2012年版の「トータル・リコール」の感想&考察を書くために
南北戦争の認識から見直さねばならないという先の長い展開に(--;)
でも「どうして日本社会が全体にカリカリして攻撃的になったのか?」
などその辺の謎も最後まで書けたら解ける話になっております。
「トータル・リコール」では
核戦争により人間の居住区域が限られたものとなり
富裕層が暮らすイギリス周辺地域と
労働者層の居住区がオーストラリア周辺に分けられ
労働者たちは地球の中心部を通って富裕層の豊かな生活のため
ひたすら労働力を生産性に替え吸い取られてります。
この映画よ~~~~く観てくださいね。
北半球に暮らす富裕層と
南半球に暮らす労働者層の人種構成や暮らしぶりを。
すごく大事なことがさりげなく描かれています。
最新のテクノロジーを使って生活しているのはどちらでしょうか?
富裕層が守っているものはなんでしょうか?
ここ、超面白いことが描かれているよ。
そこを上手に伝えたくて
感想&考察日記のために「世界経済」の話からするわけです。
しかも南北戦争の話からはじまるの。
南北戦争は奴隷解放のためではなく南部独立戦争!?
南北戦争といえば
「奴隷解放」のための南部と北部の争い
という認識だった私です(--;)
でも世界経済のしくみが見えてくると
「奴隷解放」争点の内戦でないということは感じていた。
もっと自分たちの利益や権利で動いていたはずだ・・と。
そんな時にプライムリーディングで無料だったので
この本を読んだら「なるほど」と思うことが書いてあった。
この本によれば「南北戦争とは?」
北部州が支配するアメリカ合衆国(ユニオン)から
南部11州がアメリカ連合国(コンフェデレート)を
名乗って独立しようとした戦争です。
と書かれており
その理由も「なるほど」と納得できるもので
しかもこの南北戦争はトランプ政権の誕生と密接な関係が・・。
「移民を排除し、白人のアメリカを取り戻そう」
というトランプ支持者たちのいう
- 移民って誰のことなのか?
- 白人って誰のことなのか?
ここが私の思っていた認識と違ったのです。
南部がユニオンから独立しようとしたのは
もともと南部と北部では
- 経済的にも
- 社会的にも
- 思想的にも
- 人口構成的にも
大きな違いがあったので当然ともいえる。
むしろなぜこれですんなり独立できなかったんだ?
と思ったのですが
そこに「奴隷解放」を掲げた理由が見えてきました。
なるほど。
こんなに違う、北部と南部
経済的にも、社会的にも、思想的にも全く違うとはどういうことか?
■北部は工業で栄える移民の地
イギリスで産業革命が起きて
工場を24時間動かす動力を得て
多くの労働者を必要とした結果
⇓
工業が盛んな北部には
ヨーロッパからアイルランド人、イギリス人、ドイツ人などが
大勢移住してきて工場の生産性を支えていた。
彼らを雇う工場にはイギリスの銀行家たちの投資が入っている。
人口の多さ、経済力で北部が大きな力をもっていたが
その中身は「移民」であり「ヨーロッパ」だったともいえる。
「アメリカなんてもともと新大陸発見以来
先住民から奪ったヨーロッパ移住者の国じゃん!」
と思ったあなた・・私も同じように思っていました。
しかし、その先住民から土地を奪い開拓した人達は意識が違うのです。
「パージ」でもたびたび耳にする
「ファウンディングファーザーズ・建国の父たち」が大きく関わっているのさ。
■裕福な白人が支配する農業社会の南部
広大なプランテーションで
黒人奴隷をつかって経費を抑え生産性をあげ
ヨーロッパへの輸出で儲け富を得ていた裕福な白人オーナーたち。
彼らこそ、この地を先住民から奪い
手を血に染めながら開拓してきた建国の父たちの子孫であり
その意識は「正統なアメリカ人」なのです。
彼らにはヨーロッパからの移民という意識は無いのです。
本当の対立の火種はなんだったのか?
「奴隷問題」よりも
南部と北部が内戦に進んだ理由はこっちの方が納得できます。
⇓
やはり経済、利益の追求こそが本当の原因であり
貿易に対する姿勢の対立は大きかったはず。
くわえてこちらの対立問題が火元でしょう。
国の支配と経済的豊かさをかけた
移民vs正統なアメリカ人の戦い
これ・・・どこかで聞いたような・・・
トランプ政権のスローガンやないか!
移民vs正統なアメリカ人 終わりなき戦い
トランプ政権のいう移民、
トランプ支持者がさす移民が
どういった人達か以前より見えてきましたよね。
「正統なアメリカ人」以外の人がみんな移民
ですが・・今は「白人とそれ以外」という意識の方が
前に来ているように見えますね(^^;)
たぶん白人以外を排除し終えたら、
次は「正統なアメリカ人とそれ以外」に意識が向けられるんでしょう。
でもトランプ政権が「移民」として観ている中には
ヒスパニック系や黒人、東洋人などに加えて
「銀行家」が含まれているというんです。
南北対立の時にも影響していたイギリス銀行家からはじまり
今のアメリカでは・・
近年のアメリカはウォールストリートを舞台にした金融市場が
大きな力を持っており、富の99.9%は彼らが握っている。
銀行系の人たちによる富の独占が
格差社会を生み出し
アメリカの一般国民を貧困に叩き込んでいった。
ということで
銀行家を含む移民を排除し
「白人の国アメリカを取り戻そう」って
士気の高まりがトランプ政権誕生につながったそうだよ。
富のほとんどを占めているのが金融市場の胴元であり
ヨーロッパの権力者であることまで
国民全体が意識しているのかぁ・・・・さすがだぜ。
しかしトランプ政権の人事をみると・・
どうなんですかね?
ロックフェラー家に
っとなかなかのあれじゃないっすかね。
やはり世界を動かしているのは
昔も今も彼らと金と力なのかも。
踊らされながらも小市民独女BBAとして
自分の快適な人生を守れる賢さ(ズル賢さ)を
身につけねば!
この移民vs正統なアメリカ人という意識
実は日本にもその影響はビシバシきているのです。
最近の日本社会のピリピリ、イライラした空気と
無関係じゃないようですよ。
では、②に続きます。
次回は「アメリカンドリームの終焉」予定っす。
映画の感想まで道はながいのですが
ここを踏まえてみると実に面白い描写が多い映画なのです。