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【独女映画部】ミスミソウ・感想~「いじめ」に関わる全ての人へ 雪に降る血の雨

お題「最近見た映画」

ミスミソウ

すごい、ここまで映像化するんか!ってくらい「いじめ」の残酷さを描いている。

そしてキャスティングが素晴らしい。

山田杏奈さんの真っ白い美しさがよりこの話にリアリティを与えている。

 

 

原作は漫画なのですが

原作を読んでいない私も充分圧倒され話に入り込めた作品です。

 

 Amazonプライムビデオに登場!

ミスミソウ

ミスミソウ

 

 

原作はこちら

 

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

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とにかく生徒役のキャスティングがぴったりはまっていて

少年少女だけがつくるその特有の閉鎖世界を生々しく描きだしています。

 

主人公である春花(はるか)がいじめられていた理由が

ホントに理不尽極まりない(;;)

戦い抜いた春花のその姿をとくと見て欲しい。

 

※私的には「ホステル」よりもグロい場面多いと思ったのでご注意を

 

ホステル (字幕版)

ホステル (字幕版)

 

 

 

田舎に東京から転校してきた美少女への壮絶ないじめ

今年度いっぱいで廃校になることが決まっている田舎の中学校に

野咲春花(のざき はるか)は転校してきた。

 

彼女へのいじめは日に日に激しさを増す。

靴は隠され、机には罵倒の言葉を彫られ、

下校時には囲まれ連行され暴力を振るわれる。

 

机にカラスの死骸が入れられていることも。

教師はそれでクラス中が騒いでも知らないふりで

授業をすすめる。

 

両親が学校に来て担任に訴えても

「もうすぐ廃校なのに問題を起こさないでください」

と言われて終わり・・。

しかもハルカの父は学校でいじめグループ男子に

背中を画鋲付の靴で蹴られ階段を転げ落ちケガをした。

 

あと2か月で卒業なので

「もう、あの学校に行かなくていい」と両親は言ってくれた。

ハルカの救いは家族だけだった。

 

同級生の十数人は皆地元育ちで幼馴染、

東京から転校してきたハルカは異質な存在なのだ。

ハルカも学校へ行くのをやめると決めた。

 

この街にはカラオケもゲームセンターも何もない。

娯楽が無いのだ。

だからいじめグループには「いじめ」が娯楽となっていた。

ハルカをいじめていない時は

また別の子をターゲットにし、

ボーガンやモデルガンで動物を殺していた。

 

エスカレートするいじめで家族を殺され復讐の鬼へ

ハルカが学校へ行かなくなると

ハルカ以前のいじめの標的だったルミが

またいじめられるようになった。

 

画鋲やペンで身体を刺されたり

髪をザキザキに切られたり

そんな中でいじめグループにたきつけられ

ルミが放った一言を発端に

彼らのいじめは犯罪の領域へ。

 

なんと、ハルカの家に灯油をまき

ハルカの母、父、妹にも灯油をかけ

火を放ったのだ。

 

同級生の相場君に誘われ出かけていたハルカが

自宅に戻ると自宅は全焼し

丸焦げになった妹だけが助け出された。

 

ハルカはこの火事以来声が出せなくなっていた。

でも火事の日に家の近くでいじめグループの生徒を見たことで

両親の死の真相を確かめるために彼女は学校にいく。

 

そしてハルカにいじめグループが近づいてきて

両親の死の真相を知らされ

「あんたが自殺してよ」と今度はハルカを殺そうと・・ナイフで脅してきたのだ。

 

この瞬間、ハルカの中で何かがわかった。

正確に言うと 殺されそうになって初めてやり返したことで

何かがはじけたように表情が消え目的のためだけに動いているように見えた。

 

いじめグループ女子3人vs春花

橘吉絵はハルカに「自殺しろ」とナイフで脅していた。

事件後、人を殺したことの恐怖におびえる加藤と三島は

ただただ傍観していた。

 

橘吉絵はハルカを脅しながらも

ハルカの両親が焼死していく様子を

笑いながら彼女に語りはじめた。

 

その時、ハルカは雪に埋もれる小枝を手にし

笑う吉絵の左目に刺した!

そこからはハルカのターン

 

バットくらいの棒を手に

相手の顔の形がなくなるまで殴りつづけ

逃げ惑う2人に対してはナイフで

ゆびを切り落とし、足の腱を切って逃げれなくする。

動きを止めてから、ボコボコに・・・

 

雪が真っ赤にそまり

またその上に雪が積もっていく。

 

ハルカの復讐がはじまった。

 

いじめグループリーダー男子vs春花

3人の女生徒が姿を消し2日後

学校にパトカーがやってくる。

自分たちの放火殺人の件かとビビる彼ら。

 

いじめグループリーダー久賀は逃げるように早退した。

雪道をひとりで歩いていると前からハルカがやってきた。

 

からかおうと言葉をかけた瞬間、

痛みを感じ見てみると・・はるかに腹を刺されていた。

その後も顔を切りつけられ頬が破け

必死に逃げるが無表情に迫ってくるハルカの恐怖で

崖から落ちてしまう。

 

あらゆる足の関節が逆方向に曲がり

動けなくなった久賀はがけ下で歪な形となった体で

血を流し雪に埋もれていった。

 

いじめグループの男子2人vs春花

いじめグループのメンバーが次々と姿を消すので

だんだんと「ハルカの復讐だ」と気が付きはじめる。

 

残されたいじめグループ男子2人は

ボーガンとモデルガンでハルカを打つことを決める。

「やられる前にやってやる!」

 

妹の病院に向かうハルカを待ち伏せ

矢を放つも・・・

 

ここでいじめグループのデブがハルカに馬乗りになり

彼女に言うのだ。

 

「君は美しすぎる」

だから、いじめのターゲットになったというのだ!

そしてハルカにキスしようと顔を近づけてきて・・・

 

彼らがどうなったのかは

是非映画を観て確かめてみて。

 

ハルカがいじめの標的にされた理由がこれなんですよ!

はじめはデブの戯言かと思っていたんですが

この言葉がホントだとどんどんわかってくるんです。

 

いじめ被害者ルミvsリーダー・妙子

ここからが更にややこしいのです。

ハルカの前にいじめの標的にされていたルミと

いじめグループのリーダー妙子の関係なんですが

ルミはいじめられつつも、妙子に憧れて恋してたんです。

 

ルミは妙子の絵をノートに書きためていた。

そして妙子はそんな自分をいやらしい目で

見るルミに気が付いていたんです。

 

ルミは妙子に気に入られたくて

ハルカのいじめに加わり、

ハルカの家に灯油をまいたのです。

 

ところが妙子の心はハルカを向いていたのです。

妙子はまさかいじめがこんな事態になると思っていなかったため

ハルカに謝りにいったところでした。

 

妙子自身ははじめはハルカが自分以外と親しげにしたことへの

嫉妬からハルカに冷たくあたっただけだったのです。

それを妙子の周りに近づいてきては勝手に病んでいく奴らのせいで

こうなってうんざりしていたのです。

 

ハルカがこの街にとって異質な美しさで

人の心を魅了していったように

妙子もまた金髪でカッコいい存在として

いじめグループのメンバーを惹きつけていたのです。

 

愛と狂気が大渋滞!

 

ルミはハルカの両親を殺したのに

妙子に気に入られるどころか拒絶され

狂ったように包丁を手に妙子に襲い掛かります。

 

この後、壊れたルミが暴走します。

 

歪んだ愛情の相場君vs春花

春花より前に転校してきており

孤高の存在だった相場君・・

春花の唯一の味方だった相場君・・・

 

とんでもない歪んだ愛情ヤロー相場君。

彼はホントに好きな人への感情が高ぶると

「暴力」に向かうんです。

さらに厄介なのは「相手が頼れるのは俺だけ」の世界を

異常に求めるのです。

 

ふたりの閉じた世界を望み

その中で暴力で愛を表現する男なの。

そういったDV父の元で育ってきたから。

父に毎日殴られる母を救うために父を殺し、

父の代わりに母に暴力を振るい母が喜んでいると本気で思う男。

 

そして暴力の果てに・・・

 

ハルカを自分だけのモノにするため

相場君はハルカの祖父を訪ねていきます。

 

瀕死の祖父と手を血で染めた相場君を見たハルカは・・

相場vsハルカの場面でルミも出てきて大混戦。

 

無関心な大人たちと担任の南先生

自分たちの子が行方不明になって

学校に詰めよる彼らの親たち。

 

子供が学校で何をしてきたかも知らずに

学校と担任を責める、責める。

 

南先生が中学時代いじめられていたことを知り

先生を罵倒する親も。。。

 

ハルカのいじめを無視し

妙子を友達と言っていた南先生の

真っ赤な最後は驚きの展開でした。

 

ハルカがいじめられていた理由

彼女が美しすぎたから

あのデブが言ったことがホントだった・・

 

みんなが「東京から来た転校生」に

この街にない「美しさ」を感じ魅了され

魅了されると同時に劣等感を刺激されてた。

 

ハルカに自分を見て欲しい、

ハルカに自分を好きになってほしい、

ハルカに自分だけを見て欲しい、

でも側に来られると自分のみじめさも際立ってしまうのだ。

 

本当にまっ白な雪の中にたたずむ

無表情な彼女は人間離れした美しさだった。

SNSに溢れる写真加工アプリで飾った美しさではなく

ホントに気をとられる美しさなのだ。

 

受け入れられない愛情は憎しみに変わる。

愛情を向けてくれないなら

その世界を恐怖でもいいから支配したいんだろう。

とにかくその目に写りたいのかも?

 

いじめの最後に残ったモノ

何もなかった。

怨みと怒りと人の死しかなかった。

 

学校という空間に限らず

いじめは大人になっても横行している。

 

いじめに関わる全ての人に見て欲しい

その先にあるモノを考えるきっかけにしてほしい

そんな映画です。

 

とにかくあそこまでハルカの復讐を映像化した監督と

表現した若い役者さんたちに圧倒された。

ハルカとルミをあの若さでしっかり演じ切るとは・・・

今後も期待したい。

 

では、また~☆

今後しばらくはコメディを見たい私です。

 

 

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