プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【深夜映画部】「ザ・シェフ」酒・薬で腐敗していく街と絶望の中で腐らず闘った弱者の誇り高き最期

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腐敗の中で真っ白な善人でいる難しさ

私も彼と同じ選択をしたかもしれない。

置かれた環境がどんなに劣悪でもそこで生きていくしかない時

腐敗していく街のなかで腐敗に染まらず生きていけるだろうか?

 

 

どうも、ホラー、サスペンス好きなプロ独女みつまるです。

はっきりいって

この映画を選んだのは「復讐の人肉ケバブ屋」くらいにしかおもってなかった。

それがこちらです。

 

ザ・シェフ 悪魔のレシピ(字幕版)

 

 

 

このポスターを見てイメージする内容と

映画を実際にみると主人公への想いが180度変わるよ。

 

悪魔のレシピ

ここの部分もこのポスタービジュアルから受けるイメージとは

違う意味だよ。

 

 

とにかく「セツナイ」映画です。

真面目に生きているほど感じる、世の中の世知辛さや理不尽さを

ギュギュっと政治・経済・民族問題絡めて描かれています。

 

 

酒と薬とクラブで腐敗していく街

ザ・シェフ 悪魔のレシピ(字幕版)

この包丁をもった主人公ラサールの暮らす街は

夜な夜な若者が新しくできた大型クラブに

集まっては薬に酒をあおっで乱交・ランチキ騒ぎと腐敗中。

 

街中で酔った若者のゲ〇まみれ、糞まみれ、

道路やその辺でヤリまくる男と女・・・ケンカに暴力

警察に通報しても来るのは3時間後、

街は腐敗していた。

 

でも主人公のラサールはこの街で生きていくしかなかった。

病弱な父が必死に守っているケバブ屋がこの街にあるからだ。

移民ゆえにバカにされ虐げられながらも

父親が築いた大事な店で、この店のおかげでラサールは大学にも行けている。

 

父は身体を壊し入院していた。

その横でラサールは父を心配し思いやり、

父もまた息子の将来を心配しながらも楽しみにしていた。

ラサールは現在卒論の仕上げ段階で、

大学卒業後は国連の職員を目指していた。

 

腐敗していく街の片隅で必死に助けながら慎ましく生きる父と息子。

でも腐敗の侵食は広く深く街を飲み込んでいったのです(;;)

 

 

腐敗した街の犠牲となった父の死

 

退院した父と父の手伝いのために父のケバブ屋にたつラサール。

しかし、父のケバブ屋はクラブに集まる酒と薬漬けの若者のたまり場に

なっていたのである日そんな若者の暴行で父は死んでしまう。

 

ラサールが店の外で倒れる父を見つけた時は

犯人たちは逃げ去った後で

外傷があるにも関わらずラサールの父の死は持病の発作でかたずけられた。

 

移民に対する行政の対応は冷ややかだ。

警察も全く当てにならない。

それがこの腐敗した街で生きる現実なのだ。

 

ただただ現実と悔しさを受け止めて

今を生きていくしかない。

 

 

腐敗と理不尽さの中で抑えていた感情がはじける時

 

私から見ても

ラサールはこの腐敗した街と世の中の理不尽さの中で

心が折れないよう必死で頑張っていた。

 

腐敗の中でも必死に自分は腐らないように頑張っていた。

でもそんなラサールに怒涛のごとく

薬と酒と快楽におぼれた若者たちが襲いかかってくるのだ。

 

はじまりは事故だった。

ラサールの店で酒と薬によったゲ〇まみれの若者が

勝手にフライヤーで揚げ物をしだしたのだ。

閉店なのに帰らず、店を好き勝手使うこの若者を止めようと

もみ合いになった時に彼が頭からフライヤーに突っ込んで

大やけどを負ってしまったのだ。

 

必死に手当するも

彼は死んでしまった。

事故だった。

ラサールは移民である自分の立場が不利であることは

もう経験から痛いほどわかっていた。

 

この時、目に入ったのが包丁なのだ。

ラサールは遺体をバラしケバブ用のミンチ機にいれ

出てきたひき肉に香辛料を混ぜて

ケバブ用の肉にした。

 

父の店は赤字経営で遂に肉屋が肉を配達してくれなくなっていた。

はじめは遺体の処理にこまってのことだった。

でもこの肉をある日ムカつく詐欺師たちに「ラム肉ケバブ」として出してみた。

 

ラサールの店は「うまいケバブ屋」として人気になったのだ。

 

一気にではなく、

徐々にだった。

私はてっきり抑えて我慢して受け入れてきたこの感情が

爆発的に解放されるのかと思っていたが

徐々にだった。

 

ラサールは腐敗の中でも自分の魂は必死に守っていたと思う。

 

この一件から

ラサールの中で腐敗しきった我慢ならない行為をする者を

「消してもいい」というルールができたようだった。

 

相手がどこまでも自分をバカにし迷惑をかけてくるのだ、

人として敬意をもった接し方ができない相手を

ラサールも「人」として敬意をもって扱う必要はない。

 

ラサールの感情がそれでもはじけたように見えたのは

ラサールの完成間近の卒論を書いているパソコンを

投げてぶっ壊したビッチ女に対してだと思う。

 

この時、うまく言えないが

ラサールはこの街から脱出するための蜘蛛の糸のような希望を

その女に切られ消滅された。

 

 

ほんのわずかでも希望があれば

人はどうにか前に向かっていける。

でもそれを失ったら・・・。

 

 

街を腐敗させた成功者と身近な存在の裏切り

 

自分のルールで自分の半径数メートルの秩序をどうにか保つラサール。

ある男との出合いにより

この街の腐敗の原因を知る。

 

あのクラブを作った有名人が

セック〇動画配信・薬・酒で人々から金を巻き上げ

依存させ街を金儲けのために腐らせていたのだ。

 

ラサールはコイツを始末することを決意する。

しかし同じ移民で可愛がっていた少年に裏切られ

ラサールは逆につかまり薬を大量にのまされ

意識朦朧としたなか男ともみ合い刺されてしまう。

 

逃げた男を朦朧とした意識でフラフラな身体で

なんとか追うが

クラブの警備員からは街の薬中毒者あつかいで追い払われる。

 

ラサールはキグルミを着せられて薬も大量に飲まされていたので

はたからみたら腐敗した街の腐敗した若者そのものだった。

 

 

街を腐敗させた権力者とラサールの最期

 

ラサールは乱痴気騒ぎの夜の街の片隅で

キグルミに身をつつみ大量の薬で意識が朦朧とする中

刺された傷により静かにその最期を迎えた。

 

この街を腐敗させた表向きはドキュメント動画&クラブ経営の成功者の男は

ラサールが準備していた彼の裏での悪事を収めた動画が公開され

逮捕されるニュースが流れていた。

 

ラサールは勝者だと私は思う。

どんな状況でも腐敗した街で魂を売ったり穢すことなく

守り抜いたんだから。

最後はこの街を腐らす元凶を退治できたし。

 

街を腐らせクラブを拠点に若者をあつめ

薬と酒とセック〇漬けにして巨額の金を集めた男は

警察や行政までも従わせていた。

 

金と快楽の力に街を守るはずの組織さえも服従する中で

ラサールはその力に服従も支配もされずに生き抜いたのだ。

 

普通にできることではない。

 

 

金と力による弱肉強食の中で支配されずに生きる強さ

私がラサールを勝者だと思うのはここなんです。

日本でも「空気を読む」「忖度」できる奴が

うまいこと人生渡っていくような風潮ありますけど

  • 周りに流される
  • 長いモノにはまかれる
  • 力あるものには従う
  • みんなと同じように生きる

方が楽だと思うんですよ。

流れにのって流されるから、自分の善意に反する行為も世の中のせいや

他人のせいにもできるし、自分に言い訳もたつしね。

 

まわりに合わせて生きる

 

生き残るためには賢い生き方なんですよ。

合理的で効率的なのかもしれない。

 

周りが腐っていたら自分も腐る方が楽なんですよ。

だってそういう状況の中にいるんだから。

 

だからこそ誇り高く生きる強者に屈しない弱者は

その生き方は勝者といえると思うんです。

 

人生なんて何を得たか?ではなく

どう生きたか?

後悔なく、自分に恥じることなく生きたか?

できまるのかもしれないね。

 

 

おまけ:ケバブのつくり方を知った

 

剣みなたな棒に

薄切りの肉を何枚も重ねてブっさしているんかと

思っていたら・・。

 

ミンチを固めたでっかいハンバーグみたいなものなんですね。

店独自のスパイス配合だから

色々店ごとの味の違いも楽しめそう(^^)

 

映画では内臓も一緒にミンチにしてたけど

実際はどうなんだろう???

 

いろいろ考えさせられる映画ですが

見てよかった作品です。

 

では、また~

 

 

 

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世界の移民政策 OECD国際移民アウトルック(2016年版)

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