「天の沼矛=零雷穂凝」の力がどの様なものかが示されている!?
神代文字や古代からの口伝の歌に示されている「日本語の計算されたヒビキと神秘の構造」に触れてから、古事記の解読に入ることをオススメしている私です。
⇓
では、さっそく「天の沼矛」を賜ったイザナギ命・イザナミ命の二柱の神のその後を見てゆきましょう~
⇓
故 二柱の神、天の浮橋に立たして、其の矛を指し下して画かせば、塩をこをろこをろに画き鳴らして、引き上ぐる時に、其の矛の末より垂り落つる塩の累積り嶋と成る。
(「古事記」より)
イザナギ命とイザナミ命が 天の浮橋にお立ちになって、造化三神から賜った「天の沼矛子(あめのぬぼこ)」を下界へさし下して、かき回されると、海水はかき回すたびに「コオロ、コオロ」と音を立てて…(と描かれております)
ここで私が注目したのは、「画き(かき)」の表現2カ所です。
- 其の矛を指し下ろして画かせば(かかせば)
- 塩をこをろこをろに画き鳴らして
「下界の海水をかき混ぜる」の意の処でわざわざ「画き(かき)」この漢字が音に当てられていることに相当な意図が込められているな、と感じたのです。
「画」が示す意味を確認したところ、
- 映ったもの(ウツシたもの)=絵・映像
- 物の形象を描き表したもの=言葉や記号によらず直接面上に表現したもの
であり、その字の成り立ち(語源)は、『筆を手に持ち交差する図を描いている(その図と筆)』から来ているのだというのだ。
つまり、「天の沼矛(天之御中主の力をウツシ凝めたもの)」というのは生成のイメージを描きだす「筆」なのです。その生成のイメージがウツシされた「図」というのは「完成図」であり、その内側・内部には「設計図(生成の骨組み・構造設計)」が秘められているものだと思われます。
「(下界の)海水」にイメージをウツシ描きながら、海水をかき回し 造化の渦巻く力を海水(根源の原始の海のウツシ)にウツシて、海水の生成エネルギーの結晶である「塩」を精製し、更に「塩を画き鳴らす」ことで造化の音のヒビキを生みだし、ウツシしているのです。
生成のイメージを描きウツシ+かき回し 渦の力をウツシ+造化の渦から音がヒビキ
⇒現象として「音」の出現からはじまり、矛が描いた「事・物」の現象が発生するのです。
造化の命(御言)⇒イメージ図で描かれ⇒そこに渦の力(造化の力)がウツされ⇒渦・螺旋から音がヒビキ⇒現象化が起こる
この流れが「はじめに言葉があった」からはじまる「言⇒事」への造化現象ではないでしょうか!正確には、
言⇒(図を描き・渦の発生・音のヒビキ)⇒事
こうして造化三神から授かった「天の沼矛」(造化の力)と「下界の海水(塩)」から生成された嶋というのが「オノコロシマ」なのです。
(つづく)