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【独女映画部】「おいしいコーヒーの真実」①~コーヒー豆生産者の貧困と世界経済

お題「最近見た映画」

おいしいコーヒーの真実

私たちが美味しいコーヒーを1杯100円、200円で飲めるその裏で

コーヒー豆生産者に何が起きているのか?

アフリカ最大のコーヒー生産国であるエチオピアの生産者側から

世界のコーヒー市場を見ることができるドキュメント作品です。

 

 

この映画は単に

「貧困国、途上国に手を差し伸べよう」というようなものではありません。

もっと世界貿易や世界経済のリアルな姿を浮き彫りにしています。

 

強い者がルールを創る!

弱い者は強い者に搾取され続ける!

 

私がこのドキュメント映画を見ながら一番に考えたことは

「世界経済の中で、日本もエリオピアと同じ側ではないのか!?」

という点です。

 

真面目に一生懸命働いて「生産」したものを

やすく買いたたかれ労働と製品は奪われ

自分たちの利益として還元されていないのではないか?

 

とにかくまだ観ていない方は是非一度見てみて

 

 

77分の作品なので

軽い気持ちで観はじめた私ですが

いつも2時間の映画を観ながら

とるメモ量の12倍の分量のメモになったのです!

 

それだけ

知らなかったこと、

胸に刻むべきこと、

驚いたこと、

が多かったのです。

 

世界経済は戦場で、

WTOの会場に入ったカメラは

「国際貿易の不公平さ」を

ありありと映し出していました。

 

 

 

BLACK GOLD・コーヒー資源経済戦争

 

「世界中で1日20億杯のコーヒーが消費されている」

 

コーヒーは今や人々の毎日の暮らしになくてはならない必需品となった。

それはガソリンや原油に匹敵する「資源」と言えるレベルではないだろうか?

 

コーヒー豆は「BLACK GOLD」である。

そんな金脈を持つともいえるコーヒー豆生産国は

資源国・コンゴと同じように

資源国でありながら豊かになれない世界経済の罠にはまっている。

 

 ↓

dokujyolife.hatenablog.jp

 

このコーヒーにまつわる経済戦争を

非常に深く掘り下げて

生産者目線で伝えてくれるドキュメントになっている。

 

コーヒーのために懸命に働けども働けども

苦しくなっていくコーヒー農家の暮らし。

 

コーヒーの小売販売額は

1990年以降年間300億ドルから800億ドルへと上昇しているのに、

コーヒー生豆の価格は30年前の価格にまで急落しているのだ。

 

非常に安くコーヒー生豆は買いたたかれ、

その分、誰かが膨大な利益を得ているということ。

 

コーヒー市場の歪んだ仕組みと

その仕組みに果敢に立ち向かうエチオピアの生産者組合の活動と

さらには不公平な国際貿易の現場と

経済の鞭にうたれながらいまだに西欧諸国の奴隷労働をされている

アフリカ諸国の人の魂の叫びが描かれている映画です。

 

エチオピアのコーヒー生産者組合代表タデッセ氏の活動

 

エチオピア連邦民主共和国はコーヒー発祥の地であり

アフリカ最大のコーヒー生産国。

 

輸出収益の67%を占めるコーヒーが

1500万人の生活を支えている。

 

エチオピア南部のオロミア州コーヒー生産者協会の代表である

タデッセ・メスケラ氏は7万4000人以上の農家を束ねている。

収穫・納品された豆を厳しくチェックし品質管理により

高品質な世界最高峰のコーヒー豆を守り続けている。

 

どんなに品質を良くし最高品質を維持しても

コーヒーの生豆はとても安価に買われていく。

コーヒー生産者は働いても働いても生活が困窮していく。

 

かつてはもっと高価で取引されていたのだ。

今ほどコーヒー農家は苦しい生活ではなかった。

コーヒー輸出加工センターの倉庫には

価格の高騰待ちの生豆が倉庫で山積みとなっている。

 

タデッセ氏はコーヒー豆の適正価格での取引、

コーヒー生産農家を貧困から救うために世界を飛び回っている。

 

1989年を期にコーヒー生豆の価格は暴落そして貧困へ

 

エチオピアのコーヒー農家の人に話を聴いても

「かつてはこんな酷い生活ではなかった」

「以前はもっとコーヒー豆は高く取引されていた」

そんな声で溢れていた。

 

コーヒー豆農業でしっかり生活できている時代があったのだ。

 

◆1989年に何があったのか?

 

コーヒーの需給を調整してきた国際コーヒー協会は

1989年に輸出割り当て制度を停止して延長した(事実上廃止)。

 

それによりコーヒー生産量・価格のバランスは大きく崩れていく。

ブラジルの増産、新たな生産大国としてベトナムの台頭。

生産国の生産競争は激化し、それに伴いコーヒー生豆の価格は

どんどん下降していった。

 

30年前の価格にまで落ち込んだのである。

そしてその価格がふたたび上がることはなかったのだ。

 

この裏に何があるんだろうか?

資源の価値、市場の需要と供給のバランスを知り

生産農家の利益を保護してくれていた国際コーヒー協会は

急に悪魔にでも乗っ取られたのだろうか?

 

◆今のエチオピアのコーヒー生豆の取引価格

エチオピアの南部オロミア州のキレンソ・モコニサ農業組合の

生産者たちを前にタデッセさんは語っていた。

 

「ここの村でコーヒー1杯の値段は1ブル(=0.12ドル)、

ここでつくった豆が運ばれていく西欧諸国では1杯25ブル(=3ドル)もする。」

 

「コーヒー豆1kgで80杯分のコーヒーになる、

25ブルが80杯分で2000ブルになるが、

生豆生産者は1kgのコーヒー豆を売っても2ブルから多くて4ブルしかもらえない

 

これが今のコーヒー生産者の現実だと教えてくれた。

 

次回:エチオピアのコーヒー組合がコーヒー市場の闇に挑む

 

やはり長くなりそうなので今日はここまで。

 

次回はタデッセさんの取り組みをさらに追いながら

コーヒー市場の歪んだ闇部分にクローズアップ。

 

この市場の歪みや闇は

たぶんコーヒー市場だけのことではないはずなのです。

他人事ではないのです。

コーヒーを飲んでいる時点で既にこの市場に関わっていますしね。

 

このドキュメントは77分で世界貿易、世界経済の綺麗ごとではない

リアルな部分をしっかり学べるのでおすすめです。

 

 

 

では、また~次回につづく。

 

 

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