れ

施設を破壊し、火事を引き起こす。

 

ロートン博士の研究施設が秘密裏に置かれた地下都市では

この火事で大騒ぎとなっていた。

混乱の中、ケンイチはひとりの少女を助ける。

 

ケンイチが助けた少女は「ティマ」だった。

生まれたばかりの少女はケンイチと行動を共にしながら

少しずつこの世界のことを学んでいく…

 

ティマを探すレッド公、

ティマを消そうとするロック、

ティマを守ろうとするケンイチ、

ティマはメトロポリスの光と影に触れ

「愛と悲しみの感情」を知る。

 

ティマが超人の間の玉座に座るとき

この世界が大きく変わる。

 

ケンイチはティマを守りきれるのか?!

 

※以下ネタバレ有の感想・考察いきます

 

メトロポリスの地上と地下(貧富の差)

金持ちは華やかな地上の超近代的大都市に暮らし、

ロボットに仕事を奪われた労働者たちは

スラム街のような地下都市に追いやられ配給で暮らしている。

 

だがレッド公の野望が詰まった

巨大センタービル「ジグラット」建設が完成すると

その配給もストップしてしまう。

 

”地下で静かにのたれ死んでいけ”と云わんばかりなのだ。

地上で暮らす富裕層は自分の視界に入らなければ

そんな悲惨な状況で人がのたれ死のうが気にならないのだ。

 

「地上を支えているのはいつも地下だ」という

地球の始まりから変わらぬ理を忘れてはいけない。

そんなことを考えさせられました。

 

◆未来の労働力(ロボvs人間)

文句を言わず、どんな仕事も

もくもくとこなすロボットに労働がどんどん奪われていく。

 

それで人間が労働から解放されるのか?

というと、生産に関わっていないので

ただただ単純に経済活動からはじかれていく。

 

そこまで社会構造を変えた政府が何をしてくれるかというと

「配給」も追いつかず、勝手に打ち切り。

社会構造を大きく変える前の甘い言葉というのはほとんどが

こうやって泡となって消えていき、苦い現実しか残らない。

 

だが、ロボットの労働力をあてにして

肥大化した都市の寿命って短いんじゃないだろうか?

だってパソコンだってスマホだって家電だって

街のシステムだって

高機能になるほど寿命短くないですか?

 

ということはメトロポリスのような未来都市の寿命も超短いでしょう。

電力の供給とロボット廃棄物処理がパンクするだろうし

何よりも人間が壊れていくか感情爆発していくことでしょう(;;)

更にその人間の感情を利用して戦争に向かわせる権力層…

淘汰が目的なのか、世界のつくりかえが目的なのか?

 

人間は誇りや存在意義を感じられる仕事好きだと思うんですよ。

人間が誇りをもって働ける社会にした方が

ロボットの労働力に依存するよりはるかにSDGsじゃないだろうか。

 

 

メトロポリスの支配者(大統領vs大富豪)

まー今の世界も財力ある人たちが

政治家を使って動かしているから

そう「メトロポリス」と変わらないけど。

 

建前的でも一応、財力的権力者たちは裏にまわり

表立っては「政府」という態勢を保たないと

「民意」なんて無力になってしまうもんね。

 

経済の力が政治の力を越えて巨大化していくと

露骨に「支配権」を我が物にする経済的権力者は出てくるだろう。

何となく未来はその方向に進んでいるようにも見える。

 

制作陣の意図なのか、手塚治虫先生の意図なのか

メトロポリスの大統領側政治家もレッド公側も

みんな顔色が死人色している…中身は壊死したゾンビという比喩か??

 

◆未来のバベルの塔ジグラット

これが表向きは超高層シンボルタワービルなんですけど

実際なんたるかというと「巨大兵器」なのです(^^;)

 

太陽に向かって巨大なエネルギーを放射し

太陽に有害な電磁波を出させる…装置なんだぜ~

電子化された未来都市では大参事が起きる

地上のロボたちはバグって暴れ出すし

「磁場を操れる」ということは…さらに恐ろしいことも。。

この脅威を使い、世界を支配しようというわけです~

 

だけではなく、

この装置の核となるのが超人(人間を越えた知能態)ティマなのです。

なんでも感情に惑わされずに計算・判断できるからだって。

 

「未来版」なだけで、いつの時代もバベルの塔のたどる運命は同じ。

 

◆エンドロールの先に示された希望の未来

映画のラストの描写と

エンドロールの先にある1枚の絵が繋がります。

 

ケンイチが「君はわたし、僕は君」といった言葉と

ティマが「私の父はケンイチ」とレッド公に言った言葉が

ここで見事に現実となります。

 

ラストシーンでティマの心臓(部品)を手にしたケンイチ

ケンイチの周囲にはティマの心と共鳴するかのようにロボット達が

ここからケンイチとロボット達がつくる新しい未来がはじまります。

 

「モノを長く大事に修理して使う」

「ロボットと人間が協力して相棒として暮らす」

そんな未来が描かれてます。

 

ケンイチはロボット達と集めたティマの部品から

ティマをよみがえらせたのです(^^)

 

人が希望を失わなければ未来は明るいのかもしれません。

 

 

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