12分と短い時間に「ひとりの老人の一生」が詰まっていた。
過酷な状況で生きるということ、大事な場所を守ること
”大事な人と”、”自然と” 共に生きるということ
いろいろと感じさせるアニメ映画です。
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絵本もあるよ
大事に思う人、大事に思ってくれる人
大事に思う場所、それがあれば困難な状況の中でも
「絶望」にのまれず生きていけるのかもしれません。
(ほぼ、感想はこれに尽きる)
でも、いろいろと思う部分たくさんあったんで
感想・考察って感じで書いていくよ~
【短編アニメ映画】つみきのいえ~あらすじ
水に沈みかけた街で
ひとり静かに暮らす老人
水位が上がって部屋に水が入ってくるたびに
屋上にあがって煉瓦を積み、部屋をつくっていきます。
ある日、上へ家具を移動中に
大事なパイプを水中深くに落してしまった彼は
潜水服に身を包み、タンクを背負い
水中に沈んだ家の中へもぐっていきます。
彼がどうしてこの「水に沈みゆく街」で
家を上へ上へと伸ばしながら孤独に生きているのか
その理由が見えてきます。
※とにかく観て!
◆目に見えるモノはほんの一部でしかない
つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]
はじまりの絵を見た時
私は「この街」がどれ程大きな街だったか想像できていなかった。
そして、どれほど深く水に沈んでいるのか?私の予想とまるで違ってビックリした。
水面から出た部分だけ見ていると
「水面下にこんなにも…」と驚くことになる。
それは、この「沈みゆく街で孤独に生きる老人」についても同じことが言える。
- もう歳だから…ここから動けないんだろう
- ここから他に行く当てが無いんだろう
- 街と一緒に死にゆく覚悟なんだろう
何となくこんなイメージで観はじめたんですよ、私。
でも、それが「置かれた場所で静かに生きる」ってことなのかなって。
しかし!
全然違ったのです。
彼は「ここが好き」で「この街」も「この家」も大事な場所だから、
自分の意志で「ここを選んで」暮らしているんです。
その理由は…是非、作品を見てご自身で感じてください(^^)
◆過酷な環境で生きるということ
私は千葉県の温暖な地で生まれ暮らしているので
豪雪地帯や過酷な自然の中で暮らす人たちのことを見ると
少し不思議な気持ちを抱いていた。
でも、少しだけど「つみきのいえ」を見たことで
過酷な自然、環境の中 暮らし続ける人たちの想いが見えた気がする。
「その地」を「その街」を「自分の家」を愛しているんですなぁ。
そこには「条件」ではない、愛着や思い出など もっと大事なものがあるのですな。
アマプラで気になっているドキュメンタリー
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【氷点下で生きるということ】
◆大事な場所で前と上を向いて生きる
そういうことかぁ
私ははじめ「沈みゆく街」「孤独な老人」の暮らしは
未来への「希望」が無いように見えていました。
でも、彼の生活は静かで淡々としているけど
なかなか充実した日々のようなのです。
朝、目覚めたら窓を開け空を見上げる
着替えて食事の支度をして
可愛いテーブルクロスにお皿とワインを用意し
壁一面に飾られた家族写真に見守られながら優雅にいただく。
部屋に水が上がってくれば
屋上に上がり煉瓦を積んで家を上に伸ばしていく。
大事なモノだけ運び出して。
環境に合わせ、日々を彼なりに楽しく暮らしていたのです。
水が迫ってきても、彼は家を上に積み上げていけるし
見上げれば空と太陽は変わらずあるし
どんな状況でも「その人の受け取り方」なんだなぁ、と。
失った物や沈んでいく足元ばかり見て、恐怖と絶望にのまれ「動けなくなる」か
思い出を胸に前と上を向いて「今」を大事に生きるかで
その過ごす時の意味はだいぶかわってきますね。
失うことを恐れず、出会いや経験を積んでいきたいね~(難しいけど)
私も孤独なBBAになっても、いつもワイングラスとお猪口は2つ用意しておこう。