ベトナムの人気作家の小説を映画化した作品です。
素朴なだけに感情的になってとった行動に対する結果への
後悔が胸に刺さる…思春期の兄と弟と少女の物語
愛情が嫉妬で歪むと悲劇を生む…
感情に飲まれて行動して、後に後悔する…人生あるある
でも、思春期って自分のコントロールできない時あるよね
そんな自分の思春期も振り返り
甘酸っぱいというより苦味がこみ上げてきた
美しい映画です。
原作はこちらの小説
⇓
- 「草原に黄色い花を見つける」あらすじ
- 美しい景色に美しい少年ティエウ
- 優しくお人好し純朴な弟トゥオン
- 思春期の凶暴性は自分も他人も傷つける
- コントロールできない愛と嫉妬と後悔と
- 少年少女の恋心が起こす奇跡
- 村の祭りのシーンが印象的
「草原に黄色い花を見つける」あらすじ
ベトナムの人気作家の小説を映像化
1980年代後半のベトナム
中南部フーイエ省の山間の貧しい農村に暮らす
幼い兄弟ティエウとトゥオン
いつも一緒の仲良し兄弟
思春期を迎える12才の兄ティエウは
近所に住む少女ムーンが気になっているが
うまく想いを伝えられないでいた…
叔父さんから聞いた村のはずれにある巨木に関する昔話
ムーンの家の秘密
ムーンを巡ってのいじめっ子ガキ大将とのケンカ
お祭りの日に起きたムーンの家の家事
そして家にムーンを迎えての生活
兄ティエウは心が落ち着かない日々を過ごしていた。
ムーンに優しくしたいのに、つい冷たくしたり
意地をはったり…
そんなムーンとの生活の中で
ムーンと弟が急接近し仲良くしている様子にモヤモヤすることが増え…
遂にティエウは衝動的な行動に出てしまう。
素直で純朴で優しく、自分を慕ってくる弟
嫉妬心からその弟に酷いことをしてしまった兄
家族の問題を抱える少女ムーン
村の伝説の木の奥に暮らすカエルの姫
美しいベトナムの自然の景色の中で描かれる
農村の人々の暮らし
大人も子供もみんな
日々を必死に生きている。
思春期のティエウの姿は
私たちに大事なことを思いださせてくれます。
※以下はネタバレありで感想&見どころを紹介していきます
美しい景色に美しい少年ティエウ
美しい山間の田舎の景色
どのシーンも1枚のアート写真のように美しいです。
温かみのある風景だけど、どこか儚げだったり…
カメラマンのセンスなのか
監督のこだわりなのが
全てにおいて構図や色彩や映像バランスが素晴らしいです。
そんな美しい自然の景色に負けない美少年
それが兄ティエウです。
作中では至って普通な少年として描かれています。
どもまでも純朴で優しくお人よしの弟の愛強ある顔と
この兄の整った美形の顔が
この映画のストーリーにうまくいかされています。
美しい兄の顔が弟への嫉妬で歪む時
もの凄く「怖い」顔になるのです(><)
美しい人が怒りの感情に飲まれた時の
鬼の形相…
その怒りの感情のまま鬼となった兄に
重傷を負わされながらも
兄を気づかう優しい弟の疑うことを知らない純朴な顔…
観ていてこっちが苦しくなります(;;)
優しくお人好し純朴な弟トゥオン
優しく、お人好しで騙されやすく、
本が好きで、兄のことが大好きな弟トゥオン
ムーンとのおままごと中、
ふたりの仲に嫉妬した兄に棒で殴られ
腰に重傷を負ってしまいます。
動けなくなり床でうなり苦しむ中でも
我に返り両親を呼びにいこうとした兄に
「僕は木から落ちたことにして」と兄を気づかいます。
兄に暴力を振るわれ大けがをしたと知れば
両親に兄が酷く怒られることを心配していたのです(;;)
お前、天使か!?
勝手な妄想で勘違いをこじらせ
襲い掛かってきた兄をとっさに気づかえるなんて…
しかも、その後も一切兄を責めたりしないのです
自分はあれ以来寝たきりで起きることも歩くこともできなくなったのに…
思春期の凶暴性は自分も他人も傷つける
12才のティエウは恋心も嫉妬心も
全然コントロールできない。
ムーンへの恋心は日々ふくらみ
自分ではこの気持ちをどうしていいのかわからない。
ムーンと一緒にいたいけど全然うまくいかない。
気持ちに気が付かないムーンに八つ当たりで
酷いことを言ったり、冷たい態度をとってしまう
ダメダメ少年(;;)
好きな気持ちを冷たさで表現して
うまくいくわけね~だろぉぉぉぉ
ムーンへの想いが大きくなるのに
ムーンとの距離は広がる一方で
ムーンと弟の距離は縮まる一方で
弟への嫉妬はでかくなる一方で
結果…ムーンも弟も傷つけてしまう兄なのです。
弟の大けがは家族にも暗い影を落とします。
周囲の人をみんな傷つけてしまう
思春期の凶暴性…あれ、なんなんでしょうね。
親に酷いこと言っちゃたりね(BBAの体験談)
意地悪になったり、無性にモヤモヤ、イライラしたり
コントロールできない愛と嫉妬と後悔と
思春期とは関係なく
「感情的」になってとった行動って
「後悔」する結果しか招かない。
特に「怒り」の感情は
「破壊」という行動に結びつきやすいからね。
優しくお人好しの弟トゥオンさえも
兄をボコボコにしたジャイアン少年に対し
兄の仇!とばかりに向かっていきボコボコにしてますからね。
誰かを愛するとか想う気持ちって
嫉妬や怒りの感情を誘発しやすいのが怖いよね。
自分の感情のコントロール難しいよね(;;)
少年少女の恋心が起こす奇跡
兄とムーンの恋も「実は…」からの
「なんだよ!」って展開が待っているんですが
後半急に弟の恋が急展開していきます。
むしろそこからが超ドラマチック!
松葉杖をつきながら
必死にカエルの姫の元に向かう弟
いじめっ子たちに囲まれる姫のピンチ
でもそこから驚きの展開に入っていきます。
ええええええ!!!!
ってなる、でも「よかったね」と思えた。
村の祭りのシーンが印象的
村の祭りのシーンがとても印象的です。
とても美しく、温かく、みんなが幸せそうで
「これがみんなが探している幸せってやつじゃない!?」って思った。
祭りに集まったみんなが満たされているんですよね。
みんながただただ今のこの幸せな気分を共有してるんですよ。
奪うことも、比べることもしてないの。
謎のカラーセロハンちょうちんも
出店のお菓子みたいなヤツも
なんか素敵に感じたよ。
ベトナム映画もいいね!
では、また~☆