もの凄い技術で人間の複製を作っていく神経学者ウィリアム…
でも、話の重心が途中移動してしまうので
全体に薄く浅い感じのストーリーになってしまったのかも。。。
キアヌは好演しており、周囲を固める俳優陣も
設定も面白いのに、人間の複製モノにしては
いまいちわくわく感が極薄だった作品(何故だ?)
⇓
私はアンドロイドや人造人間、複製人間モノには
わくわくするタイプなのに…
でも、その理由がわかった。
命の複製に対する苦悩がつくった側にもつくられた側にも
あまり見られなかったからのようです(--;)
映画レプリカズ~あらすじ
医療系バイオ企業で働く神経学者ウィリアム(キアヌ)は
亡くなった人間の意識を人工脳へ移す研究に取り組んでいた。
人工脳も人工の身体も、
人間の脳から意識(記憶)を取り出す技術も
完成しているのに移植段階で毎回失敗…
移した意識が機械の体に混乱し暴走してしまうのだ。
莫大な研究費を投じており
上司やその上からの
技術完成への催促と圧力が半端ない。
「あと何が足りない?何を見落している?」
と、焦りを感じるウィリアム。
仕事では大きなストレスを感じつつも
家に変えれば愛する妻と可愛い3人の子供達に囲まれ
幸せな生活を送っている。
仕事に追われながらも
家族との週末の遠出を楽しんでいたウィリアムに悲劇が!
車の事故で自分以外の家族を全員失ってしまったのだ。。
「そんな、こんな事、、受け入れられない」
と、パニックになった彼は
死にゆく家族の意識を取り出し
家族をよみがえらせる事を決意する。
自分の意識移植の研究と
ラボのクローン作製技術を使い
完全に家族を再生するため
同僚のエドを呼び出し巻き込んでいく。
家族を再生させるために無断で
ラボの高額な機材を自宅に持ち込んでおり
失敗は許されない…チャンスは1度きり
「意識の定着に、今まで何を見落していたか」
必死に考えた彼はある答えに行き付く。
用意できるボディは3体、
取り出した意識は4人分(妻と子供3人)
苦渋の決断で末娘の再生は諦め
移植する意識からも末娘の記憶を削除するウィリアム。。
時間に追われながらも
なんとか家族3人の再生に成功したウィリアムだったが
この成功が会社と上司に知られることとなり
新たな危機が訪れる。
ウィリアムは家族を守りぬくことができるのか?
医療系企業と思っていた会社の正体は?
死者に人権はないのか?~科学と倫理
はじめの意識移植のテスト実験から驚きの連続です!
どうやら事故死した兵士(軍人)がこの研究所に運ばれてくるようになっていて
その死後すぐの体から意識(記憶)を抜き取りデータ化し保存、
そして機械のボディ+人工脳へ記憶の移植をする流れができているようです。
だからね、
自分の死さえも認識してないのに
目覚めたら自分の身体が機械になっているわけよ。
そりゃー驚くよね、
「死にそうだったから、機械に記憶移しといたよ」
っていわれて
「あ、そうなの、ありがとう」ってなるわけねーだろ!
生きている時に
ちゃんと万が一に場合って承認とっておいてほしい。
「技術的にできるんで、勝手にやっておきました」(^^)
これ、どこまで許せますか?
見ようにようっては「命を救うこと最優先」の態度にも見える。
でも、命ってどこまで?
意識(記憶)が人間の本体なのか?
んで、こういった葛藤はこの作品にはほぼ出てこない。
すがすがしいほど出てこない。
再生を勝手にやったウィリアムも
勝手に再生された家族にも
この葛藤は見られない。
むしろ、こうなったんだからもうそれはそれでいいやって感じ。
「これから」に意識が向かっている(逞しい)
話の重心が家族のままだったら…
「事故死した家族の再生」という父の苦悩から
それが完成した途端
話の重心が「クローン再生技術」を巡る
企業と研究者の父の戦いになってしまうので
全体に印象が薄くなってしまっている。
完璧なクローンとして再生された家族と
家族を再生した父の「これから」の苦悩と葛藤へと
話の重心は家族に置いたままの方がよかったんじゃないかなぁ。
私が「そこ」を見たかっただけか?
私もウィリアムと同じ判断と行動とったと思う。
でも再生した家族はやはり「複製」であって「オリジナル」とは
異なるようなものの気もするんだよなぁ…
最後に描かれてた恐ろしい展開
あとね、気になったのは
生きてる人間の意識のデータを取ると
どうやらオリジナル本人の意識・記憶はそのままに
いくらでも複製し放題っぽい最後の展開!
自分の複製をクローンボディでも機械ボディでも
何体も同時につくれちゃうんだよね…怖くないですか?
もうオリジナルの存在さえ揺らいできちゃいません??
細胞分裂のような感じの認識になっていくのでしょうか。
人間は意識の箱である肉体と
機械の中の幽霊でできているのか?
核は何?
境目が揺らぐと不安になるBBA私です。